山田昌弘のレビュー一覧

  • 底辺への競争 格差放置社会ニッポンの末路

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    底辺への競争 格差放置社会ニッポンの末路。山田昌弘先生の著書。格差放置社会ニッポンの末路が明るいはずがありません。格差放置を続ければ、いつか必ず格差社会の上層にいて胡坐をかいている人たちがしっぺ返しをされて復讐される、これは世界のいろいろな国の歴史を見れば明らかなこと。それでは不幸。格差放置をしないことが全ての人の幸せにつながると思う。

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    2019年09月28日
  • 結婚不要社会

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     昨今の結婚に対する社会環境を、欧米などとの比較から論じた一冊。

     全体的に、結婚に対する諸要因が丁寧に論じられている、という印象を持つ。

     結婚することの困難さが深まりながらも、一人でも生きていける環境整備が進み、なんとか結婚せずに生きていけるようになった事は一概に悪いとは言えない。

     さらに見渡した時に、よく結婚できたな、と思うような者が周りを見渡せばゴロゴロいる。

     ただ、そうした人々が総数としては多数を占めるし、そうした人々が結婚できない社会環境が問題なのであろう。

     結婚できないことを前提とした社会環境を整備し、人々の意識を変えていく事の方が時流には合っているのとは思う。

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    2019年06月18日
  • 「婚活」時代

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    読みました。ウワサの名著!

    現在の結婚数が減っている理由がわかる!

    社会学者 山田昌弘先生の分析と
    少子化ジャーナリスト 白川桃子さん
    の多くの取材から得たスルドイ洞察力に
    感嘆しました!

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    2019年05月04日
  • 底辺への競争 格差放置社会ニッポンの末路

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    20年前のパラサイトシングルは、いまや中年パラサイトシングルに。アラフォー世代の格差拡大と抜け出せない固定的な二極化が進行。こうした動向は、とどまることなくアラサー世代にも継承されているという。そして、親から引き継がれる世代を越えた貧困の陥っている子どもたち。あきらめ世代も生まれていると。
    大学生の正社員になるための就職活動の熾烈さ。奨学金という名の学資ローン。一方、過去の標準家庭をモデルとした脆弱な社会保障制度。

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    2019年04月07日
  • 家族難民 中流と下流-二極化する日本人の老後

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    家族制度の変貌とともに、独身、シングルによる格差が顕在化しつつあるという。バブル期のパラサイト・シングルが、バブル経済崩壊の後、いまや年金生活の親にパラサイトしないと生活が成り立たないという事態にも・・・。
    一方、離婚率が近年上昇するも、高収入カップルの離婚と低収入カップルに離婚とは、離婚の意味もその後の生活水準も雲泥の差があるとは・・・。低収入ゆえに離婚するというパターンも、これまた多い。他方、子どものいない夫婦・カップルの今後は・・・。在宅介護への国の方針、そして介護施設の状況とこれまた格差。

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    2019年04月02日
  • 希望格差社会――「負け組」の絶望感が日本を引き裂く

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    大学時代にこの本を読んだ時、衝撃を受けました。
    若者が社会的弱者になる?まさか、、、、な。
    でも、やたらに説得力があったのを覚えています。
    今、読みかえしてみても、著者の指摘は、ほぼ当たっています。
    というか、若者を取り巻く環境は、当時よりも、
    現在の方が、より深刻さを増しています。
    未来に希望を持てない若者が大量出現している構造を、
    統計資料を元にあぶりだした著者は、やはり先見性があります。
    しかし、この10年で、抜本的な対策が行われることなく、
    希望格差は若者、そして社会全体に広がっています。

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    2017年06月06日
  • モテる構造 ──男と女の社会学

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    ネタバレ

    女性が男性的な行動を起こすことは許容されるのに対し、男性が女性的な行動を取ることは奇妙な目でみられるという非対象性の謎を、仕事能力に関するアイデンティティ(=「できること」)と性的魅力に関するアイデンティティ(=「もてること」)から考察した本。
    男女の性自認の形成の在り方を、近代社会において子育てに関わるのは‘母親(女性)’であり、子供は母親と同じか否かという点において性自認を身に付けるという観点がとても面白かった。実際に子供が接する大人は圧倒的に女性が多いという現実において、フロイトの理論よりもよほど筋が通っていると思う。
    また、女性らしさ/男性らしさというステレオタイプが消えきれないのは、

