山田昌弘のレビュー一覧

  • 希望格差社会――「負け組」の絶望感が日本を引き裂く

    Posted by ブクログ

    少し前に話題になった本である。今さらと言われるかもしれないが、自分自身の中に切実な問題意識が出てきたことを機に手にとった。

    読んでいて、暗澹たる気持ちにならなかったといえば嘘になる。実際に自分の身の回りで見聞きする様々なことが、この本に書かれている分析にピタリと当てはまっていく。そういう「当てはまっていく」という感覚は、本来気持ちのいいものであっていいものなのだけど、この本の場合は、むしろ背筋が寒くなるという感じがする。

    この本が世に出てから随分経っている。おそらく、ここに描かれていることは現実のほぼ正しい分析であることははっきりしているように思える。では、その警鐘に対して、何らかの対策が

    0
    2014年01月19日
  • 希望格差社会――「負け組」の絶望感が日本を引き裂く

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    データがたくさん載っていて勉強になりました。フリーター増加の要因を教育に求めるのではなく、社会状況の正確な把握が対応の道になるのかなと思いました。リスク化とか二極化は避けられないけれど、未来に対して暗い気持ちになるのではなく、現実を知ってどう捉えるか、自分はどうしたいのかが大切。

    0
    2013年12月25日
  • ここがおかしい日本の社会保障

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    端的に言えば、『現行の社会保障制度は実社会に対応できていないから、その機能を果たせないでいる』ということです。社会保障とりわけ年金制度は発足から数十年経過している制度なので、今から解体するわけにもいかず、手をこまねいている状態です。しかし結果的に見れば、社会保障の制度破綻議論がなされて十年近く経っているのに、何一つ進歩していないのは政府の怠慢でしょう。制度の二転三転や混迷、迷走を続け、犠牲になる人は数知れず。ここで抜本的な改革をしなければならないと、社会保障に警鐘を鳴らします。
    ミニマム・インカムと年金マイレージ制という二大柱を軸に社会保障の再構築を訴えますが、先ずミニマム・インカムが実際にで

    0
    2013年02月18日
  • ここがおかしい日本の社会保障

    Posted by ブクログ

    ワーキングプアの出現とライフコースの不確実化による社会保障・福祉制度の穴の顕在化

    これを繰り返し事例を挙げながら説明し、根本的な解決策を提言するが、そのどれもが分かりやすい。そして身近に感じられることでよりその問題性の大きさが理解できる。

    あとはその工程表を引く人間が必要だろう。

    0
    2013年01月31日
  • 家族の衰退が招く未来 「将来の安心」と「経済成長」は取り戻せるか

    jin

    購入済み

    新しい家族の姿を考えさせられる

    これまでの家族のあり方というものが、逆に経済を停滞させているのではないかというもので、新しい家族形態とはなんなのか、どのように暮らせばよいのかということを考えさせられた。

    0
    2012年09月14日
  • パラサイト社会のゆくえ――データで読み解く日本の家族

    Posted by ブクログ

    10年以上前に
    パラサイトという言葉で
    親に寄生するおとなの子を表現し
    とても話題になった本の続編

    2004年に書かれた本ではあるが、
    その時点で社会が変容し
    パラサイトせざるおえなくなっている
    若い世代が生まれている

    1998年に社会が大きく変容し
    自殺者が突然3万人に急増し
    正社員になりたくてもなれない社会となり
    フリーターが急激に増えた

    そんな社会は2012年のいまも変わらず
    むしろこのごろの方がより
    生きにくくなっているように感じます

    0
    2012年08月18日
  • 家族の衰退が招く未来 「将来の安心」と「経済成長」は取り戻せるか

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    高額な大学費用を親が全て払うのは先進国で日本と韓国くらい
    所得水準の将来見通しが、結婚生活、子育てへの期待水準より勝れば、結婚、出産をしようとするでしょう。
    (独身生活の水準より、結婚生活のそれが下回ればつらいし、何故結婚したのかわからない)
    現在、豊かであるが希望がない
    日本では改革に必要な危機感が欠如
    結婚の先送り 結婚生活や子育てに期待する生活水準は高くなったが、夫婦で将来稼げる収入の見通しが低くなった。その原因は親と同居していることと、若年男性の収入の頭打ち
    結婚生活や子育ての期待水準の上昇に併行して、彼らが稼ぎだす将来の収入見込も上昇すれば少子化はおこらなかった
    出生率が回復し、少子

