詠坂雄二のレビュー一覧

  • 亡霊ふたり

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    名探偵(志望)の女子高生と、ストイックでボクシング部所属の男子高生の、一見すると探偵バディ小説。だけど探偵は謎を求めて迷走し、バディは実は探偵の殺害を目論んでいる。そんな緊張感をはらんだ作品です。
    ちなみに本作は詠坂作品のいろいろな要素が出てきます。過去作は読んでおいたほうがいい。最低でも遠海事件は読んでおいたほうが楽しめると思います。

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    2024年04月16日
  • 君待秋ラは透きとおる

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    体裁としては異能バトルもの。ただ中二病的に異能をぶつけ合うようなお話ではなく、かなり理屈っぽく、ちゃんとミステリーとしても成立している。他の詠坂作品に登場する地名とかも出てきたりして、ニヤリとするところもある。

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    2024年02月01日
  • 電氣人間の虞

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    ネタバレ

     『5A73』がそれなりに反響があったのか、詠坂雄二さんの過去作品が重版され、煽りの帯が付いていた。その中から、年末ランキングで見かけた記憶がある本作を手に取ることにした。過大な期待はせずに読み始める。

     過去ランキングを確認してみると、2010年版『本格ミステリ・ベスト10』第13位、2010年版『このミステリーがすごい!』第20位。微妙な順位である。読み終えてみると、まあそのくらいの順位かなあと妙に納得してしまった。

     一部地域で根強く語られているという「電気人間」の都市伝説。語ると現れ、真相に近付く者は死んでいく。事件性なしと判断された3人の死に、電気人間が関わっているのでは? ライ

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    2023年11月18日
  • 君待秋ラは透きとおる

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    やっぱ詠坂作品は面白い。
    異能力バトルと聞いて思い浮かべた内容と本作では、だいぶ印象が違う。
    特に異能力を物理的かつ科学的に説明する場面が興味深い。
    それに透明化の異能を持つ君待、日本特別技能振興会に所属する麻楠や土倉などの登場人物が魅力的なのも良い。
    もちろんミステリーとしての面白さもある。
    これはぜひ映像で見てみたいなあ。

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    2023年10月07日
  • 遠海事件~佐藤誠はなぜ首を切断したのか?~

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    この何とも言えない読後感が良い。
    たった一人の凡庸な男にどうして惹かれてしまうのか。
    結局のところ“佐藤誠”とはどんな人間だったのだろうか。
    提示された答えを信じればいいのに読者を納得させるために用意された最適解なのでは?と、つい邪推してしまう。
    詠坂さんの作品にハマりそう、というかもうハマってる気がする。

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    2023年09月25日
  • 電氣人間の虞

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    個人的には好きな部類の内容でした。
    人によっては壁本なのでは?笑

    ただ物語のトリックがわかった時には鳥肌が立ちました。
    最後の一文には失笑しました笑

    解説がとても良きです。

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    2023年06月01日
  • 電氣人間の虞

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    ネタバレ

    語ると現れ、人の思考を読み、電気で人を殺す電気人間。 真相を追う者は次々と死んでいく。
    誰かの流した都市伝説なのか、それとも実在する殺人鬼なのか・・・。  あなたは電気人間を信じてる?

    ホラーかミステリーか。 真実はあるのか無いのか。 物語の出口が見えないまま突然の終局へ、フェアとかアンフェアとかどうでもいい人ならたまらない作品だと思う。
    全てが明かされることで物語は「電気人間」が主人公のストーリーに様変わりし、タイトルの虞というのが、「電気人間」が語る人を失い消滅することを恐れていることに繋がることが素晴らしい。

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    2023年03月02日
  • リロ・グラ・シスタ~the little glass sister~

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    ネタバレ

    私立吏塚高校の屋上で葉群という男性生徒の遺体が見つかる。遺体には墜落死の痕跡があり、犯人が屋上から落とした後で再度持ち上げたという疑惑が出るか・・・。最も疑わしい校舎に残っていた人物から無罪証明を依頼される「吏塚の名探偵」。喉を煙で焼きながらハードボイルド風の意妙な学園ミステリ開演。

     後に遠海事件を書く詠坂雄二のデビュー作。事件としては死体が持ち上げられた以外は平凡、殺されてもおかしくない学生が屋上から突き落とされた。打って変わってあまりに異質すぎる登場人物達、煙草で喉を焼く「吏塚の名探偵」、「情報屋」、愛と体を切り売りする「売春生徒」、等身大の青春から大きく離れたリアリティの薄い設定にな

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    2023年03月01日
  • 遠海事件~佐藤誠はなぜ首を切断したのか?~

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    ネタバレ

    有能な書店員として過ごしてきた彼の裏の顔は86人もの人間を殺したシリアルキラーだった。 証拠も遺体も完璧に処理し、警察に事件とすら認識させない彼の仕事の中で、唯一異端とも言える事件が「遠海事件」。 遺体の首を切って持ち去るという謎の行動、殺人鬼佐藤誠はなぜ首を切断したのか? 直球なワイダニットがここに。

     ここまでワイダニットに凝った作品は珍しい、どうしてもハウやフーに比べると謎の大きさという点で劣りがちだが本作は申し分ない出来である。
    佐藤誠、本事件を解くには彼を知る必要があった。 平凡な名前を活かした後付けのアリバイは面白いと思いましたし(実際は行っていないが)、首切りの真相は恩師の名誉

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    2023年03月01日
  • シークレット~綾辻行人ミステリ対談集in京都~

