【感想・ネタバレ】元気でいてね【電子限定特典付】のレビュー

あらすじ

【電子限定!描き下ろし1Pマンガ&雑誌掲載時のカラーページ収録!】

あの時産んでいたらーー。
子どもを持ったら全てが解決する?
産むという選択肢がない。
結婚と出産は当たり前?
「母」であること、「私」であること。

どこか岸の向こう 遠くのあなたへ祈りを込めて ずっと手を振る
産む・産まない・産めない、様々な「わたし」に寄り添う珠玉のオムニバス

◆◇◆単行本カバー・カバー下イラストを収録◆◇◆

...続きを読む

あの時産んでいたら…。
産むという選択肢がない。
結婚と出産は当たり前?
離婚して3年の元夫と再会した弓井祐里(ゆみい ゆり)を中心に、子どもを持つ・持たない・持てないというテーマが交錯し、「母」であることと「私」であることの間で揺れる女性たちを描くオムニバス作品。

この物語は序盤から様々な気づきを与えてくれつつ、心にそっと寄り添ってくれます。
その中でも特に心に残ったセリフをご紹介します。

最初に心を掴まれたのは、取引先との挨拶で偶然再会した元夫・佐藤慶介に対して、弓井が放った一言。
「離婚した人に言う定番の挨拶ってないですよね」。
ハッとしました。
確かに「結婚」なら「おめでとう」と言えるけれど、「離婚」に対しては、何をどう言えばいいのか迷ってしまう。結局、「お疲れ様」か「そうなんだ」で流してしまうことが多いのではないでしょうか。

次に印象的だったのは、大学の研究生である祐里の妹・夏里が、友人たちと結婚や就職など将来について語り合う場面。
「子どもはいないけど主婦になるって“あり”なのか“なし”なのか?」という話に対して、友人のひとりが言った
「私たちは何に許されたいんだろうね」
という言葉が、胸に深く刺さりました。

子どもを持つこと、持たないこと。結婚すること、しないこと。
その選択は人それぞれで、どれも間違いではないはずなのに、自分の選んだ道に対して「これでよかったのか」と問い続けてしまう。そんな思いを抱えている人は、きっと少なくないでしょう。

祐里の物語だけでなく、作品にはさまざまな立場の人々が登場します。
・もっと仕事がしたいのに育児に追われ仕事がままならない女性
・子持ち社員の仕事を肩代わりすることが多い女性
・ゲイであるため「結婚」という制度に縁がない男性
・結婚も出産もまだ想像できない20代女性
・子どもができず離婚し、ひとりで生きることを選んだ高齢女性
それぞれが何を選び、何を諦め、何を抱えて生きているのか。
読者はきっと、どこかに「自分ごと」として感じられる瞬間を見つけられるはずです。
そしてこの作品の魅力は、感情を過剰に煽ることなく、静かに心に染み入るような“余白”があること。読んでいて、安心できるのです。

読後には、きっと「自分はこれでいいんだ」と思えるのでは。
タイトルの『元気でいてね』は、登場人物たちが誰かに向けてかける言葉であり、読み手にとっては誰かへの祈りであり、自分自身への優しい願いでもあるように感じます。

人生の選択に迷いながらも、自分らしく生きようとするすべての人に、そっと寄り添ってくれる作品です。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

思わず「ぐふぅっ…」と泣いた

結婚して2年。32歳。
もともと子どもが好きとかほしいとか強く思ったことがないのに、
2歳年下の弟に最近子どもが産まれて、
「あぁ、ちゃんとしなくちゃ」と急に鬱になる手前くらいまで悩んでいたわたしにとって、
登場人物一人ひとりがまるで自分の分身のようで終始共感しまくりでした。
幸せのカタチはひとつじゃない、というのは簡単だけれど実際に自分に置き換えて考えると難しいもの。
だからこそ、自分らしい自分を愛することを忘れてはいけないなと、改めて気づかされました。

#深い #タメになる

3
2025年08月29日

購入済み

綺麗な話

さまざまなコンプレックスがあるのは人として当たり前だろう。それを綺麗にまとめている短編集。何が正しいのかはわからない。わからないけれど日々は進んでいく。絵柄も綺麗で、とても綺麗な作品を読んだという満足感がある。

#癒やされる #エモい #深い

0
2025年09月26日

無料版購入済み

自分の気持ちが大事

世間とか、親とか、何か得体のしれないプレッシャーとか。本当にくだらないです。人生が一度だけなのに、どうして『持ってるもの』に目を向けないのだろう? 楽しむことに集中しないのだろう? 不思議。

0
2025年10月17日

「女性マンガ」ランキング