隈研吾のレビュー一覧
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ネタバレ割と最近の著、有名なお二方の対談は
視点も面白くメカラウロコ、、、たびたび。
どうも、一生懸命な日本人は
なんでもやりすぎる嫌いがあるらしい。。。
傾斜度の大きな山肌、
国産の木を伐採して使った後
どうせ使うからと原生林を杉や檜に全て変えてしまった。
傾斜度の大きな山肌は
その土地にあった原生林を構成する木であるならば
大雨が降ろうと、崖崩れも早々起こらない
ところが根っこが粘らない杉や檜を
そんな土地に均一に植えてしまうと
あっという間に土砂災害が。。。
また風光明媚な海岸線に一斉に走らせた道路。
そんな道路をただただ眺めがいいと作ったおかげで
海岸線が破壊され砂浜が消えてしまうことも。 -
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Posted by ブクログ
20世紀は分断の世紀であった。高層ビルは、人間を土地を分断する装置であった。土地から遊離した人間は、その土地に住む人間同士の絆をつむぐことができず、無縁社会と呼ばれるような現状を作った。
21世紀は融合の世紀である。もう一度、人間が土地と融合し、住民同士の絆を創出する必要がある。しかし、これは「三丁目の夕日」の時代に帰るということではない。
21世紀にふさわしい、多様性を認めるコミュニティを本書では「ムラ」と表現する。
下北沢、高円寺、秋葉原など、都内にもムラはある。そして小布施などのムラが地方にもある。
東京の生きづらさ、働きづらさを解消するヒントがここにある。 -
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東京という街が今後、どう発展し、変化していくべきかという問いからこの本を読んだ。著者は日本を代表する建築家、隈研吾氏。
最も興味深かったのは、都市がテーマパーク化しているという件。日本には統一された様式の都市はない。そこで日本人が求めたのは、海外の街並み。ヨーロッパの街並みを見るために海外旅行をした。そして、もう一つがテーマパーク。統一感のあるディズニーランドでバーチャルな街並みを楽しんだ。
しかし、いま再開発などで新しく作られる街並みは、このテーマパークの様式だという。
本物の街に似せて作ったテーマパーク。逆にそれを真似て、本物の街を作るという矛盾。
そもそも都市とはカオスである。統一されて -
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ネタバレ日本の建築士がサラリーマンで占められていることの問題点を指摘されていたが、現代日本人の志向が全般的にそういう方向にあるということの結果が就業の形式をサラリーマンにしているのではないかと思っている。サラリーマンという形式によって面白みが無くなる傾向は否めないが、決して皆が自己を殺して表現しているということもなかろうし、面白みよりも「安く」かつ高い品質を求める需要先を考えれば、資材等の集中購買化等も避けて通れない選択なのだと思う。また、何よりサラリーマン建築士でも個性的な良い建物の設計を追究していることは間違いなく、成果があげられたときにはそういった建築物にも正当な評価を与えて欲しいと願っている。
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隈さんの新書の2冊目。
今度は、ムラ論らしい。
都市計画について、雑談していておもしろい言葉。
(1)都市計画というのは一種の運動神経だと僕は思うんですよね。永遠に正しくあり続けられる都市計画というのはないわけで、ある時期に何をやったか、後でどう効くか、ということなんです。(p33)
(2)先ほど、都市計画というのは「闘い」のことだ、って言いましたけど、利害が反する相手の立場がよくわかって闘ったときに初めて、豊かな結果を生むんだよね。(p63)
(3)日本って、中心部はひどく空虚だということ。中心にいるエリートは馬鹿ばっかりだっていうこと。(笑)その虚ろな中心の周りにある場所の輝 -
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隈さんの以前読んだ本がおもしろかったので、最近の新書を買って読んでみた。
隈さんと清野さんが、東京都心の大規模開発、汐留、丸の内、六本木ヒルズ、ミッドタウンと、郊外の町田をみながら、放談をしている。
その放談を読みながら、思ったこと。
(1)汐留の乱雑な建築設計をみて、マスターアーキテクトがいなことを理由としており、さらに、マスターアーキテクトがあれほどの大規模な開発だと政治的にも受け入れられないと話が進んでいる。
そうだろうか。今、復興計画の対象となる高台団地などは、マスターアーキテクトが、復興という緊急事態だから入り込めるのだろうか。是非、自然を生かした設計を全体を通して -
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会社で借りた本。
第一弾の、「新都市論Tokyo」を読まずに臨んだが、面白かった!
都市計画の今後について、「ムラ(村に近いが、少し異なる概念」を視点に、下北沢、高円寺、秋葉原、小布施を題材として語る対談。隈研吾は、根津美術館等をてがけた建築家。
隈さんの考えにはおもしろいものがある。そして、町を歩きながら語るやり方もおもしろい。
ただ、根底にあるのは、20世紀型社会が崩壊し、再開発も大型できれいであればよいていう中で、都市はどうあるべきか。
本書ではあまり触れられていないが、少子高齢化、財政悪化も交えながら議論するとおもしろいだろうな。
第一弾のほうも読んでみます。 -