天童荒太のレビュー一覧

  • 静人日記 悼む人II

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    悼む人、続篇。
    静人の日記という形で進んでいくので重い重い。
    今日はどういう形で亡くなった人を悼んだ、とか
    どんなことを言われた、とか。
    誰を愛し、誰に愛され、が悼みの基本ではあるけど
    どうしても物語を進めるにあたってでてくるそういう描写。
    読み進めるのつらかったな。
    巻末に著者が被災地にいったときのお話収録。

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    2013年09月18日
  • 贈られた手―家族狩り 第三部―(新潮文庫)

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    徐々に登場人物達の心が変わってゆくのを感じる。過去と向き合うことはひどく困難なのは十分わかっている。でも向きあわなければわからないこともたくさんあり、今自分を縛っているのが何なのかということも自覚できない。天童さんの小説に出てくる人物は皆がひどく何かを背負っていると感じるが、背負っていない人などいないのかもしれない。誰の立場に立つかで視線は自然と変わり、その度に心を揺さぶられる。それでも圧倒的な苦しさの奥に、どこまでも純粋な差し伸べられる手を感じずにはいられないのはなぜだろう。誰もが幸せになるのは難しい。でも、今より未来を見られるようになることはできるのではないか、と祈りたくなった。

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    2013年08月01日
  • 遭難者の夢―家族狩り 第二部―(新潮文庫)

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    まだまだ序盤。登場人物たちがどこでどうつながるのかがまだ見えてこない。。。。

    馬見原の思いの「楽しいことは裏切られたら悲しみが倍増する」という気遣いの言葉が今の私にはピッタリくるかなと。
    もっとドライに裏切る人はそういう人なんだと割り切ることができればいいんでしょうけど。。。。
    できないからしんどいんかな。。。
    でもできないものはできないよな。。。

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    2013年08月23日
  • 包帯クラブ

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    自分が心の傷を負った、と思う場所に包帯を巻く「包帯クラブ」の少年少女の成長を描いた小説。
    『永遠の仔』『家族狩り』など大作の多い天童さんの作品の中では、若い人たちに向け書かれたという事だけありとてもライトな文体で、こういう風にも天童さんは書けるんだなあ、とすこし意外な感じでした。

    包帯を巻くだけで救われるのか、と思ったのですが、包帯を巻くことで、あなたは立派に傷ついているんだよ、というメッセージになるということを読んで少しだけ納得できました。

    人それぞれ様々な理由で傷つきます。よく誰かに話せば楽になるよ、なんて言われますがじゃあ実際に話すのか、となるとやはりそれは別問題。人に簡単に背負って

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    2013年01月29日
  • 包帯クラブ

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     天童さんの作品は、心が元気じゃないと読むのがしんどい・・けど、返却期限が迫っている!ので、恐る恐る読んでみた・・・ら、あっという間に読め
    てしまってビックリ。

     やっぱり”生きにくい”と感じている高校生を主人公にした物語。
     ところどころに入る、そんな多感な時期を傷つきながら生き抜いた、成人したであろう高校生たちの報告に、救われたのかも。

     今までの人生をいたく能天気に生きてきた私には、未知の世界で繰り広げられるストーリー展開だったけれど、もしかしたら「包帯を巻いて欲しい傷」も、気付かないフリをして生きてきたのかも。大抵の人はそうして生きているのかな。

      

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    2013年01月22日
  • 包帯クラブ

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    思春期の小説。
    色んなものを失うたびに感じる軽い痛み。原因のわからない閉塞感。大人になることに対する恐怖感。何もできないけれど、知ることが大事なんだと信じる気持ち。
    そんな思春期の自分の感情を、一つ一つ思い出しながら読み進めた。

    同時に、思春期の頃から変わったことなんて、本当は殆どないんだと気づいた。少なくとも私は、傷ついた分だけ強くはなったけれど、やっぱり今も同じ不安や希望を抱えて生きている。
    それが、本書の「近況」で表現されることなんだろう。みんな強くなって、不安を抱えたまま笑えるようになっている。

    正直、私には、本書自体がすごく良い小説だとは感じられなかった。あだ名も方言も違和感があ

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    2013年01月06日
  • 静人日記 悼む人II

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    悼む人の続編、というよりは前日譚というべきだろうか。
    時系列的にはおそらく、悼む人の中では明確に表現されていない、静人が一人で旅している間の、静人自身による日記なのですが、それだけに淡々と進んでいくので前半はかなり読みづらかった。
    ただ、日記の中に遥香という女性が出てくるところから次の展開が気になって一気に読み切れた。
    後日を知っているからこそ二人の関係を面映く思い、幸せになってほしかった。

    この文庫にはもう一編、作者による東日本大震災の被災地にて書かれたものが載っているのだが、その文章を締めくくる一文が深く印象に残っている。
    「一万五千、七千、という数の波底にもぐり、一つ一つのいのちの相貌

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    2012年12月28日
  • 静人日記 悼む人II

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    「悼む人」ありき。

    物語性は希薄なんだけど、読める。
    面白い、っていうのとは違うけどね…。
    なんとも評価しにくいなあ。

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    2012年11月09日
  • 静人日記 悼む人II

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    悼む人を読んだあとだったせいもあり、日記という題名の通り一日ごとに話が変わり前後に関連性が殆どなく退屈だった。
    もちろん、悼まれる人の情景や理由には心打たれるものもあったが、やはり悼む人の続編ということでいわゆる慣れてしまったせいか感動も今ひとつ。
    改めて悼む人は名作だったと思わせる作品となった。

