山田昌弘のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
データに基づいた分析は的確で、20年ほど前のものだが、正に予言のごとく、格差の増大、未婚・離婚の増大・少子化…などその通りの社会になっている。
ただ、基本的に高度経済成長期の日本社会-サラリーマン専業主婦家庭、1億総中流社会-を安定した「良い」時代のように記載し、その前提が崩れた現代社会をリスクのある不安定な危険な社会という論調には違和感を覚えた。
能力、やる気、努力の有無など人によって千差万別だし、企業は営利団体なのだから能力の有無によって地位や報酬に差異を設けるのは合理的。
寧ろ高度経済成長期に能力に関わらず全員を正社員として採用して保護して仕事の出来に関わらず年功序列で給与を上げたから成長しない貧しい国になったのでは?
格差と騒いでいる人たちはマクロで物事を見過ぎ気がする。個々人の能力や努力(ミクロ)で見ると、やっぱり格差の下に属する人は結局は自己責任なのではないかと思ってしまう。
あと、宗教が心の拠り所(防波堤)になっていたとの分析はその通りだと思う。自分は無神論者だが、海外の人はほぼ何らかの宗教を信じている。昔、海外旅していた時、あなたは何を信じているか?との質問に無神論者と回答したら「では、何を指針に生きているのか?」と言われたことを思い出した。過激派などに焦点が当たりがちだが、本来的には重要な役割を担っているのかも。 -
Posted by ブクログ
<目次>
第1章 Z世代はなぜ「イミ(意味)消費」に向かうのか?ー牛窪恵
第2章 世代間対立に潜む「正義の独善」ー萱野稔人
第3章 マッチングアプリと恋愛コスパ主義ー山田昌弘
第4章 「みなまで言うな」は通じないー山口航
第5章 認められたいけど目立ちたくない~複雑な承認欲求の謎ー金間大介
第6章 「無敵の人」を生まないためにできることー阿部真大
第7章 政府公表「自殺者減少」は真実かー末木新
第8章 差別と偏見に苦しむヤングケアラーー濱島淑恵
第9章 若手社員が辞めない職場とはー古屋星斗
第10章 「若者の本離れ」というウソー飯田一史
第11章 「言葉の転換期」で格闘するわかものたちーひきたよしあき
第12章 韓国人男性に惹かれる日本人女性ー安宿緑
第13章 カラダを売らざるをえないZ世代ー中村淳彦
第14章 「推し」が出るならテレビを観るー道満綾香
第15章 『古見さんは、コミュ症です。』に見る、イベント化した日常世界ー谷川嘉浩
第16章 地域間格差と若者の希望ー轡田竜蔵
<内容>
若手社会学者による、現代のZ世代を中心とする「若者」の行動を分析した論集。やや短いので、飲み込みにくい者も。自分の学校の生徒を思い出しながら読んでいた。やや納得…。 -
Posted by ブクログ
どうもそこかしこに腑に落ちない部分があって、なぜなんだろうかと考えていたんだけど、この著者の他の本も含めての印象として、元々が教員養成系大学の先生がする発想なんだろうなと思った。というのも教育を現実がたとえそうであっても、将来の職業につながる流れの中で考えており、大学院は教員養成のためのシステムととらえている記述もある。現実がそうなんだからそれに合わせるのが現実的であるという発想の一方で、こういう現実だと先がないと述べるのだが、その分析も解法も国内制度だけで論じていて、海外比較する際の海外の制度がどのようなもので、それが適用できない原因はなにかなど比較検討する事はない。あくまでも現状を変革していく困難さを示して問題提言としているだけだ。別の著書では現実味のある職業教育に力を振り分けるべきとの話もあったが、今の時代職業訓練で得られる仕事とはどんなものがあるというのか?日本には斜陽産業と中抜き業種と公務員しか仕事はないのだが。
年代を経るに従ってそのような記述も多少変化を見せてはいるが、あくまでも現状産業での人材活用でしか論じないので、個人的には大学教育や大学院教育が日本の教育水準を守る制度ではないかという考えとは異なる。まったく新たな制度が自らは創り出せないのなら、既存の海外の例を参考にどの方向へ向かうのが日本の現状では”正解”なのか、そこまで論じてもらいたいものだ。