【感想・ネタバレ】包帯クラブのレビュー

あらすじ

多くの人が日々生きていく中で癒えない傷を抱えている。そんな彼らの心が少しでも軽くなるようにと願いを込めて結成されたあるクラブ。そのクラブを通して感受性豊かなティーンエイジャー達は仲間と共に喜び、哀しみ、傷つき、多くの事を知り、学んでいく……。日常を生きる中で確かに存在する傷にどう対処するか、繊細でありがならも、あたたかく、そして力強く描かれる、希望と再生の物語。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

『大勢の人がつらい想いをしていることを、ニュースや何かでずっと見聞きしてきた。でも、わたしには何もできないんだから、深く考えないようにしてきた。
知ることだけでもよかった、のかもしれない……知っておくということだけでも。』

この文中の言葉が、今ウクライナ侵攻の問題で心を痛める中、何もできずにモヤモヤする自分の心情とリンクした。

今また多くの人に読んでもらう意味があるのではないかと思う。

0
2022年03月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

誰でも、生きている中で「傷ついた」経験を持っていると思います。はたから見れば大したことが無いものであったとしても、本人にとってはとても大きな影響を与えていることもありますし、「他人を思いやっている自分」という立場を自覚したことで自身のおごりに気づいたということもあるかもしれません。

主人公の「ワラ」は女子高生。中学までの友人とは進学する高校がちがったことで少しずつ疎遠になり、両親は離婚し、彼氏とも別れ、「生きている意味」を見失っていました。
ひょんなきっかけから出会った「ディノ」と呼ばれる青年との会話から、「自分が傷ついた場所に包帯を巻いて治療する」とう行動をとることになります。
次第にメンバーも増え、他人の「傷」と自分の「傷」を認め合いながら成長してゆく物語です。

世の中には思い通りにいくことは少ないし、子どものうちではなおさら周囲の力に(善意であれ悪意であれ)振り回されることも多いです。その中で、自分を見つめながら生活することを通して次第に周囲にも目を向けていけるようになる「ワラ」の成長は、これからの生活で悩み、傷つくであろう中学生・高校生を勇気づけることができるのではないかと思います。

0
2018年07月04日

Posted by ブクログ

傷ついた心に寄り添ってまかれる包帯。
てっきり探偵ものかと思っていたのに
心が知らず知らずに温かくなるそんな優しいお話でした。
2時間かかららずに一気読み。
みんなのその後のアウトラインが微妙にぼかされていたり妙に現実味を帯びていたりと
加減がよかったりも。
読後感も爽やかでした。

永遠の仔
の作者さんだったとは。やはり心に斬り込んで来る様が鋭い。

0
2016年11月21日

Posted by ブクログ

色々な意味で完璧な作品ではない。しかし、若者の苦しみ、哀しさ、焦り、自我の危うさが「眼」で見るように感じられた。掬い取られていた。外と心がつながっている感じが。

0
2016年07月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

傷ついた少年少女たちは、戦わないかたちで、自分たちの大切なものを守ることにした…。
いまの社会を生きがたいと感じている若い人たちに語りかける長編小説。

~*~*~*
「巻けます、効きます。人によります」

傷ついたところに 包帯をまく
とてもステキな話だと思った

心的な外傷は、みた目に見えない
どれくらい傷ついているのか 
本人でしか いや本人ですら分からないかもしれない

だから 他者からは理不尽な言葉を投げかけられたり
本人もどうしてよいか分からないものを抱えていたり

大きな心の傷は 話すということすら困難がともなう
話すことで 過去になる」という部分もある


だとしたら 目に見える包帯をまくことで 何かが変わるかもしれない
これはひとつの傷の癒しではないかと思った

*この本に関して「傷を愛せるか」 宮地尚子著にも載っていた

0
2013年08月01日

Posted by ブクログ

分厚くもなく、文字数も多く無いのに、伝えることはぎっしりのこの本。大変感動しました。映画も素晴らし方です。多くの方にお勧めします。人には時間がたっても言えない、癒えない傷があるのですよね。優しく包帯をまいてくれます。

