濱嘉之のレビュー一覧
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共同通信社政治部次長・柿崎明二の解説によると、著者は警視庁公安部公安総務課の警察官で、オウム真理教事件のときには、その最前線にいたという。幅広い人脈と、思考力、分析力の持ち主で、柿崎氏が説明を乞いに行くと、これから「起こるであろう事件」の構図の説明にまで話が及び、それが数ヵ月後、数年後には実際の事件として表面化してきたという。そういう著者が書いた小説の主人公、黒田純一、その豪胆さと緻密さ、公平さ、能力の高さ、部下からの慕われ具合、どれをとってもなかなか魅力的な警察官に描いている。ただ、本作では、黒田自身が40代前後の独身男性の本音を匂わせるのも一興。
実際に警察の仕事をしていた著者ならではの作品になっていて、人間を掘り下げて描く警察小説、サスペンスとは趣が違う。
対中国、対世界各国との情報漏洩を巡る攻防が面白い。 -
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情報官のエースとなった黒田純一の警察社会スタートは
巡査で実務の後、着々と昇任試験に合格するノンキャリアエリート
公安に配属された頃には情報マンとしての才覚を発揮していく
この時、黒田の情報マンとしての腕を勝っていたのが
のちに警視総監となる北村と警察庁長官となる西村
二人は同級生で共に自分達がトップに就くまでに
世界に負けない情報収集室を警察内部に新設することを掲げる
新設ポストができるまでは黒田の警察内での足跡と情報マンとしての
活動が描かれている
北村が副総監になるといよいよ下準備が始まる
新設ポストは総務部企画課情報準備室という名の下
黒田を筆頭に人選からチーム作りを始める
その間に北村は大阪府警本部長、警察庁警備局長、
官房長と栄転を続け警視総監と着任する
情報室は北村警視総監直轄のセクションとなる。
作中の大半が新設ポストの設立過程となり
最終章になってやっと黒田に持ち込まれた怪文書の調査に
乗り出すことで小説らしくなってきます。
国会議員がからんだリアルな告発は
原子力発電所建設にともなう用地の買収、工事、道路拡張
地元代議士は大手ゼネコン経由で暴力団と通じ
地元業者への工事丸投げに裏談合、貿易船にも関わり覚せい剤や
麻薬の密輸ルートを作り上げているというもの
黒田達が概ねの概要を掴み刑事課、公安、相対、捜査二課など
捜査態勢を整えていくが着手順位や地検との折り合いなどが
問題になってくる
さぁ〜証拠が揃った一網打尽というわけにはいかない
ところがおもしろかった。
この捜査の結果、現職議員のの逮捕から始まり大勢の逮捕者が出
政権交代という末路をたどる
この情報室を作り上げた北村総監は任期を終え退官するが
情報室は新政権から危険な集団というレッテルが貼られ
公安総務課に吸収される、黒田達もほとぼりが冷めるまで
という暗黙の了解の元外に出されていく
最前線のトップで仕事をしていた黒田が小笠原警察署長として
赴任しているのは組織人のしての悲哀を感じてしまう。
題名から察するにあたり公安物だろうと分かっていたにも
関わらず組織図が本当にややこしくてくじけそうになった。
部署が簡略されていたりすると巻末の組織図を
見て確認しなければならなかった
また、私達がよく耳にする警察の役職はいいのだが
それ以外の役職名になるとどっちの人が偉いのかが
とたんに分からなくなってしまう。
ただ、公安とは何か、警察内のエリート社会がどういうものなのかを
知るにはいい本だと思います。 -
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警視庁公安部・青山望シリーズ、3作目。
さすが元警察官の著者なだけあって、裏社会の現況がリアルに詳細に描かれている。恐らく、個人名やら団体名やらは異なれど、かなり現実に近いところを突いてるんじゃなかろうか。この本を読めば、そういった裏の世界を大筋のことは把握できる、という教科書本的な感じ。その分、文章が説明的で、ストーリー的には楽しみ辛い。出てくる人物もやたらに多く、人物把握がなかなかに困難。カルテット以外は、公安の佃巡査部長くらいしか覚えられなかった。最後、変に中途半端に終わったなぁと思っていたら、次作がこれの続編にあたるようだ。忘れないうちに読まないと。 -
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ネタバレ○元警視庁警察官で、議員秘書、コンサルタント等で活躍する濱嘉之氏の著作。
○「警視庁公安部・青山望」シリーズの4作目。本作は、前作(シリーズ3作目の「報復連鎖(文春文庫)」)の事件や出来事を受けての事後談を展開したものとなっている。(そのため、前作を読んでいないと、内容や詳細な複線を理解するのは難しいのかもしれない。。。)
○本作も、主として「中国問題」を中心に、在日中国人マフィア間のトラブルや暴力団組織との関係、企業の情報漏洩や議員の関与などを、警察の各部門との連携(同期カルテットの活躍)により解決するという流れ。
○濱氏の著作は、内部情報を含め、詳細かつリアリティあふれる内容となっているが、本作でも、その細やかさが発揮されている。
○しかしながら、前作との続きの部分が多いため、新鮮みに欠ける印象。それならば、前作との上巻・下巻ということでもよかったのではないかと思う。
○作品中でも触れられているが、今後も「青山望」シリーズは続くことが予想されるので、ぜひ、次回は、もう少し別の観点からの新鮮みを期待したい。(「清水保」は次もキーマンになるのかもしれないが・・・・) -
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ネタバレ○元警視庁警察官で、議員秘書、コンサルタント等で活躍する濱嘉之氏の著作。
○警察庁諜報課という架空の警察組織(インテリジェンス組織)の活躍を、複数の登場人物の活動をちりばめることにより構成。
○従来の著作に比べ、公安手法の中でも“イリーガル”活動に重きを置いている印象。また、従来は、刑事警察との比較として公安警察の活躍・重要性を描いているものが多かったが、今回は、刑事警察との対立という場面は少なく、主に、公安組織の対外活動を描いたもの。その意味で、過去の警視庁情報官シリーズ(黒田純一)や警視庁公安部・青山望シリーズ とは違った形での公安警察の描き方。
○内容が盛りだくさんである一方、複線の張り方などが安易すぎる印象。各場面展開はおもしろいが、それぞれの連携や活動がスムーズすぎて、少しマンネリという感じもある。
○今後のシリーズ展開に期待。