ブックライブの書店員おすすめレビュー

すべて のおすすめレビュー

  • ブックライブ書店員

    尊すぎて語彙力が吹き飛ぶオフィスラブコメ登場ですッッッ!!!

    社内では影を潜める三谷先輩の裏の顔は、ガチのコスプレイヤー!
    この設定だけでご飯100杯いけるのに、まさかの“営業部のプリンス”後輩・岸くんに秒でバレる展開の早さが最高すぎる!

    しかも岸くんのキャラ変が刺さりすぎてツラい……!
    しごでき爽やか王子様なのに、弱みを握った途端にその笑顔が意地悪く見えるのはずるい!!
    必死に頼む三谷先輩へ突きつけた「交換条件」にはニヤニヤが止まりません。
    岸くんの手の上で転がされる先輩、かわいそかわいい(褒めてます)!

    イケメン後輩に翻弄される先輩が大好きな人も、ギャップ萌えに狂わされている人たちも、今すぐページをめくってください!!絶対刺さること間違いなしです!!

    2026年10月07日
  • ブックライブ書店員

    サイコパスの攻めがこんなにもボロボロなんておかしいじゃないですか…!!!

    はらだ先生の作品は痛く狂気としか思えない愛が特徴です。
    今作もそんな愛とは思いたくないほどの執着心で受けを追い詰める攻めが登場します。

    【あらすじ】
    美容師として働く笑吉は美容師としての技術力の高さはあるものの、口下手な性格で指名客はほぼ0。そんな笑吉の前に見た目良し、会話良し、経歴も良しな美容師福介が現れる。福介は終電を逃したと言い笑吉の家に上がると…。


    笑吉は、冗談が通じず大切な人を馬鹿にされるとすぐに手が出る暴力的な一面もありますが、基本的にはお人好しで、ほだされやすいのです。そこにどんどん漬け込む福介……。
    基本的には、笑吉逃げてと思いながら読みますが、福介の強すぎる独占欲が愛に見えてしまうこともあり、二人に幸せになって欲しいのに一緒になっても二人は幸せになれない…!!!という感覚に苦しむことになります。しかし、これがはらだ先生作品の良さ。全てを知っている読者が一番矛盾した気持ちにさせられるのです。ひいい、すごい。
    怒涛の下巻まで一気読みして欲しい作品です。

    2026年09月04日
  • ブックライブ書店員

    『推しが隣で授業に集中できない!』の原作者筒井テツ先生がブロマンス…!?
    しかも漫画はBL漫画家のジョゼ先生だと…!?
    傑作の予感しかしないのですが~~~~!?!?!?

    まず井伊くんと栄輔くんのビジュが良すぎて…っ
    さすがジョゼ先生と拍手を送りたい気持ちです。
    井伊くんは短髪にメガネで一見クールな男子なのかなと思いきや小ボケを挟んでくる面白いキャラクター。
    栄輔くんは長髪黒髪のイマドキ男子で人気者になるのもよく分かります!

    物語は栄輔くんが女子に告白された際に怪我を負わせてしまうところから始まります。
    大学に現れなくなった栄輔を心配した井伊くんは栄輔くんの家を訪ねると、外にはストーカーのように佇む女子の姿が…。
    その異様な光景にもゾッとしますが、井伊くんの視点に切り替わるとそこには…!?
    オカルトものということを思い出させる背筋がすーっとなる演出でした…。
    そしてここから始まる男2人の同居生活……最高以外の言葉が出てきません!!

    オカルト好きもブロマンスの狂人たちも全員今すぐ1話を読んでいただきたい!!!!!
    ここが新しい沼の入り口です!!!!!

    2026年09月02日
  • ブックライブ書店員

    よかばい、よかばい♥
    不器用朴訥方言男子×腹黒政治家好青年の愛の邂逅、スタートです!!!

