三辺律子のレビュー一覧

  • ダリウスは今日も生きづらい

    Posted by ブクログ

    鬱病との付き合い方、周りの人間との向き合い方。
    ソフラーブがいいヤツすぎて、こんな人間いるか?と思ってしまうが、主人公と彼の友情も爽やかで良かった。

    0
    2021年05月06日
  • 隠された悲鳴

    Posted by ブクログ

    儀礼殺人に関するサスペンス
    序盤は男性観や価値観が違いすぎて読み進めるのが重かったけど、アマントルが登場してからは一気読みできた。
    文化の維持と人権の保護、時として対峙するケースがあることをリアルに感じることができた。
    人間を信仰は時として人を怪物にしてしまう恐ろしさを痛感。。。

    0
    2021年02月13日
  • ぼくが死んだ日

    Posted by ブクログ

    深夜のシカゴ郊外を自動車で飛ばしていた16歳のマイクは、突然現れた少女に導かれ、うち棄てられた墓場に辿り着く。怯えるマイクの元に、早すぎた死の物語を聞いてくれと霊たちが続々集まってくる。そこは十代の子どもばかりが埋葬された墓地なのだった。古今の物語をマッシュアップしたヤングアダルトホラー。


    面白かった!枠物語はジェントルゴーストものだけど、墓地の子たちの来歴はちょっとワルい話しが多くて、例えるなら『チャーリーとチョコレート工場』で脱落してった子たちの話を本人視点で聞くような感じ。
    語り口の書き分けが上手で、思いっきり現代のティーネイジャー口調の子もいれば、ことあるごとにシェイクスピアを引用

    0
    2021年02月07日
  • 夜フクロウとドッグフィッシュ

    Posted by ブクログ

    ニューヨーク在住のベイヴリーへ知らない人からメールが届く。カリフォルニアに住む同じ12歳のベッドから。
    「そっちのお父さんとうちのお父さんは、付!き!合!っ!て!い!る!!!」
    お父さんたちは娘たちを同じサマーキャンプに送り込み仲良くさせようとも目論んでいる。
    そんなの絶対いや!
    それから二人のメール交換がはじまった。
    本文はメールのやりとりで構成されている。
    だから横書き。
    父親たちの思惑を阻止しようと協力する中で、意に反して仲良くなっていく2人。それなのに…!

    ベットとベイヴリーがすごい。子どもは大人の都合の中で生きている。だから与えられた状況の中で最善に向けて努力し、大人への配慮をし

    0
    2021年02月06日
  • 少年キム 下

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    キムは学校の休暇の際にスパイとして必要となる技術を学び、仲間の何人かとも顔を合わせる。3年間で学業を終了し、ラマと再び矢の川を探す旅に出る。ラマが故郷の高地の話をたびたび持ち出すので、キムは高地への旅を提案する。元気のなかったラマが高地ではキムよりも早く歩くのが面白かった。実は高地へ向かったのはスパイ活動のためでもあった。旅の途中で初めて会った仲間を助けたキムの評価は高く、それを聞いたハリィが高地に一緒に行って欲しいと頼み込んできたのだ。やがて、ラマを巻き込む事件が起こり、キムもラマもフラフラで高地を後にする。
    キムの自分は何者なのか、という問いは世界中の人々の悩みだろうと思う。キムは周りの人

    0
    2021年01月26日
  • 少年キム 上

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    英国人の孤児キムはインドで育ち、貧しいながら楽しく暮らしていた。その頭の回転の速さや感の鋭さが買われて、金持ちの馬商人の秘密の任務を手伝うことになる。それはスパイとしての適性をはかることでもあった。馬商人は英国のスパイだった。
    ある日、チベットからやってきたラマ(僧侶)を助けたキム。ラマが嘘をつかない信じられる人だ、聖なる人なんだ、と思う。そして何故かラマはキムのことを弟子と呼ぶ。キムは自分の目的のため、ラマの聖なる矢の川探しを手伝う事にする。
    キムが口から出まかせを次々と繰り出すのが面白く、ラマは、キムのにじみ出る人の良さに、いつしかキムを息子のように愛するようになる。
    その旅の途中で偶然キ

