隈研吾のレビュー一覧
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「小さな建築」隈研吾(著)
東日本大震災によって、建築物がいかに弱く、脆いものかを実感させられた。自然の猛威に破壊される。これまでの建築の考え方では通用しない。大きな災害が建築の世界を変えてきた。1666年ロンドン大火、1755年リスボン大地震、1871年シカゴ大火、1923年関東大震災、20世紀に入って、インドネシアの津波、アメリカのハリケーン、イタリア、中国、ハイチの大地震、そして東日本大震災。「強く、合理的で、大きく、高い建築」から「小さな建築」へ転換するときだ。
大火による多数の死者が出たことで、木造建築から石やレンガに変わり、鉄とコンクリートによって高層ビルが作られるようになる。高さ -
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ほら ご神体は「鏡」だし
建物の材料は 全て「木」と「土」で
できあがっているでしょう
そうなんですよ
最終的には 全てが自然に還っていく
それが 本来の「神社」なのです
と 知り合いの宮司さんから
教えてもらった話を思い出した
本書は何気なく手に取って
さほど、思い入れもなく
なにげなく読みだたのだけれど
これが とてつもなく 面白い
単なる「建築」の話にとどまらない
その場所にどうあるべきか
その時代にどうあるべきか
それを どうとらえるのか
それを どう考えるのか
まるで 一人の哲学者のお話を
聞かせてもらっているようでした
反ハコ、反コンクリートの建物を
なぜ そういうふうに -
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前に読んだ2冊は対談の書き下ろしで、著書は初めて。ひとことで言うと面白い本だった(陳腐ですみません)。
隈さんという人は、先人にすごく憧れたかと思ったら割と簡単に失望したりする。はっきりしてて良い。歴史的建築家の先輩方に毒を吐きながら、それは悪口を言ってるのではなく、自分の価値観をしっかり確かめながら生きてきたということだ。
建築家や、建築が社会に与えた影響や、世界の建築行政などの歴史が、新書らしくきっちり書かれていて興味深かった。
国立競技場で、ザハが却下されて隈さんに変わった時、国の御用学者だから選ばれたのかと思っていた。予算オーバーの物件を上手くスケールダウンする技能を買われたのかと。 -
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安藤忠雄はあまりにも有名だが、ひとつ上の世代。それに対して隈さんはリアルタイムで活躍してる建築家である。
とは言っても、初めて認識したのは太宰府のスタバなので、最近なんだけど。(そんなに建築家に興味が無かっただけです。すみません。)
でも時々ネットやマスコミの記事でお見受けしてて、そうしていると、ザハで話題になった新国立競技場を設計されることに。一躍時の人になられて、どんな人物か気になってました。
建築をアカデミックに学んだ戦後第4世代だからこその、反コンクリート志向。世界の国々や歴史と対峙しながら、ブランドに留まることなく、現場にこだわっておられる。バブル期の挫折があったからこそ、90年代の -
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隈研吾の 生い立ちから、建築家を目指し、
そして、建築家とは何かを 問いながら、建築家として行動する。
自分の中にある、真摯な心の叫びを 自分なりに受け止めながら現在の在りようを、真摯に認めて、どうあるべきかを問う。
自分の中にある建築家としての自己矛盾。
実に 思い切って、赤裸々に語る。その姿勢が尊いと思う。
高度経済成長は、自動車産業や家電製品の急速な発展だけでなく、自分の家を持つという住宅産業とそれを後押しする政府の政策に成り立っていた。
あまりそのように考えていなかったが、言われてみればそうだ。
近代化、高度経済成長は、鉄とコンクリートによって、大きさと高さを目指した。
しかし、それ -
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ネタバレヴォリュームの建築ではなく点・線・面の建築へ。隈研吾さんがずっと挑戦し続けてきた概念が、近作も交えて更に深化する。建築を小さな部材の連なりでつくることで、人間の身体スケールに近づいたやさしく軽やかで、民主的で、持続可能な、動的平衡=生命的な建築が生まれる。
コンピュータの発展がこの微細なデザインを補助しているという記載も興味深い。もし時代が異なれば実現できなかったものもあるのだろう。運という流れを味方にしている点も面白い
この本のデザインにも感動した。読み終わった後、線である文字が粒子化し、点になった。かと思いきや粒子化が進むと背景であった白が際立ちはじめ、面にも見えてくる。まさにこの -
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ネタバレ日本人はどうも「妥協」という言葉をネガティヴにとらえがちですが、妥協とは大人が備えるべき高い能力のひとつであり、社会が必要とするのは、美しい妥協であるとぼくは考えています 木という素材は人々を調整する最高の道具です ヨーロッパ大陸は、ゲルマン的な価値観が支配する場所で、しぜんは制圧すべきものであり、崇拝の対象にはなりません ロジックでオレたち本当に幸せになれるかな なぜコンクリートのオフィスが必要だったかというと、柱のない大空間にたくさんの人を閉じ込めないと、効率的な仕事が出来なかったからです 里山資本主義 藻谷浩介 雲の上のホテル 日本人は、行間を読み合う人たちで、思考の強みは、茶道
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原発事業、植林の山崩れも戦後のつけ。戦後は続いている。
「家がプライベートな空間だと思ったときから、いろいろな間違いが始まったのではないかと僕は思っています。プライベートという思いがさらに進むと『私有』になる。自分の一生の財産であり、人生の目標だと思い込むと、ペンキのヒビ一本も許さなくなるでしょう。そうして、ヒビの入らないビニールクロス張りのマンションができあがり、サブプライム・ローンの破綻に行き着く。」
「人工圧力設計」とエネルギー問題。
「自分が快適に思える街ではなく、サラリーマンとしての自分の地位が保たれる街が、日本全国どこにでもできてしまっている。」
「だましだましをやるには現場が必要