詠坂雄二のレビュー一覧

  • 人ノ町(新潮文庫nex)

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    前半では思ってたより衰退してないなというのがひとつ。
    そして途中で主人公が、というのであれ?となったが続いてみればなるほど、察することもでき、今までのそれぞれの町の話の言動も納得である。SFの崩壊後の世界を旅して、その世界での不思議な町を巡り事件に巻き込まれたり首を突っ込んだりする感じ。なかなか好きなやつでした。

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    2019年09月27日
  • 人ノ町(新潮文庫nex)

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    短編集。つくみずさんのイラストも相まって、一人少女終末旅行と言った感じ。何かしらの理由により廃退した世界。記録が一切ないのに、人の形成する技術の欠片と町は残っているのが少し気になるけれど…破滅は共同体のアポトーシスのようなものだろうか。 各話にはそれぞれ変わった町が出てきて、旅人はそこで人々の営みを見る。旅人の性格もあり淡々と進むが、会話の中にははっと気づかされることもあり楽しい。 石ノ町では旅人が旧時代からの不老者であると判明、それで日ノ町で遺物の融合炉を知ってたのね…

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    2022年01月16日
  • 電氣人間の虞

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    幻想?怪奇?ミステリー?
    納得いく解答をつけることで、かえって曖昧というか、含みをもたせられない。続いてるのか?この作品?!
    …解説読んで納得。叙述ミステリのくくりだったのか…。とすると、あるワードで書かれているので、フェア…ですね。

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    2018年09月01日
  • 電氣人間の虞

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    手の込んだ悪ふざけと評せばよいのだろうか。光文社にはミステリーの老舗的イメージがあるので、こういう【ザ・メフィスト賞】な作品も許容範囲とは新鮮な驚き。その謎に迫る者を死に至らしめる【電気人間】という都市伝説が題材。怪異を観念的に噛み砕く辺りは城平京「虚構推理」にも通ずる世界観で、ミステリーとホラー、どちらに転ぶのか見所だったが、見事にどっちつかず。コメディ全開な中盤の掛け合いに良い意味で拍子抜けしたおかげで最後まで楽しめたが、ラストの二行は流石になあ…。そして、こういうトリッキーな作風は一作品で満腹だ…。

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    2018年06月20日
  • ナウ・ローディング

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    詠坂雄二『ナウ・ローディング』光文社文庫。

    『インサート・コイン(ズ)』の続編。前作同様、柵馬朋康を主人公にしたゲームオタクが喜びそうな連作青春ミステリー短編集。表題作の『ナウ・ローディング』だけは『遠海事件』などにも登場した佐藤誠に触れている点で異質だった。

    『もう1ターンだけ』『悟りの書をめくっても』『本作の登場人物はすべて』『すれちがう』『ナウ・ローディング』の5編を収録。

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    2017年04月26日
  • リロ・グラ・シスタ~the little glass sister~

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    ネタバレ

    〇 概要
     私立吏塚高校の屋上で葉群という男子生徒の屍体が見つかる。容疑者である観鞍という生徒から葉群の死に関わっていないことを証明してほしいという依頼を受け,吏塚高校の「名探偵」が捜査を開始する。「名探偵」の捜査はハードボイルド風の文体で描かれ,いくつかの死体が登場する。そして,「名探偵」は依頼者である観鞍に推理を語る。最後に示されるその推理の裏にある真相とは…?幾多の趣向が凝らされたミステリらしいミステリ

    〇 総合評価 ★★★☆☆
     女性を男性と誤認させる叙述トリックとしてハードボイルド調の文体を利用するというプロット,探偵役が犯人というプロット,死体を屋上に移動させるための大掛かりな物

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    2016年12月25日
  • リロ・グラ・シスタ~the little glass sister~

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    ネタバレ

    屋上に現れた墜落死体と"探偵"の主人公のもとに持ち込まれる無実証明の依頼。
    ハードボイルドな言動の主人公や自分の役割にやたら自覚的な登場人物たちの言動が苦手だけれど物語の流れに釘付けにされた。
    しかし大ネタはすぐ勘づいてしまって残念。使い方がとても好みだっただけに。

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    2016年10月02日
  • 電氣人間の虞

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    ネタバレ

     一部の地域で根強く語られている都市伝説「電気人間」について描かれたミステリ。
    語ると現れる。
    人の思考を読む。
    導体を流れ抜ける。
    旧軍により作られる。
    電気で綺麗に人を殺す。
    とされている電気人間。電気人間についての論文を書こうとした女子大生,赤鳥美春が死に,その死の真相を調査していた日積享,赤鳥美春が調査の際に話を聞いた,小学校の元用務員の竹峰英作という老人が死ぬ。三人の死は心不全とされたが,これほどの短期間に電気人間に関わった人間が死ぬものか?
     フリーライターの柵馬朋康が,ビデオゲーム誌プレスタの特集,実在ダンジョン特集で,電気人間に関係する記事を書くことになる。柵馬は,フリーライタ

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    2016年08月04日
  • リロ・グラ・シスタ~the little glass sister~

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    先に「ドゥルシネーアの休日」を読んでしまって、似た雰囲気の登場人物が印象に残ってたのがちょっと失敗。やっぱり順番は守らないと、自分。
    それはそれとして。会話を含む独特の言葉使いと雰囲気に引き込まれます。
    情報屋、切ないっ。

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    2016年04月12日
  • リロ・グラ・シスタ~the little glass sister~

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    ネタバレ

    3.5★全篇に於いてオチは全部優しく透明化してたと思うんだが、ラストの”最後まで『その可能性』に気づかなかった”という感慨は面白くてつぷった。唯一のドッキリはあの人の死かな‥遠海事件を振り返すと、詠坂が刑務所に例の台詞の微妙さも釈然するわけだ… そして、テーマの表現力もイマイチでな