0
2013年02月18日

Posted by ブクログ

自分が過去に負った傷や悲しみを認めてあげようっていうお話。

自分の中で本当は辛かったけど目をつぶってやり過ごしてきて蓄積してきたことを消化していかなきゃいけないんだなって思った。

この本の何が響くかって、不確定な加害者意識にとらわれる準主人公の存在だ。加害妄想に何度も何度もとらわれてしまうぼくはその気持がとってもとってもわかるのだ。全部自分のせいにして、自分が背負って、その代わりに自分を苦しめてしまいたい気持ち。

ある意味で、自意識過剰なのかもしれない。身勝手な気持ちなのかもしれない。客観的に彼をみることで、そんなことも思わされた。

0
2016年03月06日

Posted by ブクログ

気に入った。
他人の痛みに共感しようとする姿勢は、とても心地よく、温かく感じる。
他人の傷、その痛みを完全に理解はできないし、それが何になる?という問いは必ずあるのだけれど、まずは寄り添うことから全てが始まる、そんな気がする。

0
2012年10月17日

Posted by ブクログ

タイトルは前から知っていたが『傷を愛せるか』で触れられていて、興味を引かれて読んだ。人生の中で傷ついた経験をした場所に包帯を巻く活動をする「包帯クラブ」を結成した高校生たちの物語。もう20年近くも前の出版ですが、「傷」や「ケア」への関心が高まる中で改めて読まれるべき作品ですね。傷ついていたこと、そこに傷があることを認めてもらうこと受け止めてもらうこと、たったそれだけのことが持つ意味は時に意外な程大きい、というか人に寄り添うケアの本質はそのたったそれだけのことしかできないということへの認識が重要なのかもしれない。
高校生当時を振り返る報告書、という体で語りが始まり、章と章の間に大人になった現在の登場人物たちからのアフターが断片的に語られつつ、過去と未来の両方から結末に近づいていく構成、小説でも映画でもまぁまぁ良くあるけど、だいたい好き。

0
2025年05月22日

Posted by ブクログ

Look at meを先によんでから、これ読んだ。Look at meはこれなくても十分おもしろい。

0
2022年06月26日

Posted by ブクログ

ワラたちが始めたのは、心の傷が生まれたところに包帯を巻く「包帯クラブ」。傷を傷として認め、そこに誰かが包帯=癒しを与えてくれることで、救われる人もいる。後年、どうやらそれは世界規模の活動に発展しているらしい。

0
2018年12月23日

Posted by ブクログ

前々から読みたいなと思っていた本。最初の感想は「中2病か」。

女子高生の主人公、他人が傷付いた場所に包帯を巻くことでその人の傷を少しでも癒そうと「包帯クラブ」を立ち上げる。新しい友人、中学からの友人。成長と共に変化していく人間関係を描く。

子供らにも読んで欲しいと思う。主人公の熱い思いに共感。なんかこういった「想い」はいくつになっても大切にしたいと思うし、一時的に社会からはじき出されても、この思いがあれば、長い人生楽しく暖かく生きていけると思う。

0
2017年05月03日

Posted by ブクログ

若いころってこんな風に繊細だったかもと、
繊細な友達いたな~、傷ついていた人いたな~
読み進めるうちに昔を思い出したような気分になりました。
この話の面白いところは、クラブ創立の話の途中に現在の近況報告があるところ。
ページが暗いので乱丁かと思いましたよ(笑)
現在の話があるから、痛くなりすぎない話になって良かったです。ほっとしました。
現実ばなれしているけど、こういうクラブがあってもいいかもしれない。
包帯が巻かれている写真をちょっと見てみたいと思

0
2014年10月28日

Posted by ブクログ

どんな小さな傷でも、それは傷ってみとめてあげると楽になるのかもって思いました。

子供達が、ちょっと傷ついたときにも、しっかり見てあげよう。。。
そうしたら、きっと子供達も、誰かの傷の痛みにも敏感になってくれるのかな。。。

『永遠の仔』の重さはなかったけれど、天童さんの魅力を感じることが出来ました。

0
2014年08月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

人が受けた深い傷に、わたしたちができることは、ほとんどないように思う。でも、相手の沈む心を想いながら包帯を巻くことで、<それは傷だと思うよ>と名前をつけ、<その傷は痛いでしょ>と、いたわりを伝えることはできるかもしれない。(本文より抜粋)