    光岡(通称みっちゃん)は、地元の弁当屋でバイトをしながら求職中。ある日、自治会に弁当を届けに行くと、そこには小中時代の同級生で、今を時めく市議・清野清正の姿が!!!
    シャイな光岡は、清野にバレるなり逃げようとするのですが、清野は光岡を捕まえて、

    「すぐそうやって逃げよる」

    と、不敵な笑みを浮かべ……。

    この作品、とにかく二人のキャラクターが良い!!
    光岡ことみっちゃんは、実直な好青年ではあるものの、シャイで人とのコミュニケーションが苦手。自分にも自信がありません。
    一方の清野は、今や市議として活躍する好青年……なのですが、みっちゃんに対してはなかなかの腹黒っぷりを発揮。押して押して押しまくる清野ですが、みっちゃんはなかなか自分を解放できず、二人は中学生の頃からずっとすれ違い続けているのです。
    それでも、みっちゃんを諦める気配のない清野。グイグイ攻めるだけかと思いきや、みっちゃんの反応ひとつで傷ついてしまう姿も……。
    中学生のころから続く、二人のすれ違いと拗らせ愛。
    今度こそちゃんと伝わるのか!?

    二人の愛の行方をぜひ見届けてください!

    2026年08月14日
  • ブックライブ書店員

    皆さん、でかでか感情は好きですか?
    私は大好きです♥

    強面番長の伴長(ばん ひさし)の隣にいつもいる一色司。彼の拗らせ愛は、超超ちょおおおおーーーーーーぅ大きかった。
    なんと一色司、伴長をモデルにした少女マンガを大手サイトで投稿連載していたのだ!
    しかしある日、クラスのオタク女子が読んでいるところを伴に見つかってしまい……。

    (; ・`д・´)

    一色司の表面上の感情表現なんて、氷山の一角。心の中では常に大暴れ。伴の一挙手一投足に「尊い」が大爆発!
    こんなに近くにいるんだから、実質〇〇〇じゃん!!!!!……と思っていても、気持ちが伝わっていなければ、何も実体はないのである。

    この「近すぎるのに伝わらない」もどかしさも、切なさも、ぜーんぶ抱えて、一色司のハイテンションな片想いは今日も爆走中!
    どうかお幸せに……。Big Love( ^)o(^ )

    2026年08月14日
  • ブックライブ書店員

    不動明王に例えられるような大きい体を持つ明子と華奢で女の子らしい愛美。そんな二人の体が入れ替わり、明子は愛美の体で今までしたかったことを謳歌する。しかし、互いの体で過ごしていくうちに、彼女らのコンプレックスは大きくなっていき……。

    もっと可愛かったら…もっと身長が高かったなら…しかし、そのような見た目のコンプレックスは本当に自分の欲求なの?という疑問を投げかけてくれる本著。
    見た目への不満は副次的欲求に過ぎず、本当は好きな人に愛されたいとか、こういう服が似合うようになりたいとかそういう理由を全て自分の見た目に押し付けてしまっているのではないか。
    見た目へのコンプレックスはというよくあるテーマでありながら、他の作品とは違った切り口で誰もが持つ悩みに真摯に寄り添ってくれる作品になっている。

    2026年08月12日
  • ブックライブ書店員

    執着攻め好きのみなさ~~~ん!!!大事件です!!!!💥💥

    昔かわいかった幼馴染がイケメンになって再会するというあらすじを見て面白そう♪と思って読んだら……
    いや、執着、重ッッッ!!!!!!(大歓喜)

    10年間ずーーーーっと想いを抱え続けた男の"重み"がエグい……!!!
    クールでミステリアスな千草が吟に向ける感情だけは全然隠しきれてなくてニヤニヤが止まりません🤣💗
    しかも、吟を抱きしめたりあんなことやそんなことをしはじめて…!?
    幼馴染だったはずの2人はこれからどうなっちゃうの………?????
    再会もの・幼馴染BL・執着攻めが好きな方はもちろん、「重すぎる片想い」が大好物な方にも全力でおすすめしたい作品です!!

    10年分こじらせた激重感情、ぜひ浴びてください!!!!!!💥💥

    2026年08月05日
  • 中学3年生の吉木星太(よしき せいた)と、その腐れ縁である葉月光流(はずき ひかる)は、お互いに切磋琢磨しながら「優紀高校」への合格を目指していました。
    しかし、合格を確信していた矢先、学校側から光流へある衝撃的な理由で受験を断念するよう通告されます。
    身体的なハンデを理由に「分断」されようとする二人。
    当たり前だと思っていた「一緒に通う」という未来を取り戻すため、星太は世の中の不条理に真っ向から立ち向かっていきます。