    0
    2012年07月06日
  • 「婚活」時代

    Posted by ブクログ

    周りの結婚しない友達、できない友達が多いので買ってみた。

    自由恋愛市場がモテと非モテの二極化を生み、男女ともに高すぎる理想を望む。
    1990年代以前のいわゆる「自然な出会い」は、コミュニティに自然にセッティングされた出会いであったが、今はそれがまずない完全自由市場。
    女子は狩りに出よ、男はスタートラインに立つべく外見とトーク術を磨け、との内容。
    ある意味過激だが的を射ていてわかりやすい。
    なるほどね。たしかに結婚しづらいかも。

    0
    2012年06月13日
  • 「婚活」時代

    Posted by ブクログ

    「婚活」という言葉を世の中に広げる契機となった有名な本である。この本では、具体的な統計データを元に、昔と現代とでは結婚に至るまでの環境が異なっていることを説明している。つまり、昔はお見合いや職場の先輩からの紹介により結婚するというパターンが多かったのだが、現代ではそうではない。現代において結婚しようと思うと、自分から能動的に行動を起こす必要があるとこの本では主張している。そこから派生して、お見合いパーティや、合コン紹介サイト等のビジネスが出現したとも述べている。なかなか面白い本だった。

    0
    2012年02月04日
  • 「婚活」時代

    Posted by ブクログ

    タイトルに惹かれて、というかちょっと危機感を持って読みました。

    著者の山田教授は「希望格差社会」で有名。
    白河さんもよく読む雑誌にコラムを書いていて。

    たしかに、今の時代「結婚できるシステム」って既に崩壊していて、上司の世代の結婚パターンって当てはまらない気がします。
    その中で、「自由恋愛」の名のもと、ほおりだされてしまうわけですよ。
    「自分を磨きすぎてしまってつりあいの取れなくなる女」と「自分に自信がないのに理想だけ高い男」。
    なんか身につまされますねえ。。。

    0
    2012年01月14日
  • 希望格差社会――「負け組」の絶望感が日本を引き裂く

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     この本はリスク化と二極化という二つのレンズから、日本の社会で起きている問題について考察している一冊である。
     以前は一部の人が結婚や仕事において「自ら進んでリスクを取る」だけであったのが、様々なものが自由化され、また自由化によってそれぞれの人が所属する「組織」もリスクを取れなくなり、現在は全ての人が「リスクを取らざるを得ない」状況になっている。
     一方近代以前は格差が固定化し、その格差に対して人々も「納得」していた状況が様々なものの自由化によって壊れ、実力が「格差」につながり、(例えば所得が)上の人は上の人同士でくっつき(結婚)、逆に下の人は下の人とくっつくことによって格差の二極化が現在急激

    0
    2012年01月14日
  • 「婚活」時代

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    こんな時代が訪れていたとは知らんかった!
    婚活って深いなぁ。知らないことだらけでおもしろかったぁ。

    ちょっと(いやかなり?)結婚したくなくなった。

    BBQで自分が火を起こしてるようでは結婚できなくて当然だと認識できた しパソコンの接続も自分でできたらあかんのやとおもう 笑

    -----------------------
    書籍に書いてたこと

    人が上手にできるようにならなくてはならないことは「働くこと」「愛すること」by 精神分析学創立者 ジグムント・フロイト

    職業選択の自由
    結婚相手の選択の自由

    により自動的に就職・結婚できない時代へ。

    就活と婚活の必要性が浮上。
    選ぶ必要がでてき

    0
    2011年10月31日
  • パラサイト・シングルの時代

    Posted by ブクログ

    2011/10/11(~120) 12(~204終)

