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Posted by ブクログ
"【儀礼殺人(ぎれい・さつじん)】ある儀式にのっとって、人体の一部を得るために行われる殺人。"
著者は、ボツワナで女性初の最高裁判事となったユニティ・ダウ
そんなお堅そうな人がなぜこんな手に汗握るサスペンス小説を書けるんだろう!
フィクションの体は取っているけど、今でも呪術薬の材料にする目的で殺害される少女たちがいる事実、超階級社会の男たちの醜悪な姿、そしてライオンやゾウがいる環境が実際にそこにあるから、日本人からしたら現実離れしすぎている現実に打ちのめされた
"「文化」というものは、固定されたものではありません。本当の意味で「自分たちの文化を存続させ、繁栄させたい」と願うのであれば(どんな文化圏の人もそう願っていると思いますが)、本書で取り上げたような儀礼殺人のように、人を傷つけ、殺してしまうような文化的慣行に挑んでいかなくてなりません。"(著者へのインタビューから)
[Ritual Killing] A murder committed according to a specific ritual to harvest parts of the human body.
The author, Unity Dow, was the first female High Court judge in Botswana. It’s hard to believe that someone with such a seemingly rigid, elite background could write such a gripping, heart-pounding suspense novel!
Although it takes the form of fiction, I was completely overwhelmed by the reality of it all—a reality that feels so distant to us in Japan. There are still young girls being murdered today just for their body parts to be used in witchcraft medicine; the hideous nature of men in a rigid, upper-class society; and the actual environment where lions and elephants roam just outside.
"Culture is not something static. If you truly want to make sure your culture survives and thrives—and I think people in every culture do—then you have to challenge those cultural practices that hurt people and kill people, like the ritual killings that I discuss in the book." (From an interview with the author)
Posted by ブクログ
古より慣習として残る「儀礼殺人」、今なおそれにより命を落とす子どもが多くいることを、私は知らなかった。
権力を得るために、呪術師や呪術医を頼る。困り事があると、医師よりも役所よりもまず相談に行くのは彼らの慣わしである。問題や事件は彼らに占いで解決してもらおうとする。そんな風に一見馬鹿げたような話がごく当たり前にされている地域があると思うと、なんとも言えない苦い気持ちが胸に広がる。
ノンフィクションではなくフィクションで書いた理由は読者が読みながら自分の考えを紡いでいく余地を残すためだと著者は言う。
正直なところ、フィクションだとはいえ、実際に起こっていることだと思うと、創作された物語としては読めない。
この物語では、アマントルというたまたまその地域に派遣された外部の人間がその慣習に口を挟む形になっている。けれど、彼らはそんなことでは全くびくともしない。それは心の底から何も悪いことをしていないと思っているからなのか、それとも悪いと思っていても行うことが当たり前で仕方がないことだからなのか。
こういった出来事とは無縁の読者に対しては、それを信じるものたちが固く戸を閉ざしているようにも見える。我々は黙って見ているしかないのだろうか。
実際に起こる事件をフィクションとして書き、その問題点の本質を浮き彫りにしている手腕はすごいと思う。
すごいと思うだけに、もどかしさの残る読後感となってしまった。
Posted by ブクログ
ボツワナでの儀礼殺人事件を下敷きにしたアフリカ発のサスペンス。著者のユニティ・ダウは現職のボツワナ国務大臣である。
『テスカトリポカ』もそうだったが、陰惨な殺人を扱った小説は言葉で感想を述べるのが難しい。主人公であるアマントルが権力に果敢に挑み、事件の内容を掘り起こしていく様は痛快なように見える。しかし、ラストの衝撃を考えると彼女は単なる狂言回しであるようにすら感じる。
権力の腐敗やジェンダー格差は勿論問題であろう。だが、根本にあるのはボツワナ人が持つ呪術への信頼と恐怖である。ボツワナ人は何かあると「呪術医」を頼り、実際に他者を呪おうとしたり、あるいは呪いに対抗したりしようとする。
彼らを非科学的だと、非合理的だと笑うことはできるだろうか。我々が神社に詣でる心、勝負の前に験を担ぐ心と、彼らが呪術に頼る心は同一線上にある。ダウもまた、呪術信仰については決して否定しない。彼女自身、伝統と近代のコンフリクトに対し結論を自分のなかで出せていないのだろう。そこにある歯切れの悪さが却って人間臭い。
Posted by ブクログ
ボツワナの最高裁判事であるユニティさんが、在任中に書かれて小説。
本当にあった儀礼殺人をもとに書かれたもので、フィクションとして書かれていたが、とてもリアリティを感じた。
アフリカでは儀礼殺人とか儀式殺人といって呪術師の指導の元人体の一部を供物にしたり、食べたりすることによって富を得たり、力が増すと信じられている地域がある。
なんと迷信じみている内容ではあるが、一部の人に信じられ実際にそのために幼い子どもが殺されることもある。
その殺人に関わった人を実際に裁判で担当したかどうかは定かではないが、女性初の最高裁判事となりボツワナのさまざまな現状を見てきた著者が書いただけあって、
女性や子ども、AIDS、LGBTなど社会的弱者とされる人々の魂の叫びを感じた。
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