    本作は大ヒット作『ヤンキー君と白杖ガール』の、うおやま先生が描く優しくも鋭い視点が光る青春物語です。

    物語の序盤、私は大きな衝撃を受けました。
    実は光流には車いすというハンディキャップがあるのですが、物語の導入ではあえてそれが描かれません。
    しかし、志望校から「校内にエレベーターがないから通えないだろう」と事前に受験を取りやめるよう告げられた際、初めてその事実が明かされます。この構成がすごい!!
    「設備がないなら仕方ない」と、無意識に世の中のルールに納得しかけてしまう読者の心理を突いてきます。
    しかし、主人公の星太は違います。
    彼は世の中の不条理を「仕方ない」の一言で片付けません。
    「自分の隣にいるのは光流でしかない。代わりはいない」と言い切る星太の姿に強さを感じます。
    私自身、日々の生活で「しょうがない」と多くのことを諦め、妥協して生きている部分があるため、彼の真っ直ぐな姿勢には深く身につまされる思いがしました。

    星太の熱意は、光流の心も変えていきます。それまでは周囲に配慮し、一歩引いていた光流が、「フツウとして扱われたい」と自分の願いを口にするようになる変化には、星太の影響が色濃く反映されています。

    また、彼らの前に立ちはだかる生徒会副会長・薫まりの存在も欠かせません。
    県議会議員の娘であり、一見すると「悪役」のように描かれる彼女ですが、実は彼女自身も「父に愛されていない」という深い孤独を抱えています。
    単なる勧善懲悪ではなく、それぞれの置かれた立場、それぞれの正義がぶつかり合う展開には、ページをめくる手が止まらないワクワク感があります。

    本作の素晴らしい点は、「助ける/助けられる」という関係が、非常にフラットで対等に描かれていることです。
    本当の友達とは何だろうと考えたとき、それは損得勘定抜きに、何気ない瞬間に相手のために動けることではないでしょうか。この作品には、まさにそんな理想の友情が詰まっています。
    星太が光流のことを、あえて「友達」ではなく「腐れ縁」と呼ぶのも、彼らしい照れくささが感じられて、思わず顔がほころんでしまいます。

    相手を知ろうとすることの大切さを説くうおやま先生だからこそ描ける、綺麗事だけではない人間ドラマ。目標に向かって泥臭く邁進していく星太と光流の姿を、これからもずっと見守り続けたいと心から思わせてくれる作品です。

    2026年06月29日
  • 16歳の女子高校生・狭山うみ(さやま うみ)にとって、隣の家に住む8歳年上の広井翔也(ひろい しょうや)は、幼い頃から憧れていた「理想のお兄ちゃん」でした。
    しかし、久々に再会した彼は、髪はボサボサ、無精髭を生やした「小汚い大人」に激変していて……。
    再会から始まる、8歳差の不器用で、でも温かい「ささやかな」恋の物語。

    『ホリミヤ』で作画を手がけた萩原ダイスケ先生の最新作ということで、まずは何と言っても画面の麗しさに圧倒されます!
    主人公のうみは息を呑むほど美しく、お隣さんの翔也もまた、整った顔立ちが隠しきれていないイケメン。この二人が並ぶだけで、視覚的な幸福感がすごいです。

    物語は、憧れのお兄ちゃんだった翔也との「残念な再会」から始まります。
    昔の面影がないほど小汚くなってしまった彼にショックを受ける…という「あるある」な展開ですが、そこからの盛り上がりが最高なんです!
    翔也が漫画家として活動していることが判明し、うみから尊敬の眼差しを受けた後にそれが「エロ漫画家」だったという展開には、萩原先生「わかってらっしゃる…!」と思ってしまいました。
    しかし、外見や職業が変わっても、翔也の根っこにある「優しさ」は昔のまま。うみのことをさりげなく気遣い、守ってくれる彼の包容力には、一人の男性としての抗いがたい魅力を感じてしまいます。
    うみが、そんな彼の「変わらない良さ」を少しずつ再認識していく過程は、読んでいて本当に気分が上がります。

    また、本作は脇を固めるキャラクターたちも最高にいい奴らばかりなんです!
    うみがあまりに美しすぎて、同級生たちは「触れてはいけない高嶺の花」として遠巻きに見ていたのですが、それをうみ自身が「嫌われている」と勘違いしている様子がなんとも可愛らしい。
    翔也が作ってくれたきっかけで同級生たちと打ち解けていくシーンは、まさに尊さの極みです!!
    「仲良くなっていいんだ!」と分かった瞬間の、同級生たちの猛烈な距離の詰め方には、思わず吹き出してしまいました。