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    2017年01月31日
  • モテる構造 ──男と女の社会学

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    タイトルで買ってしまったが、内容は、きわめてまじめな社会学。「できる男はモテるが、できる女はもてるとは限らない」ということを、男女の非対称性を論じながら説く。じつは、ちょっとはモテたいと思って買ったが、この本を読んだからと言ってモテるようにはならないと思う。

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    2017年01月18日
  • モテる構造 ──男と女の社会学

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    男性と女性とは、様々な場面で平等に扱われるのではなく、非対称な判断基準を持たれる対象である。性別の事故認識とは決して先天的に決められている者ではなく、その性別らしさを社会的な文脈の中で徐々に認識させられていくものである。自分が男性であるか女性であるかという、規範意識を証明するための様々な社会学的な行動を説明しているので、とても興味深い。ジェンダー論として深いところまでいかないかもしれないが、私たちが生活している中で表面化している性別の非対称性や悩みどころを分かりやすく分析してくれている。

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    2016年12月12日
  • 希望格差社会――「負け組」の絶望感が日本を引き裂く

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    (2007/4/19)

    これは,おもしろい!

    希望格差社会ということばは,家族社会学の研究者である筆者の手によるものですが,

    筆者は,,現在存在する格差は,所得の格差による直接的なものというよりかは,未来に対する主観的な希望における格差だと主張する.

    豊富な統計資料を基に,かといって,データだけしかみていないわけではなく,現代の社会の持つ定性的な構造変化にも言及しつつ読み解いています.

    ちなみに「パラサイト・シングル」って言葉を作ったのもこの著者

    実質ゼロ成長に達した先進国はやはり格差を内部に抱えるしかないんでしょうか?

    モータリゼーション,ITなどで技術主導な生活変化で居住区

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    2014年12月31日
  • なぜ日本は若者に冷酷なのか―そして下降移動社会が到来する

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    なぜ日本は若者に冷酷なのか。

    ・持続可能なワーキングプアー対策として考えられるのは、流動的単純労働の必要性を認めた上で、それに従事する人々の生活の安定と、将来への希望をつなぐことでしかない。
    低収入の非正規雇用者の生活水準引き上げのためのミニマムインカムの導入、非正規雇用者や自営業者にも適応できる失業保険、新卒一括採用慣行を変えていく必要など。そのための大きな制度的変更と消費税などによる国民負担が必要。
    ・女性が活躍しない国は財政赤字が拡大する。

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    2014年01月16日
  • 「婚活」時代

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    結婚は、生活必需品ではなく、嗜好品?
    男女交際の規制緩和とともに生じた 「出会い格差」
    出会っても相思相愛になれない 「魅力格差」
    相思相愛になってもなかなか結論に踏み切れない 「経済格差」 と 「価値観対立」
    さて、どうする?
    女性たちよ、狩りに出よ。男性たちよ、自分を磨け。
    (以上、ブックカバーより)

    中央大学教授・山田昌弘氏と、少子化ジャーナリスト・白河桃子氏の共著。

    非常にライトな調子で、ズバズバと結婚に関する問題をえぐりまくる面白い本。
    自分の身の回りにも、結婚している人は結構多くなっているが、その人が「学校からの付き合い」「職場内」以外で、結婚している率はだいぶ低い、と思う。

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    2013年04月11日
  • 「婚活」時代

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    婚活を揶揄するような、又は自虐するような読み物だったらイヤだな~と思い本を開くのを躊躇っていた。前書きと目次を読むとコンセプトを立てて編集した本だと分かり、俄然興味をもった。

    面白かった!これ、バイブルにしよう。女性優位な点が気にならなくもないけど、出版から5年経っても普遍的なところは変わらないんだなと。近代日本において恋愛結婚が主流になったのはごくごく最近であるという主張が面白かった。出会う人が少数ならばその他を知らないから魅力的に見えるものね!選択肢が多くなるほど、成功(この場合でいう結婚)は難しくなるというのも興味深い。自由に選べるようになれば、選ばないという選択肢も、求めても手に入ら

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    2013年02月05日
  • パラサイト社会のゆくえ――データで読み解く日本の家族

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    金融機関の相次ぐ倒産、企業の不良債権発覚、リストラなどによって社会構造が変化した節目を「1998年」とし、そのあたりで社会の価値観も大きく変化した。それが自殺の増加、就職、結婚難、若者の不登校、犯罪の増加、子供の勉強意欲の後退など様々な面に波及している、と指摘する。本書を読んで、今まで漠然と感じていたこと、ニュースで聞いたこと、肌で感じていたことが、線でつながっていくような感じがした。

