山田昌弘のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
日本の少子化は毎年進んでおり、深刻さを増している。直近の統計では合計特殊出生率は1.15であり、本書が書かれた年から更に低下している。合計特殊出生率とは、ひとりの女性が一生の間に産む子どもの数の平均を推定した指標である。更に具体的に言うなら、その年の15歳から49歳までの女性の年齢別の出生数を合計して算出される指標となっている。因みに、人口が増えも減りもしないラインを人口置換水準と言うが、これが2.07人であるから、1.15人と言う数値は明らかに人口が減少する方向にあることを示している。これを更に出生数で表すと66.8万となり、第一次ベビーブーム(1949年)の270万人の4分の1、第二次ベビーブーム(1973年)の209万人の3分の1程度に減少している。なお、毎年の死亡者数は160万人以上であるから、差し引き90万人ずつ人口が減少するというハイスピードの人口減少期に入っている。
勿論この様な状況に歯止めをかけようと、国もさまざまな対策を打ってきたが、その効果が表れているとは言い難い状況だ。少子化対策と銘打って実施された対策には子育て世代の負担軽減策など経済面での支援策、働きながら子育てができる環境を整えようとする育児休業に関する施策など、産んだ後も経済的に困らないように、産んだ後に再び職場に戻れるようにと、産後の安心感を高める対策が中心となる。本書筆者はこうした対策を打つ側に居ながらも、他の原因に着目し意見を述べている。それは国が対策の対象とするロールモデルの違いに着目したものであるし、日本以外の諸外国の政策が日本の特性に合っていない点などを指摘する。筆者はこれまでに様々な書籍でそれらを訴えつつも、未だ解決されない少子化問題を「国策の失敗」と同等に位置付けながら、独自の見解を述べていく内容となっている。
確かに時代と共に人々の心理は変わっていくし、経済状況もそうだが、技術進歩に伴う働き方も随分と変わっていく中で、一つの要因一つの決定打になる様な対策は無いと私自身も感じる。更にはそこに高度経済成長を経験してきた親世代の考え方も加わり、それぞれの世代の(現時点での)考え方を踏まえる必要もある。そうなってくると最早関係が複雑過ぎて有効な施策が見つからないという、現在の日本の状態になってしまう。だからこそ素早く真の現状を把握し真因が見つかったら、ごく早期に対策を打たねば意味がなくなるし、加えてそれを多段階並立的に実施していく様な強い実行力のある政権が必要だ。
現在圧倒的な数的優位性と、日本初の女性総理かつ強力な推進力の片鱗を見せる高市政権である。是非世の中全般(都市部だけでなく)の女性の視点に立ち、未婚男性の気持ちを把握しつつ、有効な対策(それは今は判らないが)を打って欲しいと期待が膨らむ。少子化対策は待った無しだ。移民受け入れは言語も違い島国である日本では中々功を奏しないだろう。だからこそ国民全体の意見・気持ちを理解したマルチな対策を期待する今日この頃である。本書を読んだ読者一人一人が自分ならこうするという考えを持ち、声に出すことも必要だと感じさせる一冊だ。 -
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格差拡大の割には、生活実感面調査などで、あまり苦しくなってはいなかったという結果が興味深い。
筆者は、趣味などに目を向け、心を満たす手段がインターネット等で増えたことを要因としてあげている。
おそらく、日本経済の悪化が、デフレのため、所得が増えなくても、なんとか生活が持続的にできてきたことが真の要因ではないだろうか(茹でカエル化現象)。
ここにきて、インフレ、外国人労働者の増加など、環境の変化を肌感で感じることが増えている。
これから、格差や貧困化が顕現された問題として噴出していくのではないだろうか?
