山田昌弘のレビュー一覧

  • 希望格差社会――「負け組」の絶望感が日本を引き裂く

    Posted by ブクログ

    格差の発生をリスクの観点から考察した本。社会改革により格差を改善していこうということを提案している。

    0
    2018年11月12日
  • 家族難民 中流と下流-二極化する日本人の老後

    Posted by ブクログ

    自分を必要としてくれる存在がいない人たち(その多くはシングル)が増加してきている。社会保障モデルが家族を前提としているため、非婚化で、安心の網につつまれない人が増えてきた。

    親密も安心も子供も、対象は定型的な家族だけ。定型にしない/できないなら、様々なかたちを認めればいいのにそれもしないんだから。社会のつくりもそうだけど、普通の意識や考え方としても。

    0
    2018年10月13日
  • 底辺への競争 格差放置社会ニッポンの末路

    Posted by ブクログ

     中年パラサイト・シングル。親同居・未婚・アラフォー。
     この存在を中心に、そこに至る時代背景や過程、そして今後の見通しを整理している。彼ら彼女らが下へ流れて底辺に至るという状況説明がなされる。そのような人たちが増えているのが今日の日本社会だという。
     彼らは一見豊かに見えるが、実は結婚せずに子育てをしないことで得ている豊かさでしかなく、少子高齢化につながり、経済が行き詰まるという見通しをベースに議論が展開される。就業格差と家庭格差が固定化しがちな社会環境において、それを自己責任だと非難してみても、100人の人間がいてそれが何十人という社会になると、自己責任論は的を得た議論にならないだろう。

    0
    2018年05月27日
  • なぜ若者は保守化するのか 反転する現実と願望

    Posted by ブクログ

    言いたいことはわからなくはないが、現状の社会問題を羅列しただけという印象は否めず、社会的不安がどのように「保守化」というイデオロギーに繋がるかまでは論理的に解説できていない感を覚える。不安の揺り戻しから来る安定の追求という一般的な説だけでは、現状の国内状況を説明するには弱い。

    0
    2018年01月29日
  • モテる構造 ──男と女の社会学

    Posted by ブクログ

    背が高くてスポーツに優れている男性は女性に好かれる一方、背が低くて運動おんちであっても男性に好かれないということはない。できる男性は女性にもてるが、できる女性が男性にもてるとは限らない。本書では男女に関わる非対称的な感情に焦点を当てながら男女それぞれの生き難さを考察する。たとえば自殺率、ホームレス数、ひきこもり人数などは圧倒的に男性が多い。中高年の男性の自殺が多いのは、リストラや事業失敗などで、できると評価されていたその評価を失ったことが原因。近代社会における男性の生き難さは、彼らが「できなければモテない」という世界に生きることにある。常にできなければいけないというプレッシャー。女性より男性の

    0
    2017年10月09日
  • 結婚クライシス

    Posted by ブクログ

    新聞連載のきろく
    ちょっと新しいことはなさそう。
    で、やっぱり出たばかりの新書のほうがおもしろい。

    2回め

    0
    2017年10月24日
  • なぜ若者は保守化したのか 希望を奪い続ける日本社会の真実

    Posted by ブクログ

    かつてフリーターは自らの才能で会社といった枠にとらわれず自由に才能を発揮する存在としてそれなりに羨望の眼で見られていた。若い女性は自宅で親から一人部屋を与えられ、衣食住を保障された状況で非正規の仕事でも収入をすべて余暇に使える状況ではリッチな生活を送ることができた。(バブルの頃は男におごってもらうだけでも生きて行けたかもしれない) いつかはまたバブル時代のような仕事はいくらでも選び放題、いい男もごろごろして将来を安心して暮らせる結婚のチャンスにも困らない時代が来るだろう・・・ だが現実は、保護者の両親は高齢化して年金暮らしとなり、一歩間違えば介護しなくてはならない対象になっている。いつまでたっ

