【感想・ネタバレ】神の雫(5)のレビュー

あらすじ

父、神咲豊多香(かんざき・ゆたか)の遺言状に記されたワイン『第一の使徒』の謎を探る神咲雫(かんざき・しずく)は、そのワインに対して雫と同じイメージを持つ画家の女性と知り合う。だが、彼女は昔の記憶を失い、ワインの銘柄どころか、自分の名前さえも覚えてはいなかった。彼女の記憶を取り戻し、『第一の使徒』を探し出すため、雫はワインが生み出す甘くせつない想い出を探る旅に出る――。

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Posted by ブクログ

借りたもの。
『第一の使徒』探求は、遺言に書かれた行と同じヴィジョンの絵に始まり、その絵を描いた記憶喪失の女性の探求の物語へとわき道に逸れる。

それはマルセル・プルースト『失われた時を求めて』のように、ワインの香りと味が記憶を想起させる。
ブドウの樹が根差した大地によって育まれよいワインになるのと同じように、見失われた記憶という自身のベースを大地と見立て、過去を肯定し再出発を促すという、カウンセリングの描写が興味深い。
依存ではなく自立して支えあう関係に、過去に囚われるのではなく今を大切にし、未来へ向かって――
そこには大人の多様な「愛」の描写があった。ドロドロの愛憎劇など、悪酔いする安っぽいワインのような展開にならないところが素敵だった。

その愛は転じて楽園のアダムとイヴを彷彿させるヴィジョンへ繋がり、深い自然美の世界は『第一の使徒』の姿を現す。

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2016年09月06日

Posted by ブクログ

「神の雫」とはワインのこと。気候、土地、作り手などさまざまな要因が複雑に絡み合い生み出される奇蹟のワインを巡るお話。めちゃめちゃワインが飲みたくなります。巻末のコラムもおもしろい。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

偶然入った画廊で一枚の絵画を目にした雫は、そこに描かれている光景が、神咲豊多香の遺言にあった第一の使徒にぴったり当てはまることを発見します。ところが、その絵を描いた水澤カオリという女性は記憶喪失であることが分かります。雫とみやびはカオリの記憶の中にあるワインを知ろうとしますが、カオリの夫は彼女が記憶を取り戻すことで自分のもとを去ってしまうのではないかと怖れて、雫たちの申し出を拒みます。それでもカオリは、夫との未来のために過去の自分自身を知ろうと雫たちのもとを訪れます。

カオリから第一の使徒に関する大きな手掛かりを得た雫は、さらにロベール師匠からヴィンテージの神髄を学び、第一の使徒が何であったか確信するに至ります。

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2017年08月22日

Posted by ブクログ

有名なワイン評論家・神咲豊多香の養子として迎えられた天才ワイン評論家、遠峰一青と遺産を巡って勝負することになった神咲雫。持前の才能と、知識面で紫野原みやびのサポートを得ながら第一の使徒のワインの正体を突き止める。

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2014年11月25日

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