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    2012年11月30日
  • 希望格差社会――「負け組」の絶望感が日本を引き裂く

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    ネタバレ

    【再録~以前にmixiに投稿したものです~】

    経済の枠組みが大きな変化を迎える中、
    それに適応できない若者が「希望」を失い、
    「希望」を持つ者と、持たざる者との「格差」が
    バブル崩壊後急速に進んでいる現状が報告されています。

    リスク化、二極化、職業・家族・教育の不安定化等の 環境要因を背景に「希望」を失った若者が
    再生産される仕組みも理解できます。

    読んだ後は、非常に暗い気持ちになるのも事実ですし、
    これからは生き難い時代なんだなぁと改めて思います。

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    2011年11月13日
  • 希望格差社会――「負け組」の絶望感が日本を引き裂く

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    玄田有史著「希望学」で山田昌弘の名前があがっていたため、読んだのが本書。
    「希望学」は学問的に成熟していないためか、イマイチだったが、本書はかなりいい!まず著者が非常に切れる。しかも勉強家。多くの文献を引きながら説得力のある論を展開する。以下はこの本のポイント。再び精読することを誓う。

    現代はリスクが普遍化している。
    その中で、リスクを乗り越えて勝ち組になれる人と、リスクに脅かされながら生きていかなければならない人に二極化している。
    例えば、結婚生活。高度経済成長時代は、離婚する夫婦は少なかったが、いまは離婚するのも普通のことになっている。
    あるいは就職の問題。大学を出ても正社員になれない人

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    2011年08月28日
  • 希望格差社会――「負け組」の絶望感が日本を引き裂く

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    ネタバレ

    「『格差社会』論の火付け役となった話題書、待望の文庫化」

    と帯に書いてあります。

    日本の現在とこれからに関する、リアルでシビアな分析。
    まとめると、
    「日本では格差が固定しつつある。その根本的な問題は『希望』を持てるか、持てないかというところで質的な断裂が起きているところにある。これは構造的な問題で亀裂の存在自体はもう否定しようがない。その中でどういう風に立て直すのかが今後の課題である」
    というような内容です。
    とにかく、読んでて背筋が寒くなりました。いつの間にか、この国はほんとうに大変なことになっているようです。これが書かれたのは2004年です。自分が今まで考えていたことが、いかにぬるい

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    2011年07月24日
  • 希望格差社会――「負け組」の絶望感が日本を引き裂く

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    パラサイトシングルなどの造語でも注目される社会学者の著作。

    大学での講義を肉付けしてまとめているが、社会学者らしいデータからの読み取り、及びその原因追及などが非常に良くできている。

    90年代までの高度経済成長の仕組みは崩壊して、様々な「リスク化」「二極化」ができていると著者は述べている。そのことが、若者を努力しても仕方がない希望のない社会に追いやっているということである。

    今の日本の制度設計は、高度経済成長を基本に作られている。しかし、世の中は高度経済成長では考えられないような事態がでてきている。職業、家族、教育が不安定化している。これらに対して、何らかの対策をとらなければならないんだろ

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    2011年07月05日
  • 希望格差社会――「負け組」の絶望感が日本を引き裂く

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    「リスク化」と「格差の拡大」の共犯が本書のテーマ。その結果、若者のあ間にやる気の格差(インセンティブ・ディヴァイド)が広がっている。
    ここでいうリスクとは天災、戦争、テロリズムのことをさすのではない。「みずからの選択の結果生じる可能性のある危険」である。リスク化とは、好むと好まざるとに関わらず「自己決定」を強いられる社会になった結果すべての人にリスクの可能性が開かれることを指す(リスクの普遍化)。だが、資本の多寡によりリスクへの対処は異なる。持つものは、リスク社会を泳ぐことができる。だがしかし、持たざる者はリスクに蝕まれる。

    この本、構成もデータも上手に出来てるから読むに値する。

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    2010年09月03日
  • なぜ若者は保守化するのか 反転する現実と願望

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    とりあえず題名は本題じゃなかった(笑)
    でも社会学者さんが書いただけあって、現代の若者を取り巻く
    労働と結婚、経済や少子化の問題を良くとらえている。
    しばらくはこの状況の中で生きるしかないんだろうなあ。

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    2010年03月08日