    うみと周りの人々との軽妙なやり取りも面白く、まっすぐで等身大のうみには、ヒロインとして絶大な好感が持てます。
    今はまだ「ささやか」な距離感の二人ですが、これからどんどん仲良くなって、早く二人の「ラブぃシーン」が見たい……!と願わずにはいられません。
    じれったくも愛おしい「恋の始まり」をぜひ見届けてください!

    2026年06月25日
  • 巨大集合住宅に夜明けを告げる放送が鳴り響きます。
    「健全な国民は、健全な国家規律から!!」
    “国家” “規律” “労働”を提唱する厳格な管理社会の中、住人たちに手紙を届ける任務を行う逓信所飛脚行代員1871号の目を通して描かれる異質な日常。
    一見静かな日々の中に潜む不穏さと、抑圧された世界で交錯する人間性の欠片を描いたSF作品。

    「ディストピア」という言葉をご存知でしょうか。
    SFの世界で描かれる反理想郷や、徹底的に統制された管理社会のことを指します。本作は、まさにそんな息の詰まるようなディストピアを舞台にした物語です。

    読み始めるとまず、その独特な世界観に圧倒されます。
    薄暗く、どこか黴臭さすら漂う陰鬱で荒廃した世界。
    大きな団地のような建物の中だけで全てが完結しており、住人たちの姿は人間とは大きくかけ離れています。しかし、不思議なことに彼らの行動や感情からは人間臭さが溢れ出ており、「彼らは元からこの姿だったのだろうか」と思わず勘ぐってしまいます。
    そもそも異形である彼らと我々は何が違うのでしょう…。

    この世界で、住人たちが生きるかすがいとなっているのが「手紙」です。
    手紙が届くか否かが、そのまま生きる活力にも絶望にも繋がっているのです。
    さらにユニークなのが、手紙に「賞味期限」があるという設定。
    手紙に含まれる感情を「はかり」で計測することでその期限が判明する描写からは、まるで感情が質量を持った世界であるかのような不思議さを感じます。
    しかし、その手紙にすら検閲が入る描写があり、彼らの感情さえも規制されている事実にゾクゾクさせられます!

    他にも、箱根細工のような箱に入った「密粗計」というアイテムや、「9時」になることで移動を強いられるルールなど、私たちの常識とは異なる「時間」や「空間」の謎が散りばめられており、SF好きにはたまらないものがあります。

    居住区もランクによって分かれており、工場など単純労働者であるほど劣悪な環境での生活を強いられているようで、労働棟の生活環境はまさに監獄そのものです。
    格子戸で区切られた独房のような部屋、過酷な缶詰工場での労働。
    1等国民になって専用の居住区へ移るには「人民券」が必要ですが、労働で得られる額はたかが知れています。そのため食事を我慢したり、人民券を得るために売春に手を染める者も現れます。
    「望むものを得るためには、やりたくなくても、やらなければいけないのか。それとも自分を守るために拒絶すべきなのか」――どちらが正解なのか、物語は私たちに冷徹に問いかけてきます。

    本作の根底にあるのは、「コミュニケーションとは何か」、そして「人は何を大切に生きるべきか」という切実なテーマです。

    分かりやすさや展開の早さがもてはやされる昨今、本作はそのトレンドに真っ向から立ち向かっています。
    決して消費されるだけのマンガではなく、読者自らが絵の隅々まで目を凝らし、情報を読み取る必要がある作品です。
    混沌とした世界観の中に、表現者としての強い信念が感じられる、じっくりと没頭したい至高の傑作です!!

    2026年06月25日
  • 学力は高いが外見に自信を持てない高校生・未来は、幼なじみで可愛く人気者のさえや、想いを寄せる同級生・アキヒコとの関係に悩んでいます。
    そんなある日、さえが夢に向かって努力していることや、アキヒコがさえを想っている事実を知り、未来の心は大きく揺らぎます。
    劣等感と嫉妬に傷ついた未来は思わず感情をぶつけてしまい――。
    自分に足りないものを抱えながらもがく少女たちの痛みと成長を描く、人間関係のリアルに迫るヒューマンドラマ!