    0
    2021年01月26日
  • 夜フクロウとドッグフィッシュ

    Posted by ブクログ

    アメリカの長くて色々な経験ができる夏休みを感じられる。家族の多様性、形よりも気持ちが大事であることを感じられる。
    全編メール、手紙、ショートメールなどで綴られていて、テンポがいい。
    第一話にあたる「4月上旬のある日」が少し長めだが、その後は展開も早くて一気に読めてしまう。

    0
    2021年01月06日
  • 夜フクロウとドッグフィッシュ

    Posted by ブクログ

    新しいタイプのお話だった。
    ほばメールだけのやりとり。会ったことのない2人の女の子。お父さんたちの計画。意外な終わり方。
    文体は慣れるまで読みにくかったけど、途中から一気に読んでしまった…。ベットとエイヴリーの関係も、家族の形も素敵。家族ってなんなのか、恋愛って難しい、色々考えさせられる。

    0
    2020年11月06日
  • 少年キム 下

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    読みやすくて物語に入り込めた。壮大な大地で繰り広げられる冒険が終わった。宗教・人種・身分、登場人物がなんとも多様な世界観が一つの物語になって進んでいくのは見事。いつの日かインドに行き、自分の足でキムとラマの歩いた道を少しだけでも歩いてみたくなる。インドがイギリスの植民地だった時代背景で物語が冷遇されることがないように願いたい。この時代を生きた作者にしか書けない物語があるし、それを味わいたいとも思うし。

    0
    2020年10月15日
  • 少年キム 上

    Posted by ブクログ

    晶文社のキムは文章がとても綺麗だったけれど物語に入れず岩波少年文庫で再読。カーストやイスラム・ヒンドゥ・ジャイナとよくわかっていない中、文章中にきめ細やかな説明が入っていてわかりやすかった分、物語に没入できた。若さゆえの無謀さの中で賢く純粋なキム。中学生向けとあるけれど、この時期に出会っていたら世界に対するあこがれがふくらんだだろうなぁ。若い子に薦めたい本。

    0
    2020年09月18日
  • 翻訳者による海外文学ブックガイド BOOKMARK

    Posted by ブクログ

    テーマごとに16冊の紹介.読んだ本も読んでない本も読んだけどすっかり忘れてしまった本も、読まなくっちゃと思わせてくれる.そしてそれぞれのテーマごとのエッセイがまた面白く町田康氏の気合には思わず笑ってしまった.

    0
    2020年09月02日
  • 翻訳者による海外文学ブックガイド BOOKMARK

    Posted by ブクログ

    翻訳本の紹介本
    最近翻訳本を読むことが多くて、更にいろんな翻訳本に出会いたいと思い読みました。
    英語だけでなく、世界中の言葉を日本語に変換して、私達が読めるように仲介してくれる翻訳家の方々に感謝です。
    気になった本はリストにまとめてこれからゆっくり読んでいきたいと思います。

    0
    2020年03月05日
  • まだなにかある(下)

    Posted by ブクログ

    冷たい海で溺死したセスは、気付けば幼少時に住んでいた家で目が覚める。しかし他には人は誰もおらず、家の中や町は何年も放置されていたように風化していた。これは夢なのか。それとも今までが夢だったのか。

    いきなり主人公の死から始まり、よくわからない世界で目覚める。世界設定もわからなければ、この物語が果たしてどんなジャンルのものかもわからず展開されていきます。
    眠りにつくと現れる過去の記憶。そこでは16歳の少年の様々な葛藤が出てきます。その部分だけでも、10代の心の揺れや脆さを描いたYA作品として成り立ちそうです。
    しかしそれは物語を構成する一部分に過ぎないのです。

    ファンタジーなのかミステリなのか

    0
    2020年02月20日
  • まだなにかある(上)

    Posted by ブクログ

    冒頭いきなり主人公が死ぬ。そして次の場面は生き返る?あるいは地獄で目覚める?ところから始まる。無人の荒廃した町で。
    パトリック・ネスの本を順番に読んでる。どれも人間や社会や世界をすごくシビアに捉えてて、辛い描写も多いんだけど、でも同時に人間の力強さを信じる言葉が美しくて好き。