ディノが好きだ。
『永遠の仔』の著者が送る、世界の一欠けらの人たちの物語。テーマはシリアス、内容はなかなかにコミカル。
話自体はそう軽くないのだが、文章や登場人物故か、全然重い感じはなくすんなりと話に入り込める。
同じ傷なんて無い、というところに深く共感を覚えた。
シリアスとコメディが半々と言った感じの話で楽しく読める。
人が受ける傷は様々で、その一つ一つが違っていて同じものなど一つも無い。
ヒトの傷に自分たちが出来ることは何か。
読むのに大して時間もかからず、手軽に読める。
大人に、よりは学生に読んで欲しい。

0
2014年02月02日

Posted by ブクログ

発想が素敵だなと思いました。
人は誰しも、何かしらの「傷」を負っていて、
その場所には今でも見えない血が流れているはず。
でもその傷を飾りのように見せびらかしたり、
否定したりするんじゃなくて、誰かに知られて、認めてもらうことで、その傷にははじめて、包帯が巻かれることになる。
傷ついていることを誰かに認められるだけでも、傷付いてる人は、ほんの少しでも救われるんじゃないかなと思います。
読んだ後、包帯買って巻きたくなりました。笑

0
2014年03月28日

Posted by ブクログ

『永遠の仔』を未だ読み終えていない私にとって
初めての天童荒太でした。

映画の方で知って、なんとなく気になっていた一冊。
まさか天童荒太が原作書いていたとは。

かなり若い世代に向けた小説。
一人でも多くの中学生や高校生に、読んでもらい
伝わるよう、シンプルに短く。

「心の内の風景と、外の景色は、つながっている」

「知ることだけでもよかった、のかもしれない」

知らないだけで、残酷な世界っていっぱいある。

0
2015年11月12日

Posted by ブクログ

宮地尚子さんの「傷を愛せるか」で紹介されていたので読んでみた。
高校生が自分達の傷を癒すために始めた「包帯クラブ」の物語。
「心の内と外の景色はつながっている」
なるほどなと思った。
心に負った傷に包帯を巻くことで、傷がそこにあるものとして浮かび上がってくるし、他者の目にも見えるようになる。それを手当てしてもらったという事実がはっきりすることで、心が軽くなるというのは確かにあるかもと思った。
包帯クラブ、カウンセリングと似ているな。

0
2025年01月28日

Posted by ブクログ

"思春期"特有の複雑な感情をまっすぐに描かれていてよかった。ちょっとまっすぐすぎるかなぁと思ったけど。主人公は高校生たちだけど、多分中学生とかにもぴったりくるんじゃないかな

0
2023年08月04日

Posted by ブクログ

心に傷を負った少年少女が、仲間とともに傷つけられた場所に包帯を巻くことで、傷を癒す「包帯クラブ」の物語です。

主人公で、ワラというあだ名の高校生・笑美子が、病院でディノと名乗る少年に出会うところから物語がはじまります。病院の屋上のベンチに包帯を巻いて、「これでええ、血が止まった」というディノのことばによって、ワラはとつぜん風景が変わったように感じます。

ワラは親友のタンシオこと丹沢志緒美や、彼女の知り合いのギノこと柳元紳一らと「包帯クラブ」をつくり、ディノと名乗った少年・井出野辰耶や、進路の違いが原因で仲たがいしてしまった中学時代の親友のリスキとテンポに、「包帯クラブ」の輪を広げていこうとします。

テンポが行方不明になるクライマックスに、ディノが過去に負った心の傷が明らかになる場面がクロス・オーバーするようなストーリー構成をねらったのだと思われますが、どちらもやや盛りあがりが中途半端だと感じてしまいました。十代のころのまだみずみずしかった感性には、本作の内容に揺さぶられるところあったのかもしれないという気がするのですが、もう若くはないということなのでしょうか。

