隈研吾のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
いちばん印象に残ったのは、岡山の限界集落の話。「NHKの番組で岡山の高齢者だけの限界集落を取り上げていたのね。75歳以上の人だけが住んでいる集落が、岡山には720ほどあるそうなんです。…それで俺が思うには、限界集落が720もあるということは、そこがいかに住みやすいよい場所か、ということですね。…限界集落とか言って問題視する前に、どうしてそういう生き方こそ奨励しないのかね、と思って。」
東日本大震災後、1年以内に書かれた日経ビジネス連載のまとめなので、端々に生き方や暮らし方の再考が提言されている。コロナ禍の現状に置き換えても違和感がないので、本質的な議論がなされていたのだと感じる。暮らしを歴史 -
Posted by ブクログ
ネタバレグローバルからワールドワイド、効率と拡大から自由と小さなものの多様性にこそ魅了がある。小さいからこそ、外を上手く取り込もうと目が向かう。
東京の街の多くが魅了を失ったのは既存のシステムにもたれ掛かり、変わろうとしなかったから、また既得権益を守るために変えさせなかったことが大きい。
ローンによる土地・家屋の私有は足かせになる。ローンを組んだサラリーマンはそんな自分たちを肯定するためにサラリーマンの価値観を正義として世の中全体に押し付けてきた。その気持ち悪さとそれがまだ続いているのを感じる。住宅ローン減税は既存のシステムの延命にすぎない。
住宅、特にマンションの一階のつくられ方がまちの魅了を -
Posted by ブクログ
ネタバレ20世紀、ヴォリュームの拡大を至上主義
コンクリート空間の中に閉じ込める
木造、線の建築
カディンスキーとジェームズ・ギブソン
石の基本は点だが
積み上げると重たいボリュームになってしまう
自然素材が表面の薄い石や木の化粧や記号に堕ちてしまった20世紀
石の美術館
石に隙間
ビアンコ・カラーラ
大理石を6mmにして嵌め、光を通す
ビエトラ・セレナ
apple storeの床
点の積み上げでは経験が基準
19世紀後半に
コンクリートや鉄のフレームの線になって計算可能に
コンクリート
点を面にジャンプさせる
バラツキ
きらめきとリズムに
市松模様
一枚ずつの小 -
Posted by ブクログ
清野由美が隈研吾から聞き取り、書かれた本なので、
話し言葉がメインになっているので、わかりやすい。
隈研吾の本音がよく出ていて、面白い。
確かに、隈研吾は、世界を駆け巡っている。
建築家としての世界的にブランドが確立されている。
日本人の建築家のブランド力はすごいが、常に現場に行き
ナマに話し合うという姿勢を崩していないのは重要だね。
「コンクリートに頼ってできた、重くて、エバった感じの建築が大嫌いだ」
「エラい建築家が作った、エライ建築」ということをはっきり言う。
現在では、隈研吾が エライ建築家になっているのだが。
弱い日本に生まれざるを得なかったがゆえに、悩みや迷いがある。
結局は、建築 -
Posted by ブクログ
東京の都市論。街をどう見るのか?
隈研吾と清野由美が対談し、歩きながら感じたままを話す。
こうやって都市を見るかと、面白い視点が与えられた気がした。もっと、都市には、物語が埋め込まれていると思った。
汐留、丸の内、六本木ヒルズ、代官山、町田。
都会に立つ高層ビルは、オフィイスビルが多い。
汐留のダメダメ感は、なんとなくわかるものがある。
統一性やコンセプトがなさすぎると思う。
それは、ある意味では、機能的で、味気ない空間と言える。
とりわけ、東京駅から丸の内の界隈は、息が詰まりそうな空間である。ビジネスの戦場という殺伐感があるかなのか。
街並みに感じる「風情」を削ぎ落としたというか、喪失した空 -
Posted by ブクログ
好きな建築家は?と聞かれたら間違いなくあげる一人。
新国立競技場でさらに有名になった隈研吾さんの建築家人生を振り返りながら、原点を知ることのできる一冊です。
なんであんなに「木」にこだわるのか?という最大の謎も「なるほど!」という確かな納得感を得ることができました。笑
ちなみに環八沿いにある「東京メモリードホール(M2)」については一切触れていなかったなあ。。。(Googleで「隈研吾 環八」と検索したら、隈研吾建築事務所のホームページには実績としては掲載されていました。)
どこかのインタビューか本に、あの物件は自分の実績として抹消したいと言っていたような記憶がしていたので、あえて触れ -
Posted by ブクログ
建築に全く疎いのですが、新国立競技場をデザインした人ということで、手にとってみる。
建築家、走る。
この題名が、本文を読むと、競走馬としての建築家、実際の土地と物を見に世界中をタフに泥くさく走り回る著者をうまく表せているなと思った。
バブル崩壊後の日本での建築需要が減り、建築家もなかなか世知辛い話だけど、その中でいかに自分の求めていくものを見つけるか。この人の作った建築物をカラー写真で見て、さらに現地に行きたくなりました。歌舞伎座や石の美術館とか、能楽堂とか。
反ハコモノ、反コンクリート、土着の繋がり、人が、素材が、土地が見えるもの。そこにしかそこでしか生み出せないもの。美しい古び方。限ら -
-
Posted by ブクログ
「私は この小説を書くときに、読んでくださる人が小学六年生までの漢字を読む力があれば読んでもらえるものと思ってこの作品を書き始めました」
と「氷点」を書いた三浦綾子さんがいってらっしゃいました。
この本の中で出張授業をされる先生たちは
もちろん、その道のプロフェッショナルの方たちです
そして、聴いている対象者たちは 中学生、高校生たち
その語り口が そのまま 一冊の本にまとめられました
その「語り口」を読んでいて
冒頭の三浦綾子さんの言葉を思い起こしたのです
本当の専門家は
ただ感心させるだけでなく
それなら 僕も(私も) 何かやってみよう
そんな気にさせてくれる方なのです