    人と自分を比較しても、何の意味もない。そんなことは百も承知なのに、私たちはどうしても「隣の芝生」の青さに目を奪われ、自分の足りなさばかりをあげつらってしまいます。
    自分は自分でしかないのに、他人の真似事をしては勝手に傷つく――。今作は、そんな誰もが一度は囚われる歪んだ感情を、痛いほど丁寧に、そして鮮烈に描き出しています。

    主人公の未来は、自分自身で心をがんじがらめにしがちな女の子。
    想い人であるアキヒコのちょっとした言葉に一喜一憂する姿は、思わず応援したくなるほど瑞々しい乙女心に溢れています。
    そんな未来の前に立つのが、親友の「さえ」です。
    さえは可愛さも、可愛くなるための技術も、アキヒコからの好意も、ありとあらゆるものを持っています。未来にとって彼女は「全てを持っている人」。
    自分が唯一勝てるのは学力だけでした。

    そんなさえの夢は、途方もなく大きな「宇宙に行くこと」。
    無謀とも思える夢へ「やってみなくちゃわからない」と笑うさえに対し、未来は冷や水を浴びせるようにこう告げます。
    「どんなに頑張っても、どんなに努力しても、その人には絶対無理って予め決まっていることがあるんだよ。さえちゃんには無理だよ」

    ここでハッとさせられるのが本作のタイトルです。
    タイトルは『未来ちゃんには無理だよ』。しかし作中でこのセリフは一度も出てきません。
    そう、未来はさえに向けて言葉を放ちながら、同時に「自分自身」に呪いをかけていたのです。

    男とか女とか、恋愛とか、そういう枠組みを「窮屈」だと笑い飛ばせるさえは、未来にとって眩しすぎるほど自由な存在でした。だからこそ憧れた。
    けれど、いつだって大切な友情にヒビを入れるのは恋愛感情です。

    物語の皮肉な転換点。未来の予言通り、さえは大学受験に失敗し、逆に未来は自分が本当に行きたかった学部に合格します。
    狭い世界に閉じ込められ、息苦しさを感じるさえ。
    しかし、さえの夢だったはずの道を代わりに歩むことになった未来もまた、別種の息苦しさに身を焦がすことになります。
    結局、自分で望み、自分で選んだ道ではない「不本意な選択」は、どんな形であれ自分自身を苦しめるのでしょう。

    しかし、物語は苦しいままでは終わりません。
    「何者にもなれなかった」と絶望していたさえは、同級生たちから自分が高嶺の花であり、希望の星であったことを告げられます。
    そこで初めて、彼女は自分がちゃんと「自分の道」を歩めていたことに気づくのです。
    自分の居場所は、誰かに用意されるものではない。自分で探し、自分で作るものなのだと!!

    一見、宇宙飛行士の夢を諦めたように見えたさえですが、彼女は決して折れていませんでした。世界を旅するバックパッカーとなり、SNSのインフルエンサーとして、彼女らしい方法で「宇宙(世界)」へと飛び出していく姿には胸が熱くなります。
    一方、偶然再会した未来は、相変わらず不器用で恋愛感情に振り回されていました。でも、それが彼女の等身大なのです。

    お互いに必死で努力して、何かを掴み取ろうとしてもがいて、それでもできなくて……。
    実は、お互いがお互いを「羨ましい存在」として見上げていた二人。
    誰の心にもあるドロドロとした感情をどこまでも分かりやすく、かつ丁寧に描いた本作は、私たちに「夢に向かって進むこと」、そして何より「自分自身を信じること」の尊さを教えてくれます。
    今、自分の道に迷っているすべての人に届いてほしい、至高の一冊です。

    2026年06月25日
  • 聴覚障害を持つ大学生の平里は、手話通訳の学生バイト・嶋に誘われ、お笑いの世界に飛び込みます。二人はお笑いコンビ「ローワライ」を結成し、「聾(ろう)にしかできひん笑い」を武器に漫才の頂点を目指すことに。
    言葉の音に頼らず、身体表現や間、視線で笑いを届ける二人。日常の不自由さや葛藤すらも笑いへと昇華し、常識を覆す新たな漫才のかたちで舞台へ挑む、熱き青春エンターテインメント開幕!

