佐藤優のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ震災後の日本の動き、それ以前の日本の動きについて、田原・佐藤・宮崎の3氏の語り合い。
気に留まったのは、日本はデモという行為で政治が動いた事例はただ一回のみ、それは「日中戦争への突入」であった、というくだり。
日本人がデモという直接民主主義で動いてもロクな事にはならない、という意味で取り上げられていたのと、戦後の安保デモぐらいの大規模デモを起こしてみても何も政治決断は変わらなかった、という二重の意味がある。
また、デモにそもそも参加できるのは、その日の仕事を休める比較的余裕のある層であって、本当に苦しんでいる階級はそもそもデモに参加する余裕などない、デモは参加している人たちの自己満足である -
Posted by ブクログ
ネタバレ本から学ぶためにはどのような読み方をすればよいかについて書かれたもので、目的を持って読書をするにはどうしたらよいか、という内容ではない。何故なら、専門書などを除いては、その目的に沿った価値を提供する本を選ぶことは難しいからだ。
それにしても、著者はいわゆる「ネオリベ」が今日の経済閉塞の根源ととらえているらしく、「新自由主義モデルでは、規制緩和ではなく無規制が、小さな政府ではなく無政府が理想となる」と書いているが、これは誇張であると思う。「ネオリベ」に対する有効な理論として宇野弘蔵をあげているが、恐慌の原因は資本主義に内在する不可避なものだということが正しいとしても、それが労働価値説で説明できる -
Posted by ブクログ
五歳のときに、私は父から地球儀をもらった。誕生日プレゼントではなかったはずなので、1991年のことであるのは間違えないが、何月なのかはわからない。いまでも自宅でほこりをかぶっているその地球儀には、緑色で塗られた広大な「ソビエト連邦」がある。現在のロシア連邦も広いが、カザフスタン、ウクライナといった単体でも十分大きな面積を持つ国家が集合していたソビエトは、ただただ広い。後年、母が「お父さんでもソ連が崩壊するとは思ってなかったんだから」言っていた言葉が非常に印象に残っている。 父はテレビ局で報道番組を制作しており、当然国際情勢には明るかったはずであり、また大学の卒論はマルクスと共産主義に関するも