山田昌弘のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
少し前に話題になった本である。今さらと言われるかもしれないが、自分自身の中に切実な問題意識が出てきたことを機に手にとった。
読んでいて、暗澹たる気持ちにならなかったといえば嘘になる。実際に自分の身の回りで見聞きする様々なことが、この本に書かれている分析にピタリと当てはまっていく。そういう「当てはまっていく」という感覚は、本来気持ちのいいものであっていいものなのだけど、この本の場合は、むしろ背筋が寒くなるという感じがする。
この本が世に出てから随分経っている。おそらく、ここに描かれていることは現実のほぼ正しい分析であることははっきりしているように思える。では、その警鐘に対して、何らかの対策が -
Posted by ブクログ
ネタバレ端的に言えば、『現行の社会保障制度は実社会に対応できていないから、その機能を果たせないでいる』ということです。社会保障とりわけ年金制度は発足から数十年経過している制度なので、今から解体するわけにもいかず、手をこまねいている状態です。しかし結果的に見れば、社会保障の制度破綻議論がなされて十年近く経っているのに、何一つ進歩していないのは政府の怠慢でしょう。制度の二転三転や混迷、迷走を続け、犠牲になる人は数知れず。ここで抜本的な改革をしなければならないと、社会保障に警鐘を鳴らします。
ミニマム・インカムと年金マイレージ制という二大柱を軸に社会保障の再構築を訴えますが、先ずミニマム・インカムが実際にで -
購入済み
新しい家族の姿を考えさせられる
これまでの家族のあり方というものが、逆に経済を停滞させているのではないかというもので、新しい家族形態とはなんなのか、どのように暮らせばよいのかということを考えさせられた。
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Posted by ブクログ
ネタバレ高額な大学費用を親が全て払うのは先進国で日本と韓国くらい
所得水準の将来見通しが、結婚生活、子育てへの期待水準より勝れば、結婚、出産をしようとするでしょう。
(独身生活の水準より、結婚生活のそれが下回ればつらいし、何故結婚したのかわからない)
現在、豊かであるが希望がない
日本では改革に必要な危機感が欠如
結婚の先送り 結婚生活や子育てに期待する生活水準は高くなったが、夫婦で将来稼げる収入の見通しが低くなった。その原因は親と同居していることと、若年男性の収入の頭打ち
結婚生活や子育ての期待水準の上昇に併行して、彼らが稼ぎだす将来の収入見込も上昇すれば少子化はおこらなかった
出生率が回復し、少子 -
Posted by ブクログ
ネタバレこの本はリスク化と二極化という二つのレンズから、日本の社会で起きている問題について考察している一冊である。
以前は一部の人が結婚や仕事において「自ら進んでリスクを取る」だけであったのが、様々なものが自由化され、また自由化によってそれぞれの人が所属する「組織」もリスクを取れなくなり、現在は全ての人が「リスクを取らざるを得ない」状況になっている。
一方近代以前は格差が固定化し、その格差に対して人々も「納得」していた状況が様々なものの自由化によって壊れ、実力が「格差」につながり、(例えば所得が)上の人は上の人同士でくっつき(結婚)、逆に下の人は下の人とくっつくことによって格差の二極化が現在急激 -
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ネタバレこんな時代が訪れていたとは知らんかった!
婚活って深いなぁ。知らないことだらけでおもしろかったぁ。
ちょっと(いやかなり?)結婚したくなくなった。
BBQで自分が火を起こしてるようでは結婚できなくて当然だと認識できた しパソコンの接続も自分でできたらあかんのやとおもう 笑
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書籍に書いてたこと
人が上手にできるようにならなくてはならないことは「働くこと」「愛すること」by 精神分析学創立者 ジグムント・フロイト
職業選択の自由
結婚相手の選択の自由
により自動的に就職・結婚できない時代へ。
就活と婚活の必要性が浮上。
選ぶ必要がでてき -
Posted by ブクログ
中学校、高校、大学と受験でのセレクションが正しく機能していた時代では
無理のない、そのごの人生展望が人々にはまっており、
一流大学を卒業したならば、
大企業、官僚、研究者といった職業が待っていて、
自動的に送り込まれる。
コレを、著者はパイプラインシステムと呼んでいる。
しかし、
今現在、
受け皿としての、大学、企業の組織体系および、パイプラインシステムの
雨漏りがあり、受験を通して、上のパイプラインシステムの流れに乗っていたとしても、そこから転落する人が多く出てきている。
さらに、雨漏りがあるとわかっていながらも、上に行くためにはパイプラインにい続けることが不可欠である。
収入の多