    「漫才」はマンガで表現するには非常に難しい題材です。会話のテンポや間、言葉の強弱といった要素は、本来「音」として耳から伝わるものだからです。
    本作はそんな高いハードルに加え、「聾唖者(ろうあしゃ)の漫才」という、さらに挑戦的なテーマに踏み込んでいます。
    その挑戦だけでも驚きですが、何より本作は、それを圧倒的な表現力で見事に成立させている点が本当に凄いです!

    特に印象的なのが、彼らの初舞台のシーン。 後半にかけて畳み込むように笑いが連鎖していく流れは、まるで実際の劇場で漫才を観ているかのような臨場感があります。「マンガでここまでお笑いを表現できるのか!」と、素直に鳥肌が立ちました。

    また、本作は単なるお笑い成功譚ではありません。
    普段、私たちが何気なく過ごしている日常が、聾唖者にとってはいかに不自由なものかという現実も丁寧に描かれています。そして、本来なら悲しみや怒りに繋がるはずの不自由さを、「笑い」という形に昇華している点に、お笑いをマンガで描くという作者の凄みを感じます。

    音が聞こえない主人公の平里は、一般的な漫才のリズムをそのまま共有することはできません。しかし、本作はそこを「ハンデ」として消費するのではなく、手話、表情、身体の使い方、そして観客の巻き込み方を含めた「新しい笑いの形式」へと昇華させようとします。 「聾にしかできひん笑い」というコンセプトは、単なるキャッチコピーではなく、物語の強固な核として機能しているのです。

    登場するキャラクターも非常に魅力的です。
    相方の嶋は、思わず「あほちゃうん!?」とツッコミを入れたくなるほど元気いっぱいにボケ倒す存在。しかしその裏には、平里に「笑い」を伝えたいという強い想いがあり、手話で丁寧に通訳する優しさも持ち合わせています。
    一方の平里は、鋭い目つきが印象的な青年です。これまでの人生で抱えてきた怒りや葛藤がその表情から伝わってきますが、だからこそ、彼がふと見せる笑顔がとにかくたまらないのです!「嶋はこの一瞬の笑顔のために頑張っているのでは…」とさえ思えてきます。

    誰かに笑いを届けること、伝えることの難しさと尊さ。その両方をこれほど熱量高く、エンタメとして描き切った作品は他にありません。「彼らの漫才をリアルで観てみたい!」と心から思わされる、人と人とが分かり合おうとする力に満ちた傑作です。

    2026年06月25日
  • 山と国道に挟まれた田舎町・つづみ町。
    周囲にナメられないよう強がって生きるヤンキー女子高生・春野うらら。東京から田舎町へ引っ越してきた彼女は、母の職業や家庭環境を理由に偏見の目に晒され、孤独を深めていました。
    そんなうららの前に現れたのが、町の駐在さん・立見宗介(たつみ そうすけ)。不器用ながらも自分を守ろうとしてくれる彼との出会いが、うららの頑なな心を少しずつ溶かしていきます。

    本作は、一見シンプルな「ヤンキーJK×警察官」という関係性の物語でありながら、“人を頼ること”というテーマを非常に丁寧に描いた作品です。最大の魅力は、派手な事件や強烈な展開に頼らず、登場人物の内面の変化だけで読ませる高い構成力にあります。

    主人公の春野うららは、過去のいじめから脱却するために「ナメられないこと」で自分を守ってきた、あえて強く見せることでしか生きられない不器用な女の子。東京から田舎に引っ越してきたものの、母親が水商売であることから周囲に色目で見られ、その母親も仕事で家を空けがちという複雑な環境に置かれています。そんな彼女が、傷つくことを恐れて周囲を拒絶し、強がるしかない状況には、読んでいて胸が締め付けられると同時に、どこか深く共感してしまいます。
    そのため、誰にでも愛想よく接し、軽口を叩かれても怒らない駐在さんの姿は、うららにとって最初は理解できない存在として映ります。この二人の“価値観の衝突”こそが、物語の切ない出発点になっているのです。

    そんな彼女の前に現れる駐在さんこと立見宗介は、普段はマスクをしていますが、そのマスクを外した素顔は驚くほどの激イケメン!!
    真面目で誠実、町の住民からも深く愛されている彼ですが、時折見せるフッとした鋭い表情が印象的です。「過去に何かあったのでは……」と思わせる影があり、そのギャップが彼の男性としての魅力をさらに引き立てています。

