三辺律子のレビュー一覧

  • 翻訳者による海外文学ブックガイド BOOKMARK

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    若者向けの本が多く紹介されていて、読書が得意でない自分でも、この本なら読んでみたいかも、と思えるものが多かった。
    海外文学作家を知るきっかけが、書店に足を運ぶ以外にほとんどないので、訳者本人の推薦の言葉が読めるのは、とてもありがたい。

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    2023年11月14日
  • ダリウスは今日も生きづらい

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    タイトルからどんな話だろうと興味を持った。
    高校二年生のダリウスは、米国人の父とイラン人の母、可愛い妹とポートランドに住んでいるが、日常生活に生きづらさを感じている。
    脳腫瘍の祖父を見舞うためイランのヤズドを初めて訪れる。

    最初は読みづらかったが、テヘラン空港に着いたあたりから俄然面白くなり、税関官その2とのやりとりでは思わず笑ってしまった。

    行ったことのないイランに旅した心地がする。
    ヤズドの街を歩き、遺跡や建造物を眺めアザーンを聞く。祝いの行事で出されたお茶とお菓子の甘い香り、マモーが作った美味しいペルシア料理と優しいハグの温もりが、ダリウスの頑なな心を解きほぐしたのだと思う。

    ヤズ

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    2023年09月26日
  • ダリウスは今日も生きづらい

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    イラン人の母と白人の父を持つ16歳の少年ダリウスは、いじめを受けているうえに鬱病も抱え、とにかく生きづらい。
    祖父の病気を見舞うため、数か月イランに行くことになり、そこで親友ができたことをきっかけに人生の感じ方が少しずつ変わっていく。
    ダリウスの心情が丁寧に綴られている。美しいイランに行ってみたくなった。
    ウィリアム・モリス賞等受賞作。

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    2023年09月26日
  • タフィー

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    設定の妙がある。
    父の暴力から逃げる娘。認知症の独居老人。

    一筋縄ではない。とくに娘。何をしていても不安しかないはずなのに、心が通う瞬間がある。彼女の心の健全さゆえだ。

    最後は物語を抱きしめたくなる。

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    2023年09月04日
  • ローラ・ディーンにふりまわされてる

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    ジャンルはYAだけど、大人が読んでも気づきがある作品。
    搾取される人間関係は不健康であることや
    LGBTQの多様性など
    Z世代じゃない人にも響く。
    英語版で読みたいのに全然売ってない。

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    2023年09月03日
  • タフィー

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    「怖いのは、人間。/人間は傷つけることができるから/すでにぼろぼろになって/たったひとり/暗闇に/うずくまる少女のことを。」

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    2023年05月09日
  • ルビーが詰まった脚

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    大人の読む、童話。
    イソップのように、ちょっと怖くて、諭されるような・・・
    イギリスらしく、幽霊話もたっぷり。

    「葉っぱでいっぱいの部屋」
    「上の階が怖い女の子」
    特に、よかった!

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    2022年12月04日
  • 隠された悲鳴

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    古より慣習として残る「儀礼殺人」、今なおそれにより命を落とす子どもが多くいることを、私は知らなかった。
    権力を得るために、呪術師や呪術医を頼る。困り事があると、医師よりも役所よりもまず相談に行くのは彼らの慣わしである。問題や事件は彼らに占いで解決してもらおうとする。そんな風に一見馬鹿げたような話がごく当たり前にされている地域があると思うと、なんとも言えない苦い気持ちが胸に広がる。

    ノンフィクションではなくフィクションで書いた理由は読者が読みながら自分の考えを紡いでいく余地を残すためだと著者は言う。
    正直なところ、フィクションだとはいえ、実際に起こっていることだと思うと、創作された物語としては

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    2022年10月11日
  • 翻訳者による海外文学ブックガイド BOOKMARK

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    海外文学の本を読みたくて、読んでみた。
    原作本、ファンタジー本、、、など分類別に紹介されている。
    もともとフリーペーパーとしてスタートしたとのこと。
    フリーでこの内容、内容が濃くておもしろかった!
    表紙も素敵。

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    2022年07月24日
  • 翻訳者による海外文学ブックガイド BOOKMARK

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    ものすごくおもしろい本でした。
    こんなにおもしろいブックガイドがフリーペーパーとして配られていたなんて驚きです。

    最近、海外の作品を読んでいても、なかなか自分に刺さる作品に巡り合えず、ちょうど「読みやすい海外の作品を紹介している本はないかなぁ」と思っていた時に、本書の存在を知りました。

    テーマごとに選ばれた十数冊を翻訳者の方が紹介されているので、説得力を感じました。気になった作品を手に取ってみたいです。

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    2022年07月02日
  • ダリウスは今日も生きづらい

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    イラン人の母とアメリカ人の父を持つ高2のダリウスは顔つきの所為でちょっかいを出されたりするけどイランに行ったこともないしペルシャ語も喋れない。しかも遺伝で酷い鬱を持っている。しかしイランの祖父の体調不良で初めてのイラン旅に家族全員で向かうことになる。この旅が彼のアイデンティティを擽り、また無二の友達ができたり、かと思ったら酷い失意を味わったりとさまざまな体験をするのだが、読者はダリウスに共感したり共に失望したりしながらイラン旅を通して変わる彼に拍手したくなります♪
    たしかに生き辛いし息苦しい道のようですけど初めてのイラン旅が確実に少しだけダリウスを成長させ変えてくれました。
    作者も酷い鬱の体験

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    2022年03月01日
  • ロビン・フッドの愉快な冒険

