隈研吾のレビュー一覧

  • 日本人はどう住まうべきか?

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    栄光学園出身の2人が、現場主義、もしくは身体性といったことを基本にしながら、都市、建築、そして住まい方について論じる。
    東日本大震災の後の対談だったようだが、水害が頻発する今読むと、大事なのは建物ではなく、立地であることなど、メッセージがより際立つ。
    マイホームがファンタジーであるとの言い切り、だましだまし賃貸に住むことなど、励まされる。
    今後の住まいを考える出発点になる一冊。

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    2020年08月15日
  • 建築家、走る

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    ほら ご神体は「鏡」だし
    建物の材料は 全て「木」と「土」で
    できあがっているでしょう
    そうなんですよ
    最終的には 全てが自然に還っていく
    それが 本来の「神社」なのです

    と 知り合いの宮司さんから
    教えてもらった話を思い出した

    本書は何気なく手に取って
    さほど、思い入れもなく
    なにげなく読みだたのだけれど
    これが とてつもなく 面白い

    単なる「建築」の話にとどまらない
    その場所にどうあるべきか
    その時代にどうあるべきか
    それを どうとらえるのか
    それを どう考えるのか

    まるで 一人の哲学者のお話を
    聞かせてもらっているようでした

    反ハコ、反コンクリートの建物を
    なぜ そういうふうに

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    2020年05月01日
  • ひとの住処―1964-2020―(新潮新書)

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    前に読んだ2冊は対談の書き下ろしで、著書は初めて。ひとことで言うと面白い本だった(陳腐ですみません)。
    隈さんという人は、先人にすごく憧れたかと思ったら割と簡単に失望したりする。はっきりしてて良い。歴史的建築家の先輩方に毒を吐きながら、それは悪口を言ってるのではなく、自分の価値観をしっかり確かめながら生きてきたということだ。
    建築家や、建築が社会に与えた影響や、世界の建築行政などの歴史が、新書らしくきっちり書かれていて興味深かった。

    国立競技場で、ザハが却下されて隈さんに変わった時、国の御用学者だから選ばれたのかと思っていた。予算オーバーの物件を上手くスケールダウンする技能を買われたのかと。

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    2020年04月29日
  • 建築家、走る

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    安藤忠雄はあまりにも有名だが、ひとつ上の世代。それに対して隈さんはリアルタイムで活躍してる建築家である。
    とは言っても、初めて認識したのは太宰府のスタバなので、最近なんだけど。(そんなに建築家に興味が無かっただけです。すみません。)
    でも時々ネットやマスコミの記事でお見受けしてて、そうしていると、ザハで話題になった新国立競技場を設計されることに。一躍時の人になられて、どんな人物か気になってました。
    建築をアカデミックに学んだ戦後第4世代だからこその、反コンクリート志向。世界の国々や歴史と対峙しながら、ブランドに留まることなく、現場にこだわっておられる。バブル期の挫折があったからこそ、90年代の

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    2020年03月29日
  • 新・都市論TOKYO

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    東京の、それぞれの箇所の独特な雰囲気を言語化してくれる。建築に疎くてもへーってなる。
    隈研吾ってやっぱり面白い人なんだよなー

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    2020年03月28日
  • ひとの住処―1964-2020―(新潮新書)

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    隈研吾の 生い立ちから、建築家を目指し、
    そして、建築家とは何かを 問いながら、建築家として行動する。
    自分の中にある、真摯な心の叫びを 自分なりに受け止めながら現在の在りようを、真摯に認めて、どうあるべきかを問う。
    自分の中にある建築家としての自己矛盾。
    実に 思い切って、赤裸々に語る。その姿勢が尊いと思う。

    高度経済成長は、自動車産業や家電製品の急速な発展だけでなく、自分の家を持つという住宅産業とそれを後押しする政府の政策に成り立っていた。
    あまりそのように考えていなかったが、言われてみればそうだ。
    近代化、高度経済成長は、鉄とコンクリートによって、大きさと高さを目指した。
    しかし、それ