    うららにとって立見は、自分が一番危ないピンチの瞬間に助けに来てくれた、まさに「王子様」のような存在。しかし、これまでの過酷な経験から「そんな夢みたいな現実はあるわけない」と斜に構えてしまうからこそ、彼との距離感が掴めずに戸惑ううららの様子が、たまらなく健気で可愛らしいのです。

    それでも、立見が差し伸べてくれる温かい手のおかげで、うららは少しずつ町の人たちとの繋がりを増やしていきます。立見というフィルターを通して、周囲の人々がうらら自身の本来の良さや真っ直ぐさに気づいていく展開には、じんわりとした感動が広がります。

    傷つくことを恐れて人を頼れなかった少女と、過去に秘密を抱えながらも不器用に人を守ろうとする駐在さん。単なる恋愛漫画にとどまらない、二人の切実な心の交流が本作の一番の見どころです。

    冷え切った心が人の温もりによって解きほぐされていく、その尊いプロセスをぜひ見守ってください。きっと読み終わる頃には、二人の幸せを願わずにはいられなくなります!

    2026年06月25日
  • ブックライブ書店員

    この世のtくびが好きな人に送る、最強tくび攻め作品!!

    可愛すぎてにやにやニヤニヤしすぎて顔が変形してなおりません。。。
    「責任取って、今後も俺の●●の面倒見ろよ!!!」って今年の流行語大賞になるべき。むり。かわいすぎる。。。。。。

    tくび攻めがとんでもないパターンで繰り出されてきて、ありすぎて万華鏡のように広がっている…とても綺麗です(?)

    とにかく、この世の中のすべてのtくび攻めを集めたかのような、エッチで💗可愛くて💗キュン💗とするハッピ~な作品です!
    幸せになりたいなら読んでください!

    2026年06月19日
  • ブックライブ書店員

    受がライバル視してるケンカップル可愛い~~💗勘違いから始まるラブコメなのかな~?💗

    …と思っていたら、とんでもなく映画か!?!?!?みたいな骨太ストーリーで、最後は感動しすぎて目と鼻と口から液体がとまらなくなりましたッ…!

    国家警備隊の仕事と、Ωとしての自分への反骨精神と、恋愛バランスが素晴らしくて、恋愛メインだけじゃない作品として完成度が高すぎる!

    特にαのレオがΩのキョーヤを好きになった理由が、Ωの性を嫌うキョーヤとリンクして大号泣‥‥‥‥!245Pが特に好きで‥‥ヒェッ‥‥ってリアル声だして泣きました…!
    是非読んでいただきたい作品です!!

    2026年06月19日
  • ブックライブ書店員

    平凡な自分がお金持ち学園の人気者に迫られて…!?
    みんな大好きな設定で読まずにはいられないっ!?

    隣慈学園に入学した吉野皐樹は放課後に図書館でいけないことをしているイケメンな上級生・桐矢舜と出会う。「覗き魔ちゃん」と言われて第一印象最悪だったが、なぜかその後もことあるごとに桐矢にちょっかいをかけられて戸惑う皐樹。
    そんな中、学園カーストトップの桐矢に何かと構われる皐樹は"クイーン・オメガ"なのではと噂が広まり…?

    絵が綺麗で学園もの×オメガバースということで入りやすい入口だなと思っていたら、徐々に不穏な空気になっていって、しかも"クイーン・オメガ"という初めて聞く言葉も出てきて謎が深まるばかりで…。
    読んでいるとこれは一筋縄ではいかない作品だなと痛感します…!

    ビジュの良いキャラクターがたくさん出てくるので推しを決めるのも楽しいです♪
    ぜひぜひ読んでみてください!

    2026年06月03日
  • ブックライブ書店員

    何もかも初めてだった学生時代から何年も経って…
    それでもあなたは同じ気持ちで相手を想い続けられますか?