0
2019年06月18日

Posted by ブクログ

高二の笑美子が仲間内で各地の方言を使い合う一体感に始まり、傷付いたことを目に見える形にして手当てをする、傷付いた場所である街中に実際に巻く包帯が、新しい癒しとして想像しただけで染み入る。繊細で力強い。戦争被害に遭う子の気持ちを一億分の一でも感じ取ろうと爆竹を自身に使うディノの自傷が激しすぎてつらい。

0
2018年10月13日

Posted by ブクログ

高校生の男女が、心の傷に包帯を巻くことを考え、悩んでいたりする人たちの傷を受けた場所に行き、包帯を巻いていく。
仲間とのやり取りを見ていて、学生時代の人間関係や人との繋がりの大切さをあらためて感じた気がする。

2018.4.2

0
2018年04月02日

Posted by ブクログ

久々の天童荒太作品。
青春の一ページやねぇと思う作品。
目に見えない心の傷を持っていない人はいないし、その傷を表に出さないひとがほとんどだしね。
ラストにクスリと笑える天童作品は珍しい(笑)

0
2015年04月12日

Posted by ブクログ

所どころに差し込まれるメンバーからの“近況報告”で、みんなの将来が何となく見える。
けど、主人公のワラが何をしているのかは最後までよく分からない。
国連とか難民支援とか、そっち系の仕事っぽいということだけがおぼろげに分かる程度。

映画が結構好きだったので読んだけど、柳楽優弥と石原さとみというキャスティングはかなり秀逸だったと実感。

一人一人の登場人物はそれなりの深みを持ったキャラクターだったので、もう少し掘り下げても良かった気もするけど、このあっさり終わる感じがまた良いのかも。

0
2015年03月19日

Posted by ブクログ

怪我をしたときに活躍するのは包帯です。
私も子供のころ、包帯が好きでした。痛々しい傷も真っ白な包帯で包まれると、痛みもやわらいだ気がします。
「これでもう大丈夫。」なんていう、安心感が生まれ、その落ち着いた感じが良かったのです。

この作品はその包帯が与える良い印象をもとにしていました。
傷つきやすい高校生たちが、心をズタズタにされた場所や嫌な思い出のあるところ、あるいはトラウマになったものに対して、手当をするというかたちで、包帯を巻いて、心を癒していくというストーリーです。なんだかある意味、作者の代表作『悼む人』にも似ているような感じでした。

主人公は、16歳の高校2年生、ワラ。離婚した母と弟の3人家族で、なんの変化もない平凡な学生生活を送っていましたが、あるとき、入院中の他校の男子生徒、ディノと知り合います。そのときたまたま手にしていた包帯を、ワラの思い出したくない場所が見えるところに、目印の布のように巻いてくれました。それを目にしたワラはなんとなく心にジワーとあたたかいものが流れてくるような気がしたのでした。そのことがきっかけで、ワラは友人のタンシオとテンポとリスキで、痛ましい思いをした場所に包帯を巻く「包帯クラブ」を結成したのです・・・。

パッとみ、よくわからない行動ですが、
社会的には何の力もない高校生たちの
「心の傷」をなんとかしてあげようとする気持ち。これが大事なのですね。
自分たちでできる何かをしたい、という気持ちを
読者に伝えられる作品だと思いました。

0
2017年11月09日

Posted by ブクログ

文の書き方が面白いな、と。
文自体は簡潔で読みやすいが、考えさせられることが多かった。
世界の苦しんでいる人を助けられるなんてことは安易に言えないけれど、何も考えずに生きていくというのも違うと思う。そういう葛藤が現れている。
大人になったらそんな葛藤は、解決されているのだと思うが、今はまだ処理に困る問題。私もいつも考えていたことなので、入り込めた。まだ解決できていないが、若い世代に向けた小説なのだろうと感じた。

