山田昌弘のレビュー一覧
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好感の持てる著者
日本の少子化事情が欧米のそれとは大きく違うことを示した書。
日本は欧米の政策を真似ることが多く、それは欧米の問題が日本にも後年発生し、解決策もそれにならうという歴史観が明治時代からあるからだ。
しかしもちろん欧米人と日本人は文化が大きく違う。子どもの育て方からどういう主義を掲げているかまで。特に世間体を気にして結婚や出産を渋ったり、子どもが働ける年代になっても実家暮らしなど親世代と同居する例も少なくない日本では、欧米よりもはるかに結婚までのハードルが高いと断ずる。
日本では中流の平等意識が強いが、世界では経済的な身分差など当たり前に存在している。ある意味で欧米は身分差にあった範囲で子 -
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日本の社会学者として、この人ほど活躍している人は、珍しだろう。20年近く前に、著者の『希望格差社会』を手に取った衝撃を今でも忘れられない。
日本は、その本で指摘された以上の希望格差社会になってしまっている。もちろんどの時代にも特有の悩みがあるだろうが、人生相談として提起される問題も、今の少なくない日本人が八方塞がりであることがよくわかる。
著者は社会学者としての立ち位置を常に模索している。著者は、おそらく現実の社会現象をフレーズ化する天才だと思う。それは、データ分析の実力の高さもさることながら、類稀な言語センスを持っていると思う。
人生相談もそうだが、本人自身は、問題点を十分わかっている -
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「婚活」時代という著書を記し,「婚活」という言葉を作って伝えたかったことは2つ。
・自ら動かないと結婚できませんよ
・「昭和結婚」から脱却しなければ結婚は無理ですよ
2つ目のメッセージが届かなかったために本書は作成された。
ただし,この2つのメッセージはメタ的に見ると困難な要求をしているようにみえる。
つまり,「望むものを手に入れたいならば自ら動かないとだめ。だけど,その望むものが高望みにならないようにね。」というメッセージである。
望みの意味をどう変容していけるか。結婚の意味あるいは価値をどう考えていけるか。
ここら辺が鍵なのだろう。
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Posted by ブクログ
如何にして中流社会が壊れて、下流に転がっていくか。望めば正社員になれる希望があった1990年代、バブル崩壊で正社員が狭い門になった2000年代。正規であることと非正規であることが格差の象徴の様に感じられました。
興味深かったのがパラサイトシングル。十分な年金を貰う親と同居することで目立つことのなかった貧困の問題。親が亡くなり、また介護の問題などで一気に生活が苦しくなる。そんな状況であれば、結婚して新しい家族を作ろうと言う気持ちにもなれないかもしれない。
昔、この国にはなんでもあった。希望だけを除いては。しかし、何かを手にするにも年々ハードルがあがっている様にも感じてならない。 -
Posted by ブクログ
キャッチャーなタイトルの割に中身は重厚な社会学のテキスト。同僚の方から勧められた一冊。山田さんの本を読むのは3冊目になるが、日本における男女の恋愛、家族観に対してとてもわかりやすく説明してある良本が多い。
端的に言うと、モテる男性はできる男性である。男性にとってモテることとできることはリンクしている。一方で女性の場合はできることとモテることの関係性は薄い。日本社会はこのバランスを社会に積極的に取り込んできた。結果、未だに男性優位な社会が多く、女性の社会進出は進まないと筆者は述べる(筆者はこれを前近代的と言っている)
生物学的にも男性は競争の生き物であるけれど、それがどの局面でも如実に現れる