日本の江戸時代文化化という仮説は面白い視点だと思った。 -
Posted by ブクログ
⚫︎安宿緑(やすやどみどり)氏による「韓国人男性に惹かれる日本人女性」と言うコラムが印象的。
兵役していて体ができている、平均身長が高い、女性に優しいというところから入って、実際結婚してみたらエス的なところがある人だったりトラブルもあるらしい。家父長制度のせいで夫の実家から干渉されることも多い。
日本での女性の地位の低さ、男性のマウント気質を考えると、優しい。韓国の男性に惹かれるのは無理もないと女性側から見ると思う。
韓国だから良いのではなく、各個人の性格をよく見て選びたいところだ。
⚫︎中村敦彦氏の「カラダを売らざるを得ないZ世代」もわかりやすい。
そもそもいったんレールから外れた女性には非雇用、介護、飲食保育といった低賃金の職業しか選択肢がないため、少しでも効率よく稼ぎたいと言うところから体を売ったり、パパ活をする女性が出てきた。
この原因は2004年からだという。Z世代が変更になった原因は1つには、大学奨学金の負担がある。単身女性の3人に1人が貧困、7人に1人の子供が貧困、学生の貧困。
若い女性たちを買うオジが気持ち悪い。自分にも娘がいるだろうに。想像力が足らない?
高齢者優遇はあと10年くらいしたら落ち着くかな。男性優位ももういい加減にしてほしい。オジよ、お金がない自分を想像してほしい。性欲、仕事以外になにか趣味はあるのかな。とにかく若い世代を貪るな。自分で完結しろと言いたい。
早く現役が生き生き働ける時代にしてほしい。選挙でしか具体的な意思表明できないのが悲しい。 -
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ネタバレ人生相談案内は昔から新聞を読むときは必ず目を通していたが、相談に答える人の立場からの本というのもなかなか面白い。ネットの人生相談でみんな匿名で適当に考えたまま感じたままを書き散らしているのとは全然違うのがよくわかる。答えを書くために事前にいろいろな資料に目を通したり、気を遣いながら答えているのだね。
最近の相談トレンドというのがよくわかる本なので、面白く読めた。
個人的に印象的だったのは「夫が女装趣味、気持ち悪くて仕方ない。どうしたらいいのか」という相談。50代の妻からだったか・・・。自分がその妻ならどうするか、というのを考えるのがおもしろい。(いや悩んでる方は深刻な問題なのだが)
最近は昔のような性的逸脱感に悩む人というより、それはあるがままで変えられない、病気じゃない、というようなスタンス(たとえば女装する夫もそれを見る妻も)が増えているらしい。50年前だとこうはいかないと思うので、これはこれでいいことなんじゃないだろうかと思う。 -
Posted by ブクログ
ジェンダー論・性差の非対称性の感情に焦点を当てている本書。モテるためのノウハウ本ではない(!)
「男らしさ・女らしさ」について多角的な視点からアプローチし、データを基に「モテる男・モテない男」「モテる女・モテない女」について、その背景や理由について考察している。
『自分が何者であるのかを知る為、自分の居場所を確立する為、自分が男・女であると確信したい為にも「男・女らしさ」の規範を利用するのである』というニュアンスのことが書かれており、男も女も理論ではなく感情でそれぞれの「生きづらさ」を生じさせてしまっている可能性を感じた。
やはり男と女は(いい意味で)違う生き物なので相手を理解・共感することを努めたい! -
Posted by ブクログ
大部分は、いままで何回も論じられている家族学の総集編という感じの内容だが、私的には2つ面白いと思うところがあった。
1つ目は、現代の社会は結婚に限らず、メリトクラシー(能力業績主義)のようにみえて、実はアリストクラシー(身分社会 貴族社会)に回帰しているという主張。これは、格差の再生産という文脈で語られることも多いが、実感としてもその通りだと感じる。それに関連して、中流階級から落ちないために都市部の中受戦争が激しくなっているという現象も納得感があった。
もう1つは、結婚は相手の人生にコミットすること、という話。コミットは最初から完全にできるわけではないとは思うが、結婚後の色々なイベントを乗り越えていくうちに醸成されていくものかなと感じた。