詠坂雄二のレビュー一覧
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「電気人間って知ってる?」一部の地域で根強く語られている奇怪な都市伝説。真相に近付く者は次々に死んでいく。語ると現れ、人の思考を読むという電気人間は存在する!? ライターの柵馬朋康もまた謎の解明に乗り出すが、複数の仮説を拒絶する怪異は、彼を出口の見えない困惑の迷宮に誘う――。ミステリか、ホラーか。ジャンルの枠を軽妙に超越する鮮烈の問題作!
遠海事件の時にも感じたのだが、この作者はミステリ通な人たちには、受け入れられる要素が多い作風だと思う。
電気人間という都市伝説に関わった人間が、不自然な死を遂げていき、物語の方向性(ホラーなのか?ミステリなのか?)がわからないままに、徐々に本格ミステリと -
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ノンフィクションのような、ドキュメンタリー犯罪小説。86件以上もの完全犯罪を自白した佐藤誠。そのうちの2件。どうして遺体を残し、首を切断したのか?
佐藤誠の経歴、人物像をコラム形式という特殊な方法で紹介し、秀逸な構成でサクサクと、読み進める。
真相については一部分に関しては、想像しやすいきらいがあるが、とてつもなく大掛かりなミスディレクションと、ひれくれた構造が大きな衝撃をあたえる。
さらに今までに体感したことのないサプライズを、最後の一行、巻末資料、さらにその後(ここで大爆笑)意表をついて読者にもたらす。
なんとも感慨深い気持ちになる(ある意味…)作品であり、本ミスファンでもこのよう -
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小野不由美氏推薦!
「物語も仕掛けも世界観も。
詠坂雄二は最高にcoolだ」
詠坂雄二・連続刊行第3弾!
八十件以上の完璧な殺人を犯した男、佐藤誠。
ただ一つの例外を除いては……。
副題になっている、佐藤誠。
彼は八十件以上の殺人を自供し、死刑執行された。
彼の人物像は――、一般論で言えば「とんでもないヤツ」なのだろう。
その犯罪はいつも完璧に計画的。殺人から死体を処理する証拠隠滅まで、徹頭徹尾にわたって。
本書はただ一つの例外、所謂「遠海事件」を扱った“犯罪実録”風の小説なのである。
そしてなぜこの事件が例外的に語られるのか。それは、
「佐藤誠はなぜ首を切断したのか?」
というハウダ -
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ネタバレ綾辻行人氏推薦!
「本当に大好きなのです、この作品。
一人でも多くの人に読んでほしい。読んで、
喜ぶなり怒るなりしてほしい。そして――
一緒にぜひ、詠坂雄二を語りましょう」
詠坂雄二・連続刊行第3弾!
“電気人間って知ってる?”
奇怪な都市伝説を軸に連続する不審死。その真相とは!?
語ると現れる。
人の思考を読む。
導体を流れ抜ける。
旧軍により作られる。
電気で綺麗に人を殺す。
作中であまりにも繰り返されているのに単行本時では気づけなかった。
今回、視点に注意するという意味では韮澤少年が出てくるところは特に注意した描写がなされているように思われる。なぜなら、彼だけが……。
そし