三辺律子のレビュー一覧
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トルコ系アメリカ人のシラは、ずっと落ち込んでいた。トルコに一時帰国した母親が、アメリカに再入国できなくなって何ヶ月も経っていたからだ。何もかも興味を失っていたシラだったが、ひょんなことからジオという老人が飼うアジアゾウのヴェーダと出会い、日々に輝きを取り戻していく。主要な登場人物全員の一人語りを含む広がりのある物語でありながら、動物保護と家族の愛という一貫したテーマを描く卓越した物語。
最後の2人の語りに泣いてしまいました。母子の愛は、なんて強く切ないものなんだろう。マテオとシラの関係も、深く入り込みすぎず、それでいて相手のことを曇りのない目で見て受け止めていて素敵だと思った。自閉症というと -
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オレゴンに住む少女シラが主人公。トルコ国籍の母が、事務手続きのため里帰りしたら、入国書類の不備で帰国できなくなってしまった。何ヶ月も何ヶ月も、ひたすら母の帰りを待つシラ。しだいに学校でも何にも関心を持てなくなり、からに閉じこもるようになる。
そんなシラが、ある日、お父さんに連れられていったロードサイドのドーナツ屋で、妻を亡くした孤独な老人ジオと出会う。何気なく話をするうち、シラはジオとの意外なつながりに気づく。
ジオは、かつて宝くじにあたって、お金の心配はなく、広大な土地も持っているけれども、ただ毎日をさびしくやりすごしている。そんなふたりの前に、つぶれたサーカスの一団があらわれ、なぜだか -
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帯の売り文句は『ガーディアン賞、エドガー賞受賞の名手が贈る短編集』。読み終わったときフワッとした気持ちになった。不思議なお話が13切れ合わさって一つのケーキになった。小学生高学年から十分に読める内容。ファンタジー好きにはたまらない。三辺律子さんの軽やかな訳に、さかたきよこさんのカバーイラストが彩りをそえる。どれもこれも可愛く不思議。特に『オユをかけよう!』『銀のコップ』が好きかも。珠玉のベイカーズダズン。シリーズ『ルビーが詰まった脚』『お城の人々』も読みたい。
訳者あとがきで紹介されたエイキンの言葉『作家の任務とは、子どもたちにむかって、この世界は単純な場所ではないことを示すことだといえるで -
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ネタバレアメリカのポートランドに住むダリウスはイラン人の母とアメリカ人の父を持つペルシャ系アメリカ人。高校2年生。小2の妹ラレーがいる。ペルシャ系とはいえ、ペルシャ語はあまり話せない。ラレーはその点、小さな頃から教えられていた為ペルシャ語で祖父母と会話できる。
高校ではいじめを受けているが、親にはあまり話せずにいる。言えばガッカリさせてしまうから。
ダリウスは13歳から鬱の薬を飲んでいる。父からの遺伝で、父も鬱病。建築事務所の共同経営者をしているが、ダリウスは数学が苦手で、跡継ぎにはなれないだろう。
ダリウスは母や妹の事をとても大事にしている。しかし、父の事は素直に受け入れられない。父は跡継ぎにはなれ -
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とても面白かった。間違いなく2022年読んで良かった本の上位!
登場人物の名前や、行事や料理名が最初は全然頭に入らなかったけれど、もう途中からは色とりどりのイランに行ってみたくてたまらなくなっていた。彼の今後に希望を見出せる終わり方もとても好き。続編も絶対に読みたい。
ダリウスの抱える閉塞感、祖父の悲しみ、母の後悔、父の恐れ、親友の喪失体験…
どれも愛だと感じた。
特に、ダリウスのお母さんの強さに心打たれた。異国の地で、うつを患う夫と息子を支えながら、どれほどの苦労があったのだろう。19年も祖国イランに帰らずに。私は、日本とそれほど離れていないアジア圏で、日本人の夫と子どもたちと暮らし、子 -
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イギリス海岸沿いに住む幼いダンとユーナの兄妹が近くの牧草地の丘で『真夏の夜の夢』のお芝居をしていると、妖精パックが現れる。
パックは、プークが丘の近くにある海岸都市ペベンシーに関わりのある歴史の人物を呼び出して、彼らの物語を語らせる。ペベンシーは小さい都市ながらもイギリスの歴史的に重要な役割を果たしてきた土地だった。ダンとユーナは、彼らの話を聞きながらイギリスの歴史をしるだった。
キプリングが、イギリス歴史を児童文学として書いた本。二冊セットらしいが、こっちしか買わなかった…。
イギリスの歴史語りではあるが、若者たちの友情や冒険、歴史にこっそり顔を出す妖精たちの存在など、物語としてとても楽しめ -
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