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    2012年10月26日
  • 静人日記 悼む人II

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    続編にして序章という変わった設定。主人公静人の主観で綴られる日記形式なのですが、何故か飽きない不思議な作品。それだけ人の死も色々あるんだなって当たり前のことを考えてしまいます。それにしても天童先生、凄い想像力です。

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    2012年10月24日
  • 静人日記 悼む人II

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    ネタバレ

    痛い、心が痛い。読んでいて辛かった。

    「悼む人」は第三者的に読めたけど、これは静人本人の日記。感じたこと思ったことが、いいことも悪いこともストレートに書かれている。旅を続けることで、悼み続けることで、静人は救われるのかな。

    作者、天童荒太はとても感受性の強い人だと思う。そして静人は作者自身なのでは、と今更ながら思った。

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    2012年10月17日
  • 巡礼者たち―家族狩り 第四部―(新潮文庫)

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    家族狩りをしている犯人像が見えてきた。

    転居し、かつての教え子ケートクと仲良くなり農作業に打ち込んだり生き方を変えていく巣藤と、游子の距離は近づいていき…。
    しかし駒田は娘玲子と引き離されたことで彼女を逆恨みし続け…気が小さいくせにこんなはずじゃなかった、とかあいつのせいだとか悪いことは全て周りのせいにしてお酒に逃げている駒田にどうしようもなく反発を覚える。玲子があまりにも可哀想だ。

    でもたぶん、彼みたいな人間はどこにでもいる。仕事にのめり込み、回復したばかりの妻 佐和子より冬原親子のため必死になる馬見原や、時には恨まれたりしながらも子供たちの保護に全身全霊を掛ける游子より、駒田のような人

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    2012年08月30日
  • 贈られた手―家族狩り 第三部―(新潮文庫)

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    またひとつむごたらしい事件が起きて、馬見原の刑事としての暴走もいっそう…。ずっと無関心をつらぬいていたように見えた巣藤が変化していくこの巻だが、亜衣はどうなっていくのかなぁ。

    油井の言葉に危うくほだされそうになった私はやっぱり甘ちゃんなのかな。だって、馬見原はせっかく真弓と仲直りさせようっていう佐和子の気遣いも、気付いてるくせに受け入れようとしないじゃない。綾女たちが気になるのはわかるけど、自分の家庭とも向き合おうよ…。

    電話相談員の人が怖い。。

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    2012年08月29日
  • 遭難者の夢―家族狩り 第二部―(新潮文庫)

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    巣藤が「家族をつくること」をおそれる理由が見えてきたところ。隣家の惨状を見てしまい茫然自失の巣藤は少年たちによる大人狩りに遭い、まさに泣きっ面に蜂。恋人との関係もこじれにこじれ、ようやく自分にも何か少しは出来ることがあるかもしれない、というところまでいきつく。

    馬見原は退院して人が変わったように明るくなった妻の変貌についていけず、ますます事件の真相究明にのめり込む。
    警察は【麻生家の事件】は達也の無理心中説で送検しようとするが不審な電話を彼は無視できない。そんな折、彼に家族を奪われたと恨みをもつ油井も周囲をうろつきだし、、

    犯人の異常性が明らかになるとともに、家族の在り方や現代社会における

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    2012年08月28日
  • 悼む人 下

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    【フレーズメモ帳】
    「疑うことなんてないのよ。そんな必要はないの。誰かのためにね、その人のためになら、自分が少しくらい損してもいいって思えたら、それはもう、愛でいいのよ。」

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    2025年01月24日
  • 悼む人 上

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    【フレーズメモ帳】
    「自分への執着を、私への愛だと錯覚していたのか。自分への執着を徹底して貫けば、他者への愛と見分けがつかなくなるときがあるからね。」

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    2025年01月24日
  • 巡礼者たち―家族狩り 第四部―(新潮文庫)

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    第四巻。ついになぞも開ける。誰もが悩み、傷つき傷つけられて、それでも光の指す方目指してまっすぐだった。疲れたら休んでいいよ、と馬見原の妻はいうように聞こえる。最終章は一気に読んでしまえる。描写が惹きつけられる。

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    2012年04月06日
  • 遭難者の夢―家族狩り 第二部―(新潮文庫)

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    第二巻。やはり冒頭はお悩み相談室の会話から。そこから玲子の夢へ。少年が語る話は胸にくる。小さきは忙殺され、身の回りで精一杯。そうだろうと割り切ってしまうことは逃避になるのだろうか…難しい。どんな正義も悪も主観であると改めて気づく。でも、登場人物すべて闇を抱えすぎ感はあるなあ。

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    2012年04月06日
  • 遭難者の夢―家族狩り 第二部―(新潮文庫)

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    全5巻中2巻目!
    第2の事件が起きたが、いまだ犯人の姿が見えてこない・・・
    ただのサイコなのか、明確な目的のある計画的犯行なのか・・・
    それにしても重い。久しぶりに重い。未だ幸せな人が出てこないという意味でも。

    家族愛など繋がりの無い他人にどうやって説明できようか。

    ましてや証明などできるわけないだろう。犯人の目的が気になる・・・

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    2012年01月13日
  • 巡礼者たち―家族狩り 第四部―(新潮文庫)

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    う~ん、切ないですね。
    良かれと思ってしたことが逆に恨みをかってしまう。
    そこにエゴが存在して、相手に対して「良かれ」が本当は自分にたいしての「良かれ」になっていたのかもと考えさせられました。

    「あの人のためにやったのに」って、結局は自分がそうしたかっただけなのかもしれないですね。

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    2011年11月18日