【感想・ネタバレ】ディグイット(1)のレビュー

あらすじ

獅子谷 岳は引退した元日本代表のエース・獅子谷 慧の息子であることから中学のクラブチームでエースを担っていたが
自分にアタッカーが向いているのか疑問を感じていた。
ある日、岳の練習を見に来た慧はアタッカーとしての類稀れな才能を持ったノボルと出会い、
彼を日本一のバレー選手にすると宣言。親子は決別する。岳は自らアタッカーとしての限界を証明し、
自分の切り拓いたバレーで、父親とノボルを倒すと誓う。

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バレーボールマンガには名作が多く存在します。
それぞれが競技の魅力と共に、青春、葛藤、成長を描いてきました。
そんな中登場した今作『ディグイット』は、
「才能がすべてなのか?」「努力は天才に勝てるのか?」
この永遠の問いに、真正面から挑む物語です。

主人公・獅子谷岳(ししや がく)の父・慧(けい)はバレーボール元日本代表のエース。
そんな父は「生まれ持った才能こそ至高」と信じる男で、息子にもその道を歩ませようとします。
しかし彼が「本物の天才」と認めたのは、ガクではなく、彼の中学時代のチームメイト・ノボル。
慧はノボルに惚れ込み、「彼を日本一の選手にする」と宣言し、彼の進学先である穂高学園高校の外部コーチに就任します。

父から期待のハシゴを外され自身の才能を否定されたガク。
彼は絶大な存在である父と決別し、自身を活かせる可能性のあるリベロの道を選んだのでした。

父親が圧倒的であればあるほど、子供にとってその存在は重圧であり、呪いになります。
しかもその父が自分ではなく他人に才能を見出したら──。
その子供は、解放を喜ぶのでしょうか?それとも対抗心を抱くのか?はたまた絶望するのか…!?
ガクの本当の思いはどれだったのでしょうか…。
この設定だけで、すでに物語はアツい!!

ガクは、父と同じアタッカーの道を捨て、リベロという守備専門のポジションを選びます。
リベロは、どうやっても自分で点を取ることはできない。
スパイクもブロックもできない。
しかしチームの守りを支える“盾”として、試合の流れを左右する存在です。
この選択には父への反抗心もあったでしょう。ただの反抗心だけではただの小さな存在で終わってしまいますが、そこで収まらないのが、ガクの凄いところ。
誰かに才能を見出されるのではなく、自分で自身の才能を掘り出し、磨いたガク。
その姿は、天才よりもよっぽど凄いのではないでしょうか。

高校でガクが出会うのが、アウトサイドヒッター・百田葵(ももた あおい)。
練習を通じてお互いにその実力を認め、やがて信頼を寄せるようになります。
リベロにはどうしてもアタッカーの存在が必要。
点を取ることができないからこそ、攻撃の要と連携することでチームに貢献できる。
アタッカーであることを辞めたガクが、アタッカーである百田と手を組む──。
この展開が、読者の心を大きく揺さぶります。
「絶対的なリベロ」と「最強のヒッター」が組んだらどうなるのか。
そこに生まれる絆と今後の関係性に、注目せずにはいられません。

ガクは進学した静岡 羽海野高校バレー部で個性豊かな仲間たちと出会います。
彼らとの関係がリベロとしての技術だけでなく、人間としての成長に繋がっていき、物語はより深みを増していくのです。

「才能がないからこそ、可能性を伸ばす」
「目立たないからこそ、支える力がある」
そんなメッセージが、読者の心に深く刻まれます。
さらに、
「目立つ道を選ぶのではなく、自分に合った道を選ぶ勇気があるか?」
「才能がないと感じたとき、諦めるのではなく、別の可能性を探す覚悟があるか?」
この問いは、年代問わず深く刺さるはずです。

バレーボールという競技を舞台に、父と息子、天才と凡才、攻撃と守備──あらゆる対立構造を巧みに織り込みながら、読者の心を激しく揺さぶる、今、最も熱いスポーツマンガと言えるでしょう。

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匿名

購入済み

面白い、続きもお待ちしています

あっという間に読み終わってしまいました、何度も何度も読んでいます。
もっと早く出会いたかった、主人公の時々出る緩さ(?)がいいキャラしてるなと感じました。
文才がなくうまいこと言えませんが、面白い。
期待を込めて4.5

#アツい #癒やされる #カッコいい

1
2025年08月26日

無料版購入済み

二世

全日本エースアタッカーだった父親からアタッカーを目指すよう育てられるが自分の限界を感じていたガクは父との対決を経て世界一のリベロになる事を決意。
どの世界も二世は大変。

0
2025年11月04日

Posted by ブクログ

親と同じ道を歩んでいるのに期待の応えられるアタッカーの才能がないとキッツイなあ
方向転換できる環境を提供してくれた母親と仲間が救いになりそう

0
2025年09月29日

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