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    13、14世紀に実在したとも言われる森に住む盗賊達のエピソード。森に差し掛かった人たちから半ば奪い取るように貰いつつも鹿肉やエールでもてなし、芸や武勇伝を聞かせて楽しませることで例え悪役でも愉快な時間を過ごす。
    弓使いの名手にして人望のあるロビンが仲間を従えて法に縛られない自然に満ちた生活を送る様は痛快であり、憧れる。読んでいる際ロビンと恋人のエピソードがないのは不思議ですが、そこはやや納得は出来ないものの解説にて触れられていますね。
    終盤のフィンズベリーで弓使いの大会に出場したあたりからのエピソードが特に好きです。
    シャーウッドの森にはロビンフッドゆかりの観光地があるとのことで、いつか訪れた

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    2022年02月11日
  • 翻訳者による海外文学ブックガイド BOOKMARK

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    SL 2022.2.4-2022.2.20
    翻訳者本人による海外文学のガイドブック。
    紹介された作品を読んでみたいと思わせるとても良質なガイドブック。
    読みたくなった本が数多。

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    2022年02月20日
  • タフィー

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    最近若者向け小説で流行っている「散文詩形式」というそうで、見開き2ページの詩の形で綴られた小説。詩なので文章が少なくサクサク読めるが、飽きることなくすっと物語に惹き込まれていく。父親の暴力から逃げ出したアリソンは、自分を友人だと思い込んだ認知症の老婆の家へ住みつくことになる。父親との恐怖と愛情ががないまぜになった苦しみの日々と、老女マーラとの不安定ながら優しく会話する生活、マーラの家族にバレないかのハラハラ加減が魅力的。ラストは意外な展開になるが、読後希望が持てるのはティーン向け小説ならではです。中学生からいけると思います。

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    2022年01月10日
  • タフィー

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    ネタバレ

    父から虐待されて育ち、生きる場所が見つけられないアリソン。友を失い、娘を亡くし、認知症が進行して不安に怯えている老女マーラ。
    詩の形式で物語を綴るのはこの頃の英米文学の流行のようだけど、(単なる流行りではなく、スマホ、ネットに時間を割き、長い文章を読まなくなっている現代人に読んでほしいと工夫した結果ではないかと思う)この形式だからこそ、胸に直接響いてくる。
    アリソンがいかに父の愛情を欲していたか。父親は支配的でありながら、精神面では大人とは言えないほど未熟。
    マーラの心は何かをきっかけに今までの人生の哀しかったこと、嬉しかったことが現れ、それを隠したり押さえたりするのが認知症のために難しくなっ

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    2022年01月02日
  • 隠された悲鳴

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    ボツワナでの儀礼殺人事件を下敷きにしたアフリカ発のサスペンス。著者のユニティ・ダウは現職のボツワナ国務大臣である。

    『テスカトリポカ』もそうだったが、陰惨な殺人を扱った小説は言葉で感想を述べるのが難しい。主人公であるアマントルが権力に果敢に挑み、事件の内容を掘り起こしていく様は痛快なように見える。しかし、ラストの衝撃を考えると彼女は単なる狂言回しであるようにすら感じる。

    権力の腐敗やジェンダー格差は勿論問題であろう。だが、根本にあるのはボツワナ人が持つ呪術への信頼と恐怖である。ボツワナ人は何かあると「呪術医」を頼り、実際に他者を呪おうとしたり、あるいは呪いに対抗したりしようとする。

    彼ら

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    2021年12月05日
  • ジャングル・ブック

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    面白い!多分大人になってからの方が楽しめる。エコクリティシズムとかと関連づけながら読めるようになりたいなぁ。

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    2021年09月06日
  • 夜フクロウとドッグフィッシュ

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    2人の女の子のメールだけで(時々他の人のメールとか手紙とかもあるけど、地の文は一切ない)お話が進む。

    展開がスリリングだし、メールのやり取りだからこその親密感がよい。

    家族とか、好きなこととか、出会いや縁、偶然とかの色々なことも考えさせられる。

    一気に読んでしまった。

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    2021年09月06日
  • パラゴンとレインボーマシン

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    気候変動で雨がふらなくなり、水が配給制になっている未来が舞台。世界中で水を求めての戦争が起こっていて、成人男性はほとんどが戦場に送られている。

    11歳のオーデン・デアは、母親といっしょに、最近なくなったおじさん(母親の兄)の暮らしていた家へ越してきたところ。おじさんは科学者だったが、とつぜん心臓麻痺で倒れて帰らぬ人になった。

    家についてみると、部屋の中がめちゃくちゃに荒らされていた。そして数日後、オーデンがひとりでおじさんの大学、トリニティカレッジの研究室に入りこんでみると、そこもやはりめちゃくちゃに荒らされていた。おじさんには何か秘密があったのでは。もしかして……殺されたのでは?

    そん

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    2021年08月06日
  • ダリウスは今日も生きづらい

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    とてもよかった。異文化体験が大きな核になっている、ユニークな物語。

    読んでいるあいだはずっと、鬱で薬物治療を受けているのに、母の故郷で家族と一緒だとはいえ、いきなり見ず知らずの土地にほうりこまれるのはきびしいなと思っていた。また、同じ病気を経験しているはずの父が、折に触れてずいぶん無神経なんじゃないか、とも。

    でもそれもダリウス(ダーリーウーシュ)の視点から描かれているからで、そのことが最後にちゃんと解きあかされるのがよかった。

    自分の考え方を変えてもっと前向きに、とか、周りを気にしないように、という具合に、セルフヘルプ的な解決法へ導くのじゃなく、そのまま受けとめてくれる人たちとの出会い

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    2021年07月27日