詠坂雄二のレビュー一覧
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ネタバレ私立吏塚高校の屋上で葉群という男性生徒の遺体が見つかる。遺体には墜落死の痕跡があり、犯人が屋上から落とした後で再度持ち上げたという疑惑が出るか・・・。最も疑わしい校舎に残っていた人物から無罪証明を依頼される「吏塚の名探偵」。喉を煙で焼きながらハードボイルド風の意妙な学園ミステリ開演。
後に遠海事件を書く詠坂雄二のデビュー作。事件としては死体が持ち上げられた以外は平凡、殺されてもおかしくない学生が屋上から突き落とされた。打って変わってあまりに異質すぎる登場人物達、煙草で喉を焼く「吏塚の名探偵」、「情報屋」、愛と体を切り売りする「売春生徒」、等身大の青春から大きく離れたリアリティの薄い設定にな -
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ネタバレ有能な書店員として過ごしてきた彼の裏の顔は86人もの人間を殺したシリアルキラーだった。 証拠も遺体も完璧に処理し、警察に事件とすら認識させない彼の仕事の中で、唯一異端とも言える事件が「遠海事件」。 遺体の首を切って持ち去るという謎の行動、殺人鬼佐藤誠はなぜ首を切断したのか? 直球なワイダニットがここに。
ここまでワイダニットに凝った作品は珍しい、どうしてもハウやフーに比べると謎の大きさという点で劣りがちだが本作は申し分ない出来である。
佐藤誠、本事件を解くには彼を知る必要があった。 平凡な名前を活かした後付けのアリバイは面白いと思いましたし(実際は行っていないが)、首切りの真相は恩師の名誉 -
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ネタバレ○ 一言感想
○ レビュー
主に,「Press Start」(通称プレスタ)というゲーム雑誌で記事を書いている柵馬朋康という人物が主人公という短編集。一応,ミステリではあるが,ミステリ要素は少なく,ゲーム業界やゲームについてのうんちくが豊富に描かれている。
小学校の頃にファミコンが登場し,まさにゲームとゲーム雑誌に囲まれて成長してきたので,この作品はまさにどストライク。確かに,ひと昔前にはプレスタのような雑誌が結構あった。ゲーム雑誌やゲーム雑誌のバカ記事が減ってしまったのは悲しい限り。
舞台は平成16年頃。ネットが普及して巷にはテキストが溢れ,ライターの仕事が減りだした頃。登場人物は, -
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ネタバレ〇 概要
86件の殺人を自供した殺人鬼,「佐藤誠」。その犯罪は,いつも完璧に計画的で,死体を含めた証拠隠滅は徹底されていた。しかし,遺体を残しただけでなく,遺体の首を切断した事件があった。どうして,彼は遺体を残しただけでなく,その首を切断したのか。伝説的な殺人鬼である佐藤誠の実像に緻密に迫る異色のミステリ
〇 総合評価 ★★★★☆
まず,本の構成,プロットが秀逸。86人もの殺人を自白した伝説の殺人鬼「佐藤誠」について,小説パートを交えた犯罪ルポを描いているという構成となっている。この犯罪ルポの作者が,作中で佐藤誠に憧れ,最後に獄中結婚をして面会を果たす水谷(佐藤)育であるという事実が,最 -
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ネタバレこの人の作品は本当に個性的というかなんというか。ありきたりなストーリーでもありきたりに見せない、構成や描写の妙ですなぁ。
そして魅力的なのは、探偵、月島凪。学生時代から日本人作家のいわゆる本格ミステリモノを好んで読んできて、館シリーズの島田潔(鹿谷門実)、百鬼夜行シリーズの中禅寺秋彦(いや、榎木津礼二郎かな)、学生アリスシリーズの江神二郎などなど魅力的な探偵にたくさん出会ったけども、この月島凪という、周りの登場人物から語られるモノローグやエピソードだけで形成され、本人が表舞台には出てこないというキャラクターの特異性がなかなかにニクイ。なにせ推理する過程が描写されないけどとにかく凄い人っぽいって