    恋愛は最初の駆け引きが楽しいと言いますが、恋人になってからどうやって関係を続けていくかがとても難しいですよね。そこで失敗して苦い思い出になっている人も多いんじゃないかと思います。
    本作も高校時代の鮮烈な恋愛を経て、社会人になったふたりのすれ違いやマンネリ、さらに男同士ならではの結婚の問題が描かれています。男同士だけでなく男女でも起こりうる問題に直面したふたりはどういう選択をするのでしょうか?ぜひご自身で確かめてみてください!

    ジョゼ先生のみずみずしくて輝くような恋と、切なくもリアルな愛に胸を打たれること必至です。

    2026年06月03日
  • ブックライブ書店員

    バルバロ! は、いま一番面白いマンガであり、いま一番読むべきマンガだ。

    好きな相手なのに、「死ね」と思ってしまう。
    そして相手もまた、自分がその人を傷つけていることを知っている。
    だから、離婚調停中。

    でも、まゆみちゃんも孝志君も悪くなくて、原因は育ちや生活環境の違いなんて身もふたもない。でもそういうもん。自分たちがあがいてもどうにもならない部分で彼らはすれ違い続ける。

    この作品では、人間の良さと愚かさが、浮かんでは消える。
    だから読後感が妙に文学的だ。

    内容は全然ポップじゃない。だけど、不思議なくらい読みやすい。

    あらすじを説明するのはたぶん野暮で、この面白さは読まないと伝わらない。

    2026年05月22日
  • ブックライブ書店員

    冴えない僕と、世界一可愛い君。
    これは――君を殺した犯人への復讐の物語。

    ネット上の文章から「誰が書いたか」を特定できる能力を持つ、月村ヒカル。
    彼はひょんなことから、売れっ子モデルで同じクラスの一軍ギャル・鳥越ちさと親しくなる。

    オカルト好きという共通点から意気投合した2人は、夏休みを一緒に過ごすことに。
    それはヒカルにとって、人生で一番楽しい夏休み――
    そして彼女にとっては、最期の夏休みとなった……。

    誰が彼女を死に追いやったのか。
    ヒカルはその能力を使い、復讐へと踏み出していく――。

    冴えないオタクと美人ギャルが、ひそかに距離を縮めていく。
    そんな王道ラブコメの展開は、一瞬で崩れ去る。

    明るく胸が高鳴る日常から一転、物語はハイスピードで闇へと転がり落ちていく。
    とくに復讐譚でありながら、爽快感がない点が本作の大きな魅力だ。
    復讐を重ねるたび、ヒカル自身もまた、静かに壊れていく。

    果たしてヒカルは、この先どうなってしまうのか。
    狂気が加速する復讐譚を、ぜひ最後まで見届けてください。

    2026年04月10日
  • 真面目で優秀な生徒会長・梟森未明(ミメイ)の唯一の弱点は「面白いことが言えない」こと。彼の心の拠り所は、深夜ラジオ番組“月ミド”へのネタ投稿でした。
    ある日、同じクラスの不思議な少女・水尾くらげが、番組で名を馳せる伝説的リスナー「うなぎポテト」だと知ります。
    ラジオを通じて結ばれた二人は、ライバルであり相棒として、真夜中の電波に青春を乗せていく――。

    今作は、誰もが一度は抱いたことのある「認められたい」「誰かに届いてほしい」という切実な願いが、驚くほど丁寧に詰め込まれた作品です。
    その想いは決して大げさに語られることはなく、深夜ラジオへの投稿や、不採用の悔しさといった日常の積み重ねとして描かれます。だからこそ、読者は自然と主人公たちの隣に座っているような感覚で、彼らの気持ちに寄り添うことができます。

    また、主人公二人の「友情以上、恋愛未満」という絶妙な距離感もたまりません。
    同じ番組を聴き、同じ話題で笑い、同じ悔しさを共有する。そんな「まだ恋と呼ぶには早い」曖昧な時間を大切に描いている点が、とにかくエモい!

    YouTubeやSNSが主流の現代において、あえて「深夜ラジオ」という映像のないメディアを軸に据えている点も印象的です。
    派手な展開はありませんが、そこには静かで確かな熱があります。読後、心に心地よい温度が残る一冊です。

    「うなぎポテト」と「森にふくろう」。作中番組「月ミド」の大喜利コーナーを制すのはどちらなのか?
    そして、ミメイはくらげに「面白い」と言わせることができるのか!?
    二人の関係の行方を、ぜひご自身で確かめてみてください。

    2026年04月03日