山田昌弘のレビュー一覧
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結婚について、歴史と国の観点で語られている。
知っている内容だが、改めて歴史的背景をもとに語られると気づきがある。
特に、皆婚時代はお見合い等で同等婚がなされていた。
途中で、年収に差がなかった時代は、容姿で結婚相手を選んでいた。
現代は、階級格差があるので、男は稼げる方がよく、女性はまず年齢があってその後に容姿が重要と言う話だった。
人によっての好みはあるが、格差社会によって経済面で選ぶ時代の傾向があるのが1番である。
また、現代はとにかく大学まで行かせるのが第一で、子供を下流にしたくないという風潮があるが、この流れをやめることで子供を持つことのハードルを下げることが少子化解消の第一 -
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勉強になった。個人的な感覚として、日本特有の少子化の原因となる考え方や価値観に共感できないところはあるが、大きな傾向としてはそうなんだろうと理解。だからこそ、「誰の意見を聞いて少子化対策を検討してきたのか」は、重要な振り返りポイントだと理解。
「子育て自体に喜びをみいだす」と、「子供の市場価値によって親としての肯定感をもつ」の違いにはなるほどと思った。
また、中流階級意識が少子化の背景にあるというのも新発見。とくに、親の生活が安定していてそれなりの環境を準備してもらった人が、経済的理由で子供を持つことを躊躇うというのは納得した。でも、この変化の激しい時代に、先の見えない不透明感や不安だけみてい -
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男は女から認められないと生きていけないが女は同性からの関係性だけでも自尊心を損なわず生きていける事が本書での1番の気づきである。
男は仕事ができる事でしか周囲から認められずそこを損なうと社会的な存在価値がなくなってしまう。女性はキャリアでも家庭でも居場所を見つけることができ、男よりも生きる術があるように感じた。これからは男性らしい女性らしいという概念は崩れていくだろう。だが根源的に残っている男女の性は自認して前向きに生きていきたい。
女性は同性から養育を受ける為に性的な欲求は低い。男は母親以外からの異性の承認が必要であるから性的にも血気盛んである。これもなるほどなぁと思わされた。 -
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ネタバレ時代の流れとともに結婚の在り方がどう変化してきたか、結婚に何を求めているかがよくわかり知見が深まった一冊
以下読書メモ
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・結婚は、幸福を保証しない。この点が理解されるなら、結婚はもっと、増えるのではないか。
・結婚困難から生じる問題を解消する手っ取り早い方法は、結婚しなくても経済的・心理的に生活ができる社会に変わることでしょう。要するに、結婚不可欠社会から「結婚不要社会」に変わればよいのです。
・要するに、男性にとって結婚は人生の通過点の一つでしかなく、男性は結婚によって自分の人生のコースが変わるものだとは思っていない。結婚するから会社を辞める、すなわち「寿退社」のような選択も -
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p61 子どものかけられるお金 1994年と2018年では後者が3-5万減っている
p67 1975年の国公立授業料 3.6万 1986年 25万
2020年 文系 53万 理系 80万
p78 小4くらいの時点で毎月5万の受講料がかかる中学受験専門塾に通えるかどうかで、その後の人生ルートがある程度きまってしまう。 親の所得が子ども世代に影響し、格差が再生産されている状況
p85 学校で学んだことを一切忘れてしまったときに、なお残っているもの、それこそ教育だ アインシュタイン
p123 生まれ故郷の土地に、ライフステージに応じた場がない 生活の糧を得るための仕事の場、自分のこどもを通わ -
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フランスに住んでいる友人(日本人)に、「今この本読んでるんだよね」と話したら、「え、日本て少子化対策なんかしてたの?」と言われた。
確かに。言われてみれば。
わたしはすぐに、日本が行っている少子化対策をあげることができなかった。
この作品によるとそれは、育休制度であるとか、保育園増やそうとか、そういうことらしい。でもそれって、なんかずれているような気がする。
なぜ日本で結婚・出産が回避され、少子化対策は失敗したのか。
説明していくと、こういうことだ。まとめだけでなく小言が入るので長くなります。
日本は欧米諸国の少子化対策をベースにして少子化対策を行った。
しかし。
欧米の価値観を前提としたま -
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昔から、多くの人は悩んでいてしかも人それぞれに悩みは違います。
しかし、大きな流れとして昔の日本人は世間の常識というモデルから外れていることを悩み、今はモデルすら無くなりつつありどうしていいか分からなくて悩んでいます。
個性の時代と言われながら、個を確立する具体的な方法も教えられずに大人になってしまったのかもしれません。
著者は、読売新聞の人生相談の回答者として社会学者として社会のパラダイムを見ながら、一方で具体的なアドバイスをするにはどうすればよいか、悩みながら考えています。回答に至るまでの考え方を知り、回答そのものよりも悩みに対する対応のヒントを得た気がします。
一般紙の人生相談な -
購入済み
好感の持てる著者
日本の少子化事情が欧米のそれとは大きく違うことを示した書。
日本は欧米の政策を真似ることが多く、それは欧米の問題が日本にも後年発生し、解決策もそれにならうという歴史観が明治時代からあるからだ。
しかしもちろん欧米人と日本人は文化が大きく違う。子どもの育て方からどういう主義を掲げているかまで。特に世間体を気にして結婚や出産を渋ったり、子どもが働ける年代になっても実家暮らしなど親世代と同居する例も少なくない日本では、欧米よりもはるかに結婚までのハードルが高いと断ずる。
日本では中流の平等意識が強いが、世界では経済的な身分差など当たり前に存在している。ある意味で欧米は身分差にあった範囲で子