    0
    2016年07月15日
  • 「婚活」時代

    Posted by ブクログ

    結婚したくてもできない(非婚)が続いている。これが少子化の原因にもなっている。フランスは、婚外子が50.5%と増え人口減が止まったが日本人のメンタリティからこれは難しい。結婚するためには婚活が必要な時代になっている。自由に交際ができるようになりかえって結婚ができない。現代男性は受身であり、自分で選択して責任を持つという気持ちが乏しい。女性が積極的に外にでて男性に言い寄ること。男性は、声がかけられるように自分を磨き、経済力とコミュニケーション力を磨くこと。

    0
    2016年03月30日
  • 希望格差社会――「負け組」の絶望感が日本を引き裂く

    Posted by ブクログ

    日本の現代の問題を単なる経済格差ではなく、希望格差=努力が報われる社会かどうかで論じた視点は素晴らしい。しかし、取り上げている話題への分析が浅薄で、なにより今後の提言が弱いのが残念。

    ・人々が中流とランクづけるのは、格差が量的なものだと思われていること、そして、成長によって追いつくことが可能だと希望がもてたことに依存する。
    ・教育は、何より「階層上昇(もしくは維持)の手段」であり、社会にとっては「職業配分の道具」なのである。この二つが危機に瀕していることが、現在の教育問題の根幹にある。しかし、これは主流の教育学者からは嫌われる考え方。
    ・苅谷:学力が低い生徒ほど現状肯定感が強い。→過大な期待

    0
    2015年12月26日
  • 「婚活」時代

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「規制緩和」によって、就職活動が必要となった 日本男児は今やすっかり受身の王子様 「出会い」が少なかったから、出あった相手が素敵に見えた 男性間の収入格差が広がっている 

    0
    2015年05月27日
  • ここがおかしい日本の社会保障

    Posted by ブクログ

    意図的たと思うが、繰り返し繰り返し執拗に、今の社会保障制度の基本設計が社会にあってないかを述べている。
    基本的な分析には概ね同意出来るし、成る程と思う。
    惜しむらくは、今後の提言の部分をデーターや実現可能性を含め充実して欲しかった。

    恐らく政治家は選挙がある限り、 高齢者向けの政策を変えられるはずもなく、年金制度の不公平は無くならないだろうし、小手先の増税を繰り返すのが関の山だろう。
    また、官僚も身分も老後も保障されているので、自ら特権を放棄し抜本的改革をするとも思えない。
    日本が本当に沈没する前に、若年層はまず選挙にしっかり行って意思を表明するべきだ。

    0
    2015年02月07日
  • なぜ日本は若者に冷酷なのか―そして下降移動社会が到来する

    Posted by ブクログ

    金の卵 パラサイト・シングル 奨学金の支給額(日本はOECD34カ国中最下位) 所得による教育格差に対する意見(朝日新聞とベネッセが行った調査。「親の格差は子供の格差に引き継がれるのは当然」とも読み取れる結果が出た) クリントン大統領「今の子どもが大人になった時、自分の親よりも豊かでない生活を贈る史上初めての世代に成るだろう(1993)」 階層の下降移動社会(かつての親世代とは違い、親と同じ高卒では同じ生活レベルを維持できない、という時代になっている) 新司法試験(選抜試験でありかつ5年間に3回しか受けられない(三振者が出る)) ヤンミン=マイミン「パイプライン・システム」 所在不明高齢者 お

    0
    2014年09月12日
  • 希望格差社会――「負け組」の絶望感が日本を引き裂く

    Posted by ブクログ

    この本を読めた高校生とそうでない生徒では人生変わるかもしれない。大学生は(特に学力の低い学生が)出席点を好むものだが、『希望』というキーワードでよく理解できた

    0
    2014年06月19日
  • なぜ日本は若者に冷酷なのか―そして下降移動社会が到来する

    Posted by ブクログ

    教育は、もはや投資ではなく投機。お金なら投資機会を待てば良いが、人間は待てないので、投機でも賭けざるを得ない。
    格差の固定ならまだ良くて、親よりも裕福になれない世代が生まれている。大学の高校化?就職予備校にすらならない大学。

