濱嘉之のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
日本に住んでいながら政治に関してはほとんど知らないに等しい。
たまにニュースをさらりと眺め、選挙のときには消去法で投票する人を決めていく。
こんな私のような人間にも選挙権はある。
硬い!!
とにかく硬い作品だ。
読みやすい作品でもないし、小難しい出来事が聞き慣れない単語といっしょに押し寄せ、途中で溺れそうになった。
でも、その硬さが魅力だ。知らない世界を垣間見れる、ちょっとした好奇心も満たしてくれる。
何よりも、「考える」きっかけをくれる。
政治は遠い世界の話かもしれない。
けれど、政治家が舵をきるその先には、まぎれもなく私たちの日常がある。
そんなあたり前のことを思い出させてくれた。
国会議員が公設秘書を3人持つことができるのは知っていた。
第一秘書、第二秘書、政策担当秘書、この3人には国が給与を支払ってくれる。
しかし、政策担当秘書に資格がいるとは思わなかった。
資格取得にはふた通りの方法がある。
・長年第一秘書・第二秘書を経験した者が研修を受けて取得
・国家試験に合格し取得
国家試験を経て政策担当秘書になった者は、全体の3割程度だという。
自分たちの税金が給料として使われているのに、こういう基本的なことさえ知らなかった。
というよりも、関心がなかった。
震災後、日本のエネルギー問題は揺れ続けている。
原発が停止したからといって、安全なわけではないということも最近知った。
技術の流出ということに対しても、メディアが騒がないかぎり一般の関心は低いような気がする。
「知る」「考える」「選択する」
この作品がきっかけになればいいと思う。
関心のない人ほど手に取ってほしい。
字面も響きもめちゃくちゃ硬いタイトルだが、そこを乗り越えて読んでみてほしい。
きっと何かを「考える」糸口になってくれるだろう。 -
Posted by ブクログ
主人公の小林健は、私たちが身近に知っている駐在所にいるおまわりさんとは少しだけ違う。
暴力団の担当刑事を指導する「全国指導官」であり、同時に山手西署組織犯罪対策課第四係長でもある。
暴力団関係者からは「鬼コバ」と怖れられ、警察上層部からも一目も二目も置かれる存在だ。
地域に根づき、住民たちとコミュニケーションをとり、情報の収集を怠らない。
分析し、把握し、未然に事件を防いだり、発覚していない事件を掘り起こしていく。
濱さんの他の作品と同じように、やはり小林も徹底したプロの警察官である。
けっして手を抜かず、奢らず、謙虚に仕事に向き合う姿勢は、他の作品の主人公たちとよく似ている。
事件に対しては冷静に、犯人に対しては極めて冷徹である。
その精神は「鬼手仏心」に基づいている。 -
Posted by ブクログ
青山望のファンである。
今回は 4人(藤中、龍、大和田、青山)の連係プレーということに
主眼があって、青山望が 鋭く謎解きする部分もあるが、
いまいち行動力的に ものたらない。
結婚間近な 青山望への ご祝儀みたいである。
今の時代の起きていることを公安的視点で読み解く
ところは おもしろいなぁ。
EU離脱、トランプ大統領の登場。
日本と韓国と中国を結ぶチャイニーズマフィア。
為替と詐欺事件にからむ経済的に巧妙になったヤクザ
覚せい剤を細かくパウダー化した雪ネタ。
それは、大学と軍隊が協働してつくった。
その雪ネタを扱っていたヤクザが プラスチック爆弾とテルミット
で粉々に なってしまう。3000℃の高温で焼き尽くす。
清水保がキイマンである。
それに簡単に接触できる 藤中、青山。
接触できるが故に、事件の全容がよく見えてしまう。
ちょいと かるがる 解決しすぎですね。 -
Posted by ブクログ
完黙で身元不詳のまま結審した人間の謎を軸にした作品。
同じように身元不詳のまま逮捕され、完黙を通した人物を取り上げた作品が他の作家にもある。
現職大臣の衆人の中での刺殺事件。
拡大していく事件のつながりをひとつひとつ追っていく。
何でもありの公安の捜査手法も知らない世界だけに興味深く、より早く情報を手にし分析していく捜査の流れが面白かった。
リアリティあふれる描写、「公安は国家のため」と言い切る捜査員。
世間に知られることなくひっそりと、しかし強く結びついている政治と闇の世界。
小説だとわかっていても、何やら薄ら寒くなるような内容で怖くもあった。
やはりこの人の作品は好みだ。 -
Posted by ブクログ
イルミナティとかフリーメーソンとかが出てきて、これはどこまで本当で、どこまでが小説なのか。
元公安マンという筆者の素性を合わせると、いろいろ複雑な心境になれる一冊。
LINEがスパイウェアと名指しで書かれていたりするのも、LINEの会社は本気で対応を考えたほうがいいなと。(アドレス帳を送る機能は、選択できるように修正されているかと思うし、その手の機能を本気で止めるとそもそもスマホもインターネットもほとんど使えないのでは?)
割とテクノロジーで解決的な運びだが、情報セキュリティ系の記述については、誰か専門家がツッコミを入れてほしい。
でもゴルゴ13が好きな人は楽しく読めると思います。
おすすめです。 -
Posted by ブクログ
濱嘉之の本は、公安の様相がよくわかるので、
気に入って 読んでいるが、
今回の『報復連鎖』を読んで、物語になっていないなぁ
という 感じですな。
作者が説明をせざるを得ないと思い込んでいて、
説明することに、終始している。
ヤクザ 岡広組
そして チャイニーズマフィア。
香港系と東北系。東北系は、残留孤児が核になっている。
暴走族上がりのグループ。
盗難自動車が、商売のベースに。
神宮寺武人が アタマが良さそうに悪のにおいをさせる。
勢力争いから 始まるのであるが
大間から内蔵を えぐり出された 死体が マグロ箱に、
詰められて 築地まで 送り届けられてきた。
青山を中心としたカルテット。
それを描こうとするが故に 焦点がぼける。
一体誰が 中心?
佃が 結構 おもしろいのだ。 -
Posted by ブクログ
ひさしぶりの 濱嘉之。
公安対中国マフィアのXデーに期待した。
青山のシステムが 具体的な実行段階。
携帯電話の微発信で、どこにいるのか
確実にキャッチできる。
行動範囲を予測して、見張ることができる。
ビッグデータにデータをインプットすれば、
その人の関連性が、明らかになる。
青山の思考様式が 犯罪を未然に防ぐのだが、
それを こえた事件が起こる。
現在と近未来のことが、展開されるが、
なぜか 以前のような 青山望 らしくないのだね。
ヤクザ組織 が 分裂して、激しい抗争を
繰り広げながら、中国マフィアのヤクザ組織への侵入。
マネーロンダリング。
そして、中国人への医療サービス。爆買い。
次のターゲットが カジノ。
それに関わる 絶滅しかけの日本の極左集団の動き。
フグ毒とトリカブト毒の拮抗作用。
(養殖フグは毒がないはずなのだが)
それを実行する 注射器。
中国での反対勢力への粛正的殺人。
習近平の動向と共産党支配の中でマフィアが暗躍する。
最新の話題が満載にも関わらず、
なぜか ものたらないものが あったのは、
なぜだろうか。
『頂上決戦』という言葉が 悪いのかな。