佐藤優のレビュー一覧
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獄中記だったか国家の罠だったか。君は官僚としてはカリスマ性がありすぎる、みたいなことを言われた、なんて記述があったがその意味がよくわかる。
この本は右の雑誌から左の雑誌までを横断したコラム集である。で、あるのだが、右とか左とかはほとんど意味をなさない。なぜならこれはあくまでも「佐藤優」のコラム集であるのだから。
知的水準の高い著作を書く作家だから彼の著作を読みたくなるのではなく、佐藤優の著作を読みたくて彼の著作を読んでしまう。そんなちょっとした中毒症状を起こしてしまう。
動物園とかのペンギンは、オス度の高いオスがいると、オス度の低いオスがメスの役割を果たすように受けになるって話があるけど、そん -
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ネタバレ・ロンドン軍縮会議・・1930 補助艦 アメリカ10 日本6
・アメリカはメキシコでは門戸閉鎖主義、アジアでは解放主義
・帝国主義的資本主義・・強者のための理論。競争に強い国は自由貿易を唱える。駆け足で1番の者が全てをとるという平等なゲームのルールは、一位以外の物にとってはいつも負けが約束されているに過ぎない。
・不満をそらすためにはだれかを悪者に仕立て上げること 軍閥が対象となった。
・モンロー主義:大陸間干渉からの脱却。 アメリカは地政学から普遍主義(アジアの門戸開放政策)への転換
・戦争においての思想的な勝利。戦争は思想の衝突がどうしても一致しえない場合に生じる。
・東亜解放の対象であ -
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本書は著者が外務省在籍中に間近で接した歴代総理やロシア首脳の意外な素顔、さらには歴史上の人物にインテリジェンスの視点から切り込んだ異色の人物論集である。
当事者ならではの臨場感溢れる記述は面白い。個人的には神学の部分など読みづらい部分もあったが、本書を読むと、マスコミのニュースからは窺い知る事の出来ない一面が見られる。
例えば、鈴木宗男氏の事である。「ムネオハウス等」かつては悪の権化の様にバッシングを受けていた。しかし、現に鈴木氏を慕う人は多く、選挙で復活を遂げた事をみると、かつてのマスコミのステレオ的な見方では、とらえきれない事がわかる。(これは善悪の問題では無い)
マスコミは売ら -
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ネタバレ本書は、A級戦犯として裁かれた、大川周明の『米英東亜侵略史』
をそのまま掲載し、佐藤氏の解説を付けたものである。
筆者は、本書を通して、戦争へ行かざるを得ない大義名分があったという。そこには大川周明の主張が「論理的」「実証的」に説明されるという。
筆者によれば、ここには大川なりのリアリストかつ道義的な見方があるという。アメリカの中国での門戸開放、領土保全など普遍主義を掲げつつ帝国主義政策を講じ、あからさまに日本の権益に対する邪魔をするという偽善的振る舞いに対し、大川は東西で「棲み分けの論理」を適用しアジアでは日本が欧米植民地からの「解放」を通して、アジアという「小世界」を確立する為に「外科手 -
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「ユダの福音書」の解説が興味深かった。何十年後かにこの福音書が解読され、いままでの敵味方を区別して世界を闘いに導く一元主義ではなく、多元的寛容の下に世界が共存共栄していく考え方が、実は本来のキリストの教えなのだという説が提示されるという、そのときが本当に待ち遠しい。「ラスプーチン南朝を訪ねる」では後醍醐天皇の墓ががある吉野山、日本の精神的な象徴の場所であるという。奈良はそそここで霊的なものを感じる地域、腑に落ちる。
全体に宗教のこと、歴史のこと、ロシアのこと、今までの教科書的な羅列された理解ではなく、一つ一つが有機的関連性を持って動いているのだという、歴史のダイナミズム、そして本を読むことの醍 -
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インテリジェンス(諜報)とは行間に隠されている情報をつかみ取って行く作業だそうである。書かれている文章の行間を読み取って行く為にはその国、土地の風土、歴史、宗教等幅広い知識が必要とされるのだろう。著者は同志社神学部であったのでキリスト教については専門なのであろうが、その他についてもその知識の深さにはいつも驚かされる。この本は著者が関係した歴代の首相やロシアの政治家についても多く書かれているが、私が個人的に興味を引かれたのはキリスト教に関する「不良少年「イエス・キリスト」」、「二十一世紀最大の発見「ユダの福音書」」等である。これまでも西洋の文化を知るにはその根底にあるキリスト教についての知識がな