    格差が固定する世の中ってつまらないと思いつつ、人類の歴史はほぼそんな時代のような気もするし、、、

    いや、根深いねぇ、これは。根本的には国が衰退してるってことが原因だよね。
    限られた資源の奪い合いになっていて、それが声の大きいもしくは数の多い高齢者に割り当てられるような構造になっていると。

    国を成長させるか、資源の振り方を変えるか?
    全体としての幸せが、個々にとっての

    0
    2014年04月30日
  • 希望格差社会――「負け組」の絶望感が日本を引き裂く

    Posted by ブクログ

    日本社会が、将来の安定を期待することが難しいリスク化の時代を迎え、従来の教育と職業のシステムがさまざまなところで機能不全を起こしていることを明らかにした本です。

    フリーターのように将来に希望を持てない人びとや、オーバードクターのようにそれまでの投資を無駄にすることを受け入れられない人びとが、みずからの心理的な安定のために夢にしがみついているという指摘も、非常に鋭いと感じました。

    ただ、経済的なセーフティ・ネットだけではなく、心理的なセーフティ・ネットの整備が必要だという主張はまだ抽象的で、「希望格差」という事態にどのように対処していくべきなのかという道筋はそれほど明確にはされていないのでは

    0
    2014年04月10日
  • なぜ日本は若者に冷酷なのか―そして下降移動社会が到来する

    Posted by ブクログ

    ■日本社会のこれから

    A.家族は選択不可能で、解消が困難な関係性として認識されてきた。だが近年、「ペットの家族化」と「児童虐待」が急増している。前者は「本来家族でない動物を家族であるかのように扱う」現象で、後者は「本来家族である子を家族でないかのように扱う」現象だ。このように、家族にしたり、解消したりすることが一方的にできるようになった時、それを「家族」と呼べるのか、という現実に我々は直面している。

    B.結婚のため様々な活動をする「婚活」、未婚でなぜいけないと開き直る「おひとりさま」。これも現代日本家族を特徴づける、対となる言葉だ。この2 つの言葉が流行する背景には、自動的に家族が手に入る

    0
    2014年03月11日
  • 「婚活」症候群

    Posted by ブクログ

    若者の4人に1人が生涯未婚。

    年収600万円以上の男性未婚は5%。

    絶望な状況があるけど、これを乗り越えるしかない。
    女性は勝ち組だけを求めているわけでは
    ない。実際には、浮気をしない誠実な男性がよい
    という女性もいる。
    こうした男性の誤解もあるので、行動あるのみ。

    これから大切なことは、善意のおせっかい、そして
    背中押し。
    第三者は、この立場を持ちましょう。

    本書で指摘されてた一つ、
    90年代には「いかに彼女を落とすか」という
    テクニック重視の記事がたくさんあったこと。
    こういうの、古臭いからか今は見られない。
    今だからこそ、もう少し盛り上げてもいいのでは。

    0
    2014年02月08日
  • なぜ日本は若者に冷酷なのか―そして下降移動社会が到来する

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    生き方の多様化、家族の在り方の多様化。潜在的には昔もあったかたちが、顕在化することによる影響。何をもって「家族」とするのか、経済視点から。

    0
    2014年01月11日
  • 「婚活」時代

    Posted by ブクログ

    結婚するためには、意識的に「活動」することが必要になってきた。

    1980年までは
    1、出会い
    2、相互選択
    3、結婚の決断

    結婚までのすべてのプロセスにおいて規制が多かったので
    活動は必要なかった。
    →現代は規制緩和によって生まれた自由市場

    男:必要なのは流される勇気
    女:経済的に自立し、野に出て狩をすること

    0
    2013年10月14日
  • なぜ若者は保守化するのか 反転する現実と願望

    Posted by ブクログ

    雑誌連載のまとめなので同じことを何回も言っているのが少しくどく感じられた。しかし、若者の問題は若者の態度の問題ではなく制度の機能不全という考え方には賛成する。オランダの失業した若者が「政府を信頼していますから」と言ったというのは、日本で育った私にとっては驚くことである。読むほどに希望が持てる社会を作るのは難しそうだと思ってしまう(という感じ方も希望が持てない若者を体現しているかもしれない)

    0
    2013年07月29日