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    2020年03月25日
  • なぜぼくが新国立競技場をつくるのか 建築家・隈研吾の覚悟

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    もやもやとしていた霧が晴れた。
    アメリカは民間の寄付頼み。中国では必ず委員会が作られる。
    呼ばれたらやる。
    eyesore。

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    2016年12月27日
  • なぜぼくが新国立競技場をつくるのか 建築家・隈研吾の覚悟

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    ネタバレ

    日本人はどうも「妥協」という言葉をネガティヴにとらえがちですが、妥協とは大人が備えるべき高い能力のひとつであり、社会が必要とするのは、美しい妥協であるとぼくは考えています 木という素材は人々を調整する最高の道具です ヨーロッパ大陸は、ゲルマン的な価値観が支配する場所で、しぜんは制圧すべきものであり、崇拝の対象にはなりません ロジックでオレたち本当に幸せになれるかな なぜコンクリートのオフィスが必要だったかというと、柱のない大空間にたくさんの人を閉じ込めないと、効率的な仕事が出来なかったからです 里山資本主義 藻谷浩介 雲の上のホテル 日本人は、行間を読み合う人たちで、思考の強みは、茶道

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    2016年06月17日
  • 建築家、走る

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    某テレビ番組で、林先生が引用していたのが印象的で読む。
    超有名な建築家、時の人の自叙伝。
    普段、この手の話を読むと自慢たらしくて嫌になることもあるのですが、
    これがめちゃくちゃ面白い。
    日本人の問題、建築の問題、
    どれも「なるほど」とうなずいてしまうことばかりで、
    あっという間に読んでしまった。
    建築家に憧れる生徒はたくさんいるので、彼らにぜひ読んでほしいもんだ。

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    2016年01月08日
  • 建築家、走る

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    モダニズムに対峙して、優しい、場所や自然に溶け込み、生命のサイクルを感じさせるような建築に取り組んできた隈研吾のエッセイ。デザインを職業として真剣に取り組んでいる人の精気が満ちていて、元気が出る。
    世界の建築現場を見渡した時、意外に中国では環境負荷にフォーカスしているとか、韓国の建設ビジネスのアグレッシブな活躍ぶりとか、アメリカのディベート教育の不毛とか、組織の中での報告に求められる厳しさなど、面白い話題が満載。

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    2018年10月19日
  • 日本人はどう住まうべきか?

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    お二人共冴えてる。冴え渡っている。そんな対談が本になるとこうやってじっくりと聞けるわけで、本は大変よろしいもんです。

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    2015年04月26日
  • 僕の場所

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    ネタバレ

    月並みですが、子供のころ持っていた感覚を忘れず大事にしないとなあと思いました。

    「生物にとって、世界というのはまず地面であり、床だからです。… そのせいか、今でも人のはいてる靴が気になります。この人はどう世界とつながっているか、どう自然と接続しているかが、靴を通じてわかってしまうからです。…その意味で建築は靴に似ています。大地と身体を仲介するからです。」

    いつ行っても季節の匂いのする農家の「ジュンコちゃん家」いいなあ。

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    2014年08月17日
  • 新・都市論TOKYO

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    建築家隈研吾とジャーナリスト清野由美が東京の汐留、丸の内、六本木ヒルズ、代官山、町田と北京について議論を交わす。日本の都市、経済、建築における課題を語っている。

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    2013年07月19日
  • 日本人はどう住まうべきか?

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    震災後の対談は一部のようだけど、
    震災を経て加筆修正されて問題が鮮明になったようだ。
    考え方、視線の変え方、刺激のたくさんある本。
    建築家は土地の問題から離されている、
    コンクリートは信頼の上に成り立っている建築、
    全国一律で進もうとするところからくる歪み、
    サラリーマン感覚という頭の域を出ない怖さ、
    コンピューターで計算できる形へ修正されていく自分のアイディア、
    etc.etc...
    時間がかかっても、
    個別の事象に現場で体で対応していくことが、
    復興に向けた一番の解決策なのだと思う。

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    2013年06月05日
  • 日本人はどう住まうべきか?

