天童荒太のレビュー一覧

  • 遭難者の夢―家族狩り 第二部―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    登場人物も暗いのに、さらに重い問題を抱えてることが判明。
    寝たきりの親とか同情ゆえの不倫とか・・・捨てるに捨てきれんだろ。
    なんか自分のキャパ以上に抱え込んじゃってる感じ。バカじゃねーの!

    0
    2011年11月16日
  • 悼む人 上

    Posted by ブクログ

    未だに思い出したように余震が続く東日本大震災。
    一瞬の出来事が多くの人々の生死を分け、15,000余の方々が亡くなり、9,000弱の行方不明者が残る。
    遺体があがらない、見つかっても判別がつかない、多くの人がこのような死の形に向き合わなければならない事態は戦後の平和な時代には絶えて無かったものと思われる。
    全国を放浪し死者を〈悼む〉旅を続ける坂築静人。彼ならこれにどう向き合うのか。
    彼の行為をどう捉えたら良いのか、薄気味悪い、得体の知れない、意味分かんない…、もどかしさとも悩ましさともつかない思いを持ちつつ、しかし、蒔野や倖世と同じく放っておけずに読み進め次第次第にその世界に入り込む。
    『亡く

    0
    2023年03月23日
  • 包帯クラブ

    Posted by ブクログ

    傷ついた場所に包帯を巻くのは、まさに「てあて」な行為。
    いたいのいたいのとんでいけ。
    それで治るわけじゃないけど、泣き止ませてくれる魔法の行為。
    お友だちやお母さんがやってくれたときは本当に痛みがやわらいだのに、話が皆にまわって個人的な行為ではなくなった途端に、医学的じゃないとかなんとか言い始める無粋な大人が出てきて台無しにされてしまう。
    そんな程度の、弱くて無意味な優しい行為。

    良かったんだけど、ファンタジーとして読む心積もりができていなかったので、なじむまでに時間がかかった。慣れた頃には読み終わってしまった。

    「若い」言葉やあだなのつけ方(それ以前にあだなをつけるという発想)やファッシ

    0
    2014年08月17日
  • 幻世の祈り―家族狩り 第一部―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    家族とは何か。
    幸福な家族、成功した家族、失敗した家族、普通の家族。
    普通の家族ってどんなものだろう。
    理想の家族ってあるんだろうか。

    虐待を受ける子ども、非行傾向の子ども、被害を受ける子ども、その家族、支援する児童相談センター心理職、自らの家庭も壊れてしまった警察官、家族は持ちたくない高校教師。

    できるだけ見たくない世界だ。
    けど、見ないわけにはいかない世界。
    私もその世界にいる。

    家族、って、近いだけ難しいと思う。
    周りからみえるほど単純じゃないし、入り組んで複雑だと思う。
    そこに、乗り込んでいかないといけない。
    すごい決意がいるし、中途半端な気持ちでは関われない。
    私には、まだ決意

    0
    2014年06月22日