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Posted by ブクログ
物語の核心を突く35巻である。対立する考えを持つアラジンとシンドバッド、異質な考えを持つアルバ、そしてそれらの考えに意見できるウーゴが論を争い、世界をどうすべきか論議する物語となっている。
ゼパル、フルフルと進みゆく迷宮攻略は、かつて死んでいたアリババの体験告白によって様相を様替えし、主役はシンドバッドからアリババへと移行する。
現状をつまらない茶番だと思い「早く終わんないかなあ、これ」(P.83)とこぼすアルバも、アルマトランの人々と復活を試みたアリババの体験には耳を惹き、どのような結果であれその結末は「うんざりだ」と断ずる彼女へとアリババは希望を提示している。
まさしく主人公の振る舞いであり、そうした主役交代を最後のページで端的に描く大高さんの描き方は素晴らしいの一言である。
改めて言うまでもないだろうが、本人が誰よりも優れている者よりも、配下の優れた人を率いられる者の方が王の器に相応しい。
せっかくの迷宮攻略を中断してしまう展開には疑問も残るが(ここでの本領への回帰は優れた展開だっただけに、やはり惜しまれる)、それをおしてもこの巻の展開は素晴らしい。
今回も星五つで評価したい。
Posted by ブクログ
ついにアラジンとアリババも、シンドバッドと激突!
ここでアリババの死んだ後のお話も明らかになって、また一つ話のスケールが大きくなった。縦横の壁を全部壊して死後の世界も繋げる…すごいな…。
アリババはまた一皮剥けたというか、自分の強みをはっきり認識してシンドバッドと対等以上に話をしているのがすごい。確かに、古今東西探しても死んでから生き返った人間はいないよね(笑)
ただそんな中で思いついた作戦を話しつつ、アラジン、シンドバッド、アルバ、ウーゴを巻き込んで議論を展開し、より良い作戦を生み出しているのが本当に出来る男だなと。
結局シンドバッドもアリババのペースに巻き込まれつつあり、これからどうなっていくのか益々分からなくなりました!