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    原発事業、植林の山崩れも戦後のつけ。戦後は続いている。
    「家がプライベートな空間だと思ったときから、いろいろな間違いが始まったのではないかと僕は思っています。プライベートという思いがさらに進むと『私有』になる。自分の一生の財産であり、人生の目標だと思い込むと、ペンキのヒビ一本も許さなくなるでしょう。そうして、ヒビの入らないビニールクロス張りのマンションができあがり、サブプライム・ローンの破綻に行き着く。」
    「人工圧力設計」とエネルギー問題。
    「自分が快適に思える街ではなく、サラリーマンとしての自分の地位が保たれる街が、日本全国どこにでもできてしまっている。」
    「だましだましをやるには現場が必要

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    2012年07月10日
  • 新・ムラ論TOKYO

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    隈研吾と清野由美のまち歩きシリーズ第2弾。
    今回もこの2人の掛け合いを楽しませていただきました。
    本文中で「ムラ」という単語を「村」と区別して使っていたのは、「ムラが出る」のムラからとったものなのかな、と推測してみたり。過去の時代に村が都市化した後、各々の住民の生活に呼応するように町並みが変化していき、いい具合にムラが出てきたと隈研吾が感じた場所を選んだのだとしたら、この人の言葉の使い方には本当に敬服してしまいます。
    秋葉原編の隈さんは一見の価値あり!

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    2012年01月15日
  • 新・ムラ論TOKYO

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    都市化が進み村は衰退したが、しかしその都市の中に新しい形で「ムラ」が形成されていた、というのは面白い。やはり人間には村的なものが欠かせない、あるいは人間の性として形成せずにはいられないものなのだろう。街並みを見る際の建築家の独特の視点が面白い。 ・社会と建築の関係に変化。建築の「動機」に変化。 ・1つは持ち家願望。アメリカ型解決法single-family house。社会主義的解決法、集合住宅。村的な粘っこいつながりは排除された。 ・「空間の商品化」というフィクションが村を破壊した。がそのまやかしも自壊を始めた。サブプライム。 ・311で我々は破壊され尽くした空間になお残る何かを感じた。そ

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    2013年03月16日
  • 新・都市論TOKYO

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    六本木ヒルズ、ミッドタウン、シオサイト、表参道ヒルズ、町田。

    建築家家の視点で観たTOKYO案内。

    とても面白い。

    10/01/01-01

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    2010年05月02日
  • 新・都市論TOKYO

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    金融手法の発達・外部経済環境の変化と街のデザインとの関係が興味深かった

    面白かったくだり
    ・証券化の発達により、創造性のある芸術家ではなく、リスクの少ないブランドとしてエスタブリッシュされた建築家が求められる
    →世界の大プロジェクトは少数のブランド建築家が独占、プロジェクトが大きくなるほどデザインの陳腐化が進む
    →とりわけ地価が高い東京の再開発プロジェクトで一番大事なのはリスク分散。創造性よりもリスク分散が建築家には求められる

    ・歴史的な建物が残されると、その対価として街が超高層化する(容積率緩和のテクニック)ex.丸の内
    ・代官山(経済的に閉じて空間的に開かれている)と六本木ヒルズ(経済

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    2009年10月04日
  • 新・都市論TOKYO

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    また東京ですけど。
    建築家隈研吾氏とジャーナリスト清野由美氏の街歩き中の対談を掲載した本。

    現在の東京の再開発地区(汐留、丸の内、六本木)を中心に代官山、町田、北京と飛んで話は展開されます。再開発に関する論考は、現在の経済事情、不動産と金融の関係、どうしてもテーマパーク化していく開発を、社会学的な話も含めてわっかりやすく切ってくれていると思います。

    個人的には「ブランド化する建築家」という単語にグッと来た、あー、そう言えば良かったのねと。

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    2009年10月04日