0
2013年11月06日

Posted by ブクログ

自分が心の傷を負った、と思う場所に包帯を巻く「包帯クラブ」の少年少女の成長を描いた小説。
『永遠の仔』『家族狩り』など大作の多い天童さんの作品の中では、若い人たちに向け書かれたという事だけありとてもライトな文体で、こういう風にも天童さんは書けるんだなあ、とすこし意外な感じでした。

包帯を巻くだけで救われるのか、と思ったのですが、包帯を巻くことで、あなたは立派に傷ついているんだよ、というメッセージになるということを読んで少しだけ納得できました。

人それぞれ様々な理由で傷つきます。よく誰かに話せば楽になるよ、なんて言われますがじゃあ実際に話すのか、となるとやはりそれは別問題。人に簡単に背負ってもらえるほど単純な話じゃないかもしれないし、そもそも傷ついた、なんて概念も人それぞれで、自分にとっては大問題でも他人にとっては大したことではないように思えることもある。だからこそこの「包帯クラブ」のその人の背景を聞かず、ただ包帯を巻くという行為を続けることがいいなあ、と感じるようになりました。

0
2013年01月29日

Posted by ブクログ

 天童さんの作品は、心が元気じゃないと読むのがしんどい・・けど、返却期限が迫っている!ので、恐る恐る読んでみた・・・ら、あっという間に読め
てしまってビックリ。

 やっぱり”生きにくい”と感じている高校生を主人公にした物語。
 ところどころに入る、そんな多感な時期を傷つきながら生き抜いた、成人したであろう高校生たちの報告に、救われたのかも。

 今までの人生をいたく能天気に生きてきた私には、未知の世界で繰り広げられるストーリー展開だったけれど、もしかしたら「包帯を巻いて欲しい傷」も、気付かないフリをして生きてきたのかも。大抵の人はそうして生きているのかな。

  

0
2013年01月22日

Posted by ブクログ

思春期の小説。
色んなものを失うたびに感じる軽い痛み。原因のわからない閉塞感。大人になることに対する恐怖感。何もできないけれど、知ることが大事なんだと信じる気持ち。
そんな思春期の自分の感情を、一つ一つ思い出しながら読み進めた。

同時に、思春期の頃から変わったことなんて、本当は殆どないんだと気づいた。少なくとも私は、傷ついた分だけ強くはなったけれど、やっぱり今も同じ不安や希望を抱えて生きている。
それが、本書の「近況」で表現されることなんだろう。みんな強くなって、不安を抱えたまま笑えるようになっている。

正直、私には、本書自体がすごく良い小説だとは感じられなかった。あだ名も方言も違和感があって、話の腰を折る。
ただ、自分の思春期を思い出す媒介としては非常に有効な一冊だった。

心の奥から喜怒哀楽が引っ張りだされて、息苦しくて懐かしくて悲しくなります。

0
2013年01月06日

Posted by ブクログ

傷ついた場所に包帯を巻くのは、まさに「てあて」な行為。
いたいのいたいのとんでいけ。
それで治るわけじゃないけど、泣き止ませてくれる魔法の行為。
お友だちやお母さんがやってくれたときは本当に痛みがやわらいだのに、話が皆にまわって個人的な行為ではなくなった途端に、医学的じゃないとかなんとか言い始める無粋な大人が出てきて台無しにされてしまう。
そんな程度の、弱くて無意味な優しい行為。

良かったんだけど、ファンタジーとして読む心積もりができていなかったので、なじむまでに時間がかかった。慣れた頃には読み終わってしまった。

「若い」言葉やあだなのつけ方(それ以前にあだなをつけるという発想)やファッションの使い方がどうにもイヤイヤイヤどうなのそれはという違和感ありありで、現代日本の高校生だと思うとダメだ。ねーわ。すごく読みにくい。パラレル日本のファンタジーだと思えばなんとか。

で、教師からのセクハラ・性犯罪は傷だけど同年代からのセクハラは傷じゃないですと?「小さな傷」の小ささと傷つき方は良かったのに。

ていうかなんだこの画像。私が読んだのは映画版じゃなかった。
この表紙なら手に取らなかっただろうな。

0
2014年08月17日

「小説」ランキング