隈研吾のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
(2017/4/13)
あのヘルメットみたいな、牡蠣みたいなザハ・ハディド案から、
神宮の森と調和する木が基調の隈案になって、
まずはほっとした新国立競技場。
しかし昨今の豊洲問題、国有地払い下げ問題を知るにつけ、
利権の甘い汁を吸おうという国賊がやたらばっこしていることに気づく。
いろんな思惑でとっとと取り壊されてしまったもとの国立競技場。
あれを壊さず改修する、というのが一番無難だったと今でも思う。
そうすれば、2019年のラグビーワールドカップにも当然間に合ったのに。
自然に優しい国立競技場になれたのに。
まあたられ場を言っても仕方ない。
隈さんの考えはとても自然なので、
いい競技 -
Posted by ブクログ
建築士というと、斬新で奇抜なデザインとお洒落の極みの印象があった。
本書によれば、実際そのように思考する物もいて経済システムの一部としての割り切りでいることも確かなようだ。
それはどこか窮屈さを感じることもある。
そのような中でビジネスとは違い、その時、その場所に最も適した建築を思考してきた著者のスタイルにすごく共感した。
その源泉は幼き日の原風景であったり、地域の大工との語らいであったりと肌で感じた経験に基づいている。
日本は歴史ある古い国であり、多くの自然災害から学んだ建築技術がある。その極みは余す所なく使い倒す木造技術だ。
残念ながら、文明開花によって古くさいものとして扱われた。
迎 -
Posted by ブクログ
面白かった
決して好きな建築家というわけではないが、石の美術館や広重美術館の頃の隈さんは好きだ。
隈さんのスタンスは変わらないのだろうが、今の和の建築家みたいな世間の扱いやルーバーの多様はちょっと
隈さんの自叙伝的なものは初めて読んだ。
M2をどう書いてるか、ドキドキしたが、とても素直に触れられていた。
建築に対する考え方を含め少し好きになった。
隈さんの建築を知る、あるいは建築の世界を知るとてもよい本だと思う。
サヴォワ邸に対する低評価は少し意外だった。お祭り広場への低評価、住吉の長屋に対する低評価(現役なのにすごい!)も意外。
ミースのファンズワース邸やシーグラムビルなどに対する高評価 -
Posted by ブクログ
建築家、という自分自身がこれまで抱いていたアーティスティックでどこかスマートな印象がいい意味で書き換えされた。
建築物は建築家がデザインしたものがそのまま、期間を経て完成されるのではなく、そこにはクライアントやチーム員などの多数の人が関与しており、隈さんはそこに重きを置いており、良い建物は、良い人間関係なしでは作れないと語っている。
東京オリンピックで使用された国立競技場なども、完成に至るまでには甚大な人手や労力、コストがあったのは確かだろうが、連携や協働上、信頼関係なしには到底作りえないのだと感じた。
隈さんは小学生のときに代々木競技場を見て、設計者の丹下健三さんに感銘を受け建築家を志す -
Posted by ブクログ
少年少女たちに向けて隈研吾さんが書いた本ですが、40代半ばのおじさんが読んでも胸に刺さる言葉がたくさんある本です。私自身は建築家になりたいと思ったことはないですし、アラフォーになって美術館に行くのを趣味としてから、やっと名建築なるものに目を向けるようになったくらいです。当然のことながら建築をベースに文章は綴られますが、本質的な部分ではどの仕事にも当てはまることばかりです。仕事だけではありません。家族や友人との関係性においても身につまされる話もありました。建築家の仕事は、特に隈さんにとっては、それを長距離走者に例えていました。あの国立競技場の建設にしても、それまでの実績と信頼関係などの積み重ねの
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Posted by ブクログ
14歳前後の若者だけでなく、すべての人にオススメ。情報量が多く、読み応えアリ。
最近は何でも隈研吾だよなぁと辟易ぎみだったのですが、この本を読んでみて、隈研吾建築をきちんと見に行きたい、と思いました。
普通の人であればしたくないような苦労でも、隈さんは「あの経験があってよかった」と自分の糧に出来る方なんだなと。
子ども時代、欲しいものがあるときは父親にプレゼンしなくてはならず、それが後々役立ったそうです。しかし、妹はすぐに買ってもらえていて、世の中の不公平を実感した…というフレーズには笑いました。
プロテスタントが、資本主義経済の社会システムのベースになっていて、それがどのように建築にも影響を -
Posted by ブクログ
隈研吾が、14歳の読者を想定して書いた本なのでとても分かりやすい。
東京オリンピックの競技場などで有名な建築家だし、東京大学出身なので、エリートコースのど真ん中を歩いているのかと思ったが、実際は紆余曲折があったことが書いている。
個人的には、アフリカに興味を持った背景や、大学院時代に自分で企業と交渉してプレゼンをして資金援助してもらいアフリカに調査した話、アメリカ留学時代に、自分でインタビュー企画を出し世界的に有名な建築家にインタビューした話などは、感銘を受けた。
14歳を想定読者としているのでわかりやすい言葉で書かれていたので読みやすいが、大人の仕事の進め方としてとても勉強になる
気に入っ