    0
    2020年02月12日
  • 隠された悲鳴

    Posted by ブクログ

    アフリカ、ボツワナの現職女性大臣が今のアフリカに残る“儀礼殺人“の実態を、ミステリーの形式で告発した作品。サバンナをライオンや象が行き交い、人々は呪術医にいまだに頼ったりする、そんな世界をなかなかイメージしづらく読むのに時間がかかったけれど、身の毛のよだつラスト10ページなど、読み応えのあるものだった。人体の一部を切り取り呪術医に捧げることで権威やとみが得られると信じられ、今も残る悪しき風習、儀礼殺人。フィクションにせず、犯罪を犯す側の心情も描くことで、単なる個人の悪意ではない構造悪として炙り出されているし、根深さも同時に感じさせる。

    0
    2020年01月09日
  • 隠された悲鳴

    Posted by ブクログ

    ボツワナの最高裁判事であるユニティさんが、在任中に書かれて小説。

    本当にあった儀礼殺人をもとに書かれたもので、フィクションとして書かれていたが、とてもリアリティを感じた。

    アフリカでは儀礼殺人とか儀式殺人といって呪術師の指導の元人体の一部を供物にしたり、食べたりすることによって富を得たり、力が増すと信じられている地域がある。

    なんと迷信じみている内容ではあるが、一部の人に信じられ実際にそのために幼い子どもが殺されることもある。

    その殺人に関わった人を実際に裁判で担当したかどうかは定かではないが、女性初の最高裁判事となりボツワナのさまざまな現状を見てきた著者が書いただけあって、
    女性や子

    0
    2019年10月16日
  • ぼくが死んだ日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    冒頭のキャロルアンの話がないじゃないか!というか出版社の公式あらすじだとメアリアンになってるじゃないかどうした!

    デイヴィッドとリッチ以外は自業自得か必ずしも良い子でないからまあいいか、という気持ちに。

    0
    2018年12月29日
  • ぼくが死んだ日

    Posted by ブクログ

    「ねえ、わたしの話を聞いて……」偶然車に乗せた少女、メアリアンに導かれてマイクが足を踏み入れたのは、十代の子どもばかりが葬られている、忘れ去られた墓地。怯えるマイクの周辺にいつのまにか現れた子どもたちが、次々と語り始めるのは、彼らの最後の物語だった……。廃病院に写真を撮りに行った少年が最後に見たものは。出来のいい姉に悪魔の鏡を覗くように仕向けた妹の運命は。ノスタルジー漂うゴーストストーリーの傑作。(背表紙)

    0
    2017年10月26日
  • ぼくが死んだ日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    TLでなんとなく評判を見た+甲田学人の新刊読んでホラーを読みたい気持ちが高まっていた結果、手を出した本。
    若くして死んだ人々、それもミステリ的、ホラー的、あるいはSF的な死を迎えた者たちの、死に様を描いていく連作短編。
    要望には十分応えてくれた。登場人物が割りと気持ちいい人物が多い+何かに立ち向かい、時には勝つエンドも多いので、後味が悪くないのも特徴か。エドガーの話とかは別だけど。

    0
    2017年06月12日
  • ぼくが死んだ日

    Posted by ブクログ

    不幸にして十代で死んでしまった子供たちの幽霊が、自分たちが死ぬに至った物語を順に語っていく連作ホラー。リアルに恐ろしく悲しいものや、どこかしらシュールながらやはり恐ろしいものや、さまざまなテイストが楽しめます。そしてその物語を聞き続ける少年マイクがいったいどうなってしまうのか、というところも読みどころです。
    さまざまな怪奇小説の要素がたっぷり含まれているのもまた読みどころです。「サルの手」なんかはあまりにわかりやすいけれど。それ以外にも、ホラー好きならぐぐっと引き込まれるガジェットがいっぱいでした。
    お気に入りは「ジーナ」。これが一番やるせなくてつらいなあ。リアリティという意味ではもっとも恐ろ

    0
    2017年06月10日