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    2015年07月16日
  • そっと、抱きよせて 競作集 <怪談実話系>

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    あんまり入り込めなかった。
    この写真のとは違うけど、本の表紙のイラストがハンパなくかわいい!!
    女の子が金魚鉢の金魚をにゃんこにあげているイラスト。町田尚子さん作。

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    2015年07月14日
  • リロ・グラ・シスタ~the little glass sister~

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    学園/ミステリー/ハードボイルド
    気軽に読める学園ミステリーかと思っていたら…。
    どこかいびつでわかりづらい。
    誰もが怪しく、謎も多い。
    屋上で発見された墜落死体という魅力的な謎も、淡々と流された印象。
    うまく表現できないが、不思議な魅力があるのは確か。

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    2015年04月09日
  • 電氣人間の虞

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    評価が難しい…
    ミステリのセンスはかなりのものだと思います。
    しかし、これをミステリかと問われれば「ううん…」と唸ってしまう。
    ルールに則り、仕掛けを成立させた点は素晴らしい。でも現実的解釈の部分が少しお粗末ではないでしょうか?
    どうしても本作と似たような体裁をとった殊能将之の某作と比較してしまうのです。
    あれは反則技を使いながらも、驚くほどロジカルにまとめて見せた良作ですが、こちらは仕掛けに気を置きすぎるあまりミステリの醍醐味である「推理」が全く楽しめませんでした。
    それでも驚いたのは事実なので☆3かな。

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    2015年02月10日
  • そっと、抱きよせて 競作集 <怪談実話系>

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    色々な作家さんの実話系。

    実話『系』なのは、本当なのか違うのか…。
    香月さんの話は、これによってあの話ができた? と
    ものすごく分かりましたが。
    実話…実話だったら恐ろしいですが
    現実は小説や漫画よりも恐ろしい…。
    1月に死ぬと7人連れて行く、は言い伝えだと思ったら
    結構最近の話だったのにびっくりです。

    目的だった辻村さんは、占い師。
    不確かな言い方をしたりして、当てはまる事を
    占われる人間自身に探させる。
    とはいえ、本当にそう言われてしまったら
    驚きを通り越してぞっとします。

    それ以外の話は特に…というよりも
    お話のような感じで、実話っぽくなかったです。
    漫画はすごく分かりやすかったで

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    2014年10月06日
  • そっと、抱きよせて 競作集 <怪談実話系>

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    藤野さんの過去初めて知った。皮膚疾患は辛い…内臓からくるのか。
    朱野さんの話が一番怖かった。子供を産むってやっぱり生命を受け渡すってことか。

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    2014年09月28日
  • そっと、抱きよせて 競作集 <怪談実話系>

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    この前のずっとそばにいるの第二弾。一弾目の方が面白かったかな。中では猫と七代目が面白かった。それと、愛しい呪いも猫の話で、考えさせられる話で心に残った。

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    2014年09月09日
  • リロ・グラ・シスタ~the little glass sister~

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    もう一度読まないと分からない感じ。あまり好みには合わなかったかな。動機が良く分からなかった。感想を書くのが難しい本。

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    2014年03月06日
  • リロ・グラ・シスタ~the little glass sister~

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    ネタバレ

    詠坂雄二 3作連続刊行 第1弾!
    吏塚高校の名探偵への困難な依頼――。衝撃のデビュー作!!

    この才気煥発たる作家がミステリを選んでくれたことに感謝する。――有栖川有栖

    私立高校を舞台にした青春ミステリ、でありながら、
    謎の、ハードボイルドとのハイブリッド。
    キャラは立ちすぎてて、現実とは微妙に切り離されてもいる。
    読みにくいし物語にも入り込めなかった。
    けれど変な違和を残しつつ読み進めていたので、最後の展開には唸らされた。

    ミステリ :☆☆☆
    ストーリー:☆☆☆
    人物 :☆☆
    文章 :☆☆☆

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    2013年12月31日
  • 遠海事件~佐藤誠はなぜ首を切断したのか?~

    匿名

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    うーーーん

    読み終えて、これって何か前作のスピンオフ作品?と思ってしまった。それ位、初めて読んだだけでは分からない存在や言葉があって意味不明な箇所が。アイロニックボマーとか、名探偵月島凪?とか、何これ状態。
    ラストのどんでん返し?に期待してたけど、それも良く分からず。作者と作中人物との共著というネタが驚きなのかな??
    全体的に消化不良でした。そもそも殺人鬼の背景が全く分からずで、巻末の広告タイトルが本編かと勘違いして探してしまったことだけが騙されたので、そこに★つけましたが、後は何だこれ??な作品でした。
    この作者さんクセが強そう。。。

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    2024年05月16日
  • 人ノ町(新潮文庫nex)

    購入済み

    物語よりもエッセイ風味

    荒廃後の世界を旅する者から見た各街の異常さと、そこから見える人間のおかしさを描くと書くと大分ポピュラーなジャンルだ。

    しかし、今作にはテーマととなる現象や概念と人類文明との重なりについて語る場面が多く、その考察が物語の動きを大分止めているように感じた。そこからサスペンスやパニックのような展開を広げるのではなく、淡々とギミックとして語っていく。
    旅人も一貫性がなく、各短編や世界観としての繋がりもあまりない。これに関してはSFギミックとして機能しているようだが、それがエンタメ的な面白さに繋がっているとは感じなかった。

    エンタメとして合わなかったが、考察の内容(家畜と始まり、太陽信仰な

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    2020年06月17日