あらすじ
月のケーキの材料は、桃にブランディにクリーム。タツノオトシゴの粉、グリーングラスツリー・カタツムリ。月の満ちる夜に作らなければならない……「月のケーキ」。幼い娘が想像したバームキンを宣伝に使ったスーパーマーケットの社長、だが実体のないバームキンがひとり歩きしてしまい……「バームキンがいちばん!」。魔女である祖母亡きあと城の守りを託された孫のコラムは、いかにしてヴァイキングの侵略を退けるのか? 「にぐるま城」。ガーディアン賞、エドガー賞受賞の名手による、幻想的で奇妙な味わいの13編をおさめた短編集。/【目次】月のケーキ/バームキンがいちばん!/羽根のしおり/オユをかけよう!/緑のアーチ/ドラゴンのたまごをかえしたら/怒りの木/ふしぎの牧場/ペチコートを着たヤシ/おとなりの世界/銀のコップ/森の王さま/にぐるま城/訳者あとがき
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Posted by ブクログ
帯の売り文句は『ガーディアン賞、エドガー賞受賞の名手が贈る短編集』。読み終わったときフワッとした気持ちになった。不思議なお話が13切れ合わさって一つのケーキになった。小学生高学年から十分に読める内容。ファンタジー好きにはたまらない。三辺律子さんの軽やかな訳に、さかたきよこさんのカバーイラストが彩りをそえる。どれもこれも可愛く不思議。特に『オユをかけよう!』『銀のコップ』が好きかも。珠玉のベイカーズダズン。シリーズ『ルビーが詰まった脚』『お城の人々』も読みたい。
訳者あとがきで紹介されたエイキンの言葉『作家の任務とは、子どもたちにむかって、この世界は単純な場所ではないことを示すことだといえるでしょう。単純だなどとはとんでもない。この世界は途方もなく豊かで、奇妙で、混乱しており、すばらしいと同時に残酷で、神秘的で美しく、説明しがたい謎なのです』(猪熊葉子訳 晶文社)。
まさにこの本はそんな本だ。
Posted by ブクログ
ものによってはちょっとダークも入ったファンタジーが13編収録されている短編集。
基本的に微笑ましい雰囲気なんだけど、ちょっと皮肉めいてたり不気味だったりなんだか釈然としない部分があったりとなかなか奇妙な味わい。
もっと別の作品も読んでみたくなる。
全部好きなんだけど、個人的なお気に入りは『月のケーキ』、『バームキンがいちばん!』、『羽根のしおり』、『怒りの木』
Posted by ブクログ
死者の世界とつながるような内容のお話や、ちょっと社会問題的にドラゴンやイマジナリーフレンズを扱ったようなお話など、、
ちょっとホラーテイストだったりリアルな描写も交えつつ、基本的には童話的な書きぶりのお話が詰まっています。美味しそうな食べ物、豊かな自然の描写も美しく、私としてはとても大好きな本でした。
同作者の他の作品も読んでみようと思います。
Posted by ブクログ
谷山浩子とか平山照継の書くお伽噺のような短編集。
この世は単純ではなくときには残酷だけれども同時にミステリアスで神秘的で美しいと思わされる作品でした。ジョーン・エイキンの他の作品も読んでみようと思います。
羽根のしおり
銀のコップ
にぐるま城
が特に好きでした。
Posted by ブクログ
現代を舞台にしたメルヘンという感じで面白かったです
特に気に入った短編:
・バームキンがいちばん!
・オユをかけよう!
・ドラゴンのたまごをかえしたら
・怒りの木
「怒りの木」は中世風の世界観の童話だと思って読んでいたら、一気に時代が現代まで飛んで、物語の終わりの先にある未来が描かれるような展開が面白かったです。