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    デビューのきっかけやデビュー直後に縁のある作家との対談なので、綾辻行人が謂わば道標となる存在であることが強調される。
    綾辻行人自身が対談を楽しんで相手の作品を褒めるので読みたくなります。ミステリは継がれていくものだと実感する。

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    2023年02月12日
  • 遠海事件~佐藤誠はなぜ首を切断したのか?~

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    ネタバレ

    ありふれた名前を利用した場当たり的アリバイトリックも面白いし、「案ずることなく死なせてあげるために子供を殺してあげた」というダミーの真相もかなり驚いたが、「殺しに見せかけるだの首切り」という発想にはさらに驚いた。
    佐藤誠は何百人もの人間を殺している。それ自体がミスディレクションとなり、読者に歪んだ先入観を植えつける。
    詠坂雄二さんは処女作があまり合わなかったのだが、これはかなり面白かった。

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    2022年04月29日
  • T島事件~絶海の孤島でなぜ六人は死亡したのか?~

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    ひねくれた作品の多い詠坂雄二ですが、これはその中でもかなりひねくれてる作品だと思う。正直この作品はこれ1冊だけでは理解できないかもしれない。過去の詠坂作品も読んで、少なくとも月島凪の登場作品を何冊か読んでからでないと、面白みを感じられないと思う。

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    2021年04月07日
  • 人ノ町(新潮文庫nex)

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    ミステリーと銘打たれてはいますが、終末世界を旅するという点ではSF的な要素も強いです。表紙がつくみずなので、つくみずの描く終末世界のイメージにも少し引っ張られますね。
    作中の時系列が分からないけど、旅人は一人じゃない?

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    2021年02月07日
  • シークレット~綾辻行人ミステリ対談集in京都~

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    ホスト役・綾辻行人さんの人望の厚さが窺い知れる、まさに十人十色の対談集。過去の雑誌連載をまとめたものだが、最後のボーナストラックは最新の“語り下ろし”。その相手、熱烈綾辻ファンを公言する辻村深月さんとのやり取りがとても和んだ。

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    2021年01月16日
  • T島事件~絶海の孤島でなぜ六人は死亡したのか?~

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    ネタバレ

    残されたテープからとんでもない事件の真相が暴かれる式を期待してると肩すかしを食う。一応もっとも不自然なディレクターの死の謎だけは解かれるけど、正直驚きはない。それより周囲の人の思惑の方が明らかになるほうがメインか。もっとも、これもまあ想定内。
     最後は物語の枠までが浸食され、作者(詠坂雄二をなのる作中人物)までが引っ張り出されて、想像の斜め上みたいなオチが付く。ひよっとしたら、作者にからかわれてるのかも知れない。

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    2020年08月09日
  • 遠海事件~佐藤誠はなぜ首を切断したのか?~

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    タイトルだけ見た時は、実話だと思っていた。
    でも、本文もまるで実話であるかのように書かれていて、今まで読んだことがないタイプだったなぁ

    さすがにスッキリー!という終わりではないものの、なぜかオシャレなミステリーという印象。

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    2020年07月25日
  • 人ノ町(新潮文庫nex)

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    面白かったです。
    文明が滅んだ後の世界を巡る旅人。彼女の正体と旅の理由、そして町の過酷さ。
    ストランドビーストらしきものや、スマホらしきものが出てくるので未来の話だと思われるけど、滅びる前の世界の様子やその技術、滅んだ理由なども全て記録に残っていないので、何が起こったのか…人間に由来するものなら同じ轍を踏まないように歴史を遺すのに、それすらされていない、というのは何だろう。。
    この世界の大罪が「建国」というのも。。
    でも希望のある、少なくとも旅人の彼女にとっては希望のある終わりで良かったです。

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    2020年04月25日
  • インサート・コイン(ズ)

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    ネタバレ

    ○ 一言感想

    ○ レビュー
     主に,「Press Start」(通称プレスタ)というゲーム雑誌で記事を書いている柵馬朋康という人物が主人公という短編集。一応,ミステリではあるが,ミステリ要素は少なく,ゲーム業界やゲームについてのうんちくが豊富に描かれている。
     小学校の頃にファミコンが登場し,まさにゲームとゲーム雑誌に囲まれて成長してきたので,この作品はまさにどストライク。確かに,ひと昔前にはプレスタのような雑誌が結構あった。ゲーム雑誌やゲーム雑誌のバカ記事が減ってしまったのは悲しい限り。
     舞台は平成16年頃。ネットが普及して巷にはテキストが溢れ,ライターの仕事が減りだした頃。登場人物は,

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    2020年02月18日
  • 人ノ町(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    少し表紙のイメージに騙された感はある。
    主人公である旅人も基本的に無感情無表情のようなキャラクターで、「旅人になって色々な世界を、色々な町を旅するんだ」というワクワクとドキドキの好奇心はあまりない。
    物語が淡々と進んで淡々とそれぞれの町の生活が送られているのを眺めているイメージ。
    世界観には合ってるのかもしれない。
    こういう世界観好きです。

    キャラクターや町の名前など固有名詞が出てこない上に短編として独立してるので、いつなのか、どこなのか、「だれなのか」は読者にお任せなのかな、と思う。
    私としては全員別人を推したい。

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    2019年09月26日
  • 電氣人間の虞

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    電氣人間の虞。
    タイトル的に昭和の古い小説かと思えば、そんなことは無かった。
    続きが気になってグイグイ引き込まれました。

    ミステリとして、納得するかどうかは置いといて、フェアっちゃフェアだなーと。個人的には全然あり!

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    2019年02月18日