    パラサイトシングル=フリーターもしくは社会人で親元で生活するものの事。
    パラサイトシングルは社会の不景気を増幅させるらしい。

    完全に私だった。

    0
    2011年10月24日
  • 「婚活」時代

    Posted by ブクログ

    就活と同じく結婚も努力の活動をしないと、結婚にたどり着けないのが今のご時世。これこそが婚活である。

    少子化対策で子ども手当てが叫ばれるなか、結婚そのものに対する対策はなぜされないのか。
    経済的負担を軽くするだけが少子化対策足り得るのか。

    結婚にはには経済的問題に加え、男女の結婚観などの心理的問題という二つの要素が絡むと指摘する。

    0
    2011年09月12日
  • 希望格差社会――「負け組」の絶望感が日本を引き裂く

    Posted by ブクログ

    中学校、高校、大学と受験でのセレクションが正しく機能していた時代では
    無理のない、そのごの人生展望が人々にはまっており、

    一流大学を卒業したならば、
    大企業、官僚、研究者といった職業が待っていて、
    自動的に送り込まれる。
    コレを、著者はパイプラインシステムと呼んでいる。

    しかし、

    今現在、
    受け皿としての、大学、企業の組織体系および、パイプラインシステムの
    雨漏りがあり、受験を通して、上のパイプラインシステムの流れに乗っていたとしても、そこから転落する人が多く出てきている。
    さらに、雨漏りがあるとわかっていながらも、上に行くためにはパイプラインにい続けることが不可欠である。


    収入の多

    0
    2011年07月14日
  • なぜ若者は保守化するのか 反転する現実と願望

    Posted by ブクログ

    週刊東洋経済のコラムの記事をまとめたもの、著者は、家族心理学(社会学)が専門で、パラサイトシングルなどの造語でも有名な人。

    基本は連載記事なので、保守化するのかというよりも、連載時期(小泉郵政選挙~民主党政権誕生)の時の、施策と実際の状況のギャップを投げていることが多い。結局は、高度経済成長時代のモデルをどこかで維持してしまっているために、若者が夢をなくして生活することでしかできなくなってきている現状が描かれている。

    何とかならないものかといろいろと考えますが、答えは出ておりません。

    0
    2011年07月04日
  • 希望格差社会――「負け組」の絶望感が日本を引き裂く

    Posted by ブクログ

    たいへんわかりやすく、納得できる内容でした。というのも、初版の出版が2004年です。著者の指摘が的確で、かつ、この七年間で改革が何ら実現されていない、それよりもさらに混迷の度合いを深めているようである、ということでしょうか。

    0
    2011年05月20日
  • なぜ若者は保守化するのか 反転する現実と願望

    Posted by ブクログ

    婚活という言葉を産み出した社会学者。結論を出せない社会学の弱点は見えるものの指摘が的確。結局は保守化せざるを得ない社会環境になっているという点に納得。

    0
    2011年03月18日
  • 「婚活」時代

    Posted by ブクログ

    結活について知りたくて読書。

    2人の著者たちそれぞれの得意分野を合作させた内容。未婚である自分には耳が痛い話も多い。社会構造が大きく変化しているのだと感じさせる統計も豊富。

    個人が自立し、社会が成熟し、自由や選択肢が増えれば増えるほど逆に迷い決断できなくなる現象なのだろうか。

    恋愛経験が少ない男性がNG発言や相手の立場を配慮しないような問題行動が多い。
    40代の10人に1人は童貞。
    この統計が事実なら非常に恐ろしいと感じてしまう。

    もっと男を磨くことをコツコツとやろうと思う。

    読書時間:約50分

    0
    2011年03月17日
  • [図解]リアルにわかる 幸せになる! 女の「婚活」バイブル 何もしないと、結婚できない!

    Posted by ブクログ

    サブタイトルが「何もしないと、結婚できない!」

    ・・・う~ん、そういう時代なのかも…。

    自己分析、婚活力を上げるヒント、どんな婚活の仕方が良いかなどの具体的で的確な方法が載っています。婚活中の方もこれからの方も一読して損は無い本だと思いました☆

    0
    2011年03月08日