隈研吾のレビュー一覧
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子供向けという感じではないが、しかし、背伸びして読みには寧ろ良いのだろうか。建築家の思考、発想、そこに至るまでの経験や仕事の妙味、人間模様など、非常に勉強になる。ある意味では自叙伝だが、自分自身をよく分析されていて、どんな体験が思考を作り上げたのか、関係性が分かりやすく語られる。
建築界の大御所と付き合うのに日本舞踊を学ぶ必要があるかのような記載は、誰かの小説で読んだ気がする。池井戸潤の『鉄の骨』だったかな。それと、「神は細部に宿る」久々に聞いたなと思いながら、建築家の言葉だったのかと改めて?初めてかも知れないが、認識した。巨匠、ミース・ファン・デル・ローエ氏。
地球に立体的な構造物を作る -
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小さな作品でも、そこになんらかのキャラクターが立上がり、
新しい香りがかすかにでもすれば、
世界はそこに敏感に反応し、見知らぬ場所、見知らぬ人からメールが届く。
建築の基本 信用の積み重ね 不純物を含む→文章を書くことで建築の意味を発見
村上春樹 機敏なヴィークル、思い切った実験の短編小説と 長編小説での展開
木のボロさ 生と死につながっている ジオメトリーの否定
ローコスト 反建築
竹の家 低精度のノイズの荒々しさ
早稲田大学 村上ライブラリー 建築の孔 別のトポロジーへと転換される
国立競技場
関係・継続の建築
コルビュジエ、ザハの「閉じたヴォリューム・関係の切断」の代案
木 -
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2020年東京オリンピックのメイン会場である国立競技場の設計に携わった 今ではその名を知らない人はいない「隈 研吾」さんの建築家になるまでと その後の生き方が書かれた本
建築に限らず 幅広い知識の獲得や深掘りして興味関心を持つ姿勢 どうせ建築するならクライアントととことん腹を割って話せる間柄にならねば…という気概が隈さんの魅力だと思う
そして彼の生き方の一部を自分にも取り込みたいという思いが芽生えた時点で この本との巡り合いは素晴らしかったと言える
ただ ラストがあっさりすぎた…
ページを残したまま飛ばしてしまったのかと 何度か確認するも そこで終わっているのが残念…で星は4つ
国 -
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当代一の有名建築家の自伝~三菱金属に勤める父と結婚した母の父親が建てた大岡山の平屋で生まれ田園調布の幼稚園にに通い,小学校4年時の東京オリンピックの丹下健三の国立競技場を見て建築家を目指し,大船の中高一貫ミッションスクールで学び,東京大学と大学院。アフリカに調査旅行に行って一月で論文を書き上げ,設計事務所・ゼネコン勤務を経て,アメリカのプリンストン大学に留学。帰国して事務所を立ち上げたが仕事はなく,伊豆の脱衣所みたいな家(風呂小屋)を設計,環八にM2を設計,バブル崩壊で仕事がなくなり,檮原に係わり,北京郊外で竹の家や,那須の石の美術館に係わる。高くない建築を意識して長岡市役所を造り,地元建築材
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【読んだ理由】
・建築巡りが好きなので
・難解な文章が多い隈研吾さんが、
学生向けにどんな文章を伝えるのか
興味があったので
【感想】
課題図書コーナーを見ていたら発見しました!
オリンピック国立競技場の隈研吾さんの自伝的一冊。
元々建築巡りが好きですが、
読んだら、
建築熱がますます上がりました。
隈研吾さんの生い立ちや、
建築に対する考え方の推移を、
隈さん本人の文章で読めるのは貴重でした。
改めて、隈さん作品を、
時代を意識しながら見て回りたいです。
課題図書(高校生部門)とのことですが、
未来ある14歳はもちろん、
前途多難な40代(←私)
にも未来を動か -
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洞窟からポストモダンにいたるまで、「建築」は、どのような意味を担ってきたのか、設計者・デザイナーはどういう思想背景でそのデザインを生み出し、各時代の様式が形成されてきたのか、客観と主観、普遍性と多様性、構築と自然のせめぎあい、入れ替わりは歴史の中でどのように進んできたのかを、時間軸を下り、複雑混沌を避けながら、簡潔明瞭に説明している。
おそらく、全体的に「客観的」な叙述ではなく、隈研吾自身の解釈で筋を通していると思うのだが、それをあまり感じさせない。本書を通読することは、半期の「建築史」講義を、明るい講義室で聴きつづけているような感覚に近かった。 -
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2020.5.9
隈研吾の自叙伝
戦前から戦後、現在にかけて徐々にグローバル化した世界においての経済、文化、政治と建築の関係について隈研吾の思想が読み取れる。
ここに出てきた建築家たちについてまた勉強したい。
隈研吾は「コンクリート」「サラリーマン」を皮肉たっぷりに批評している。
だが人間は自然という親から生まれてきたからこそ、工業化という形で自立したい、親離れしたい、気持ちは分からなくない。
だからこそ一通り反抗した人間が「元いた場所」に戻ってくるのは当たり前で、それこそ隈研吾が受け入れられ、成功した理由なのではないか。
太宰府に一人旅した時に一際目を引いたスタバは隈研吾のデザイ -
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路地で畳針を操っていた職人さん
鍋を治していた鋳掛屋さん
庭先に井戸を掘ってくれた職人さん
その人たちはその「技」と「姿」で
一人前の仕事とは
を無言で語ってくれていた
今の日本で
それらの貴重な「日本の技」を
見受けることはほぼ無い
明治以来
欧米だけを手本にして
道路、交通、建物を模倣して来て
なんとも無機質な「都市」を作り上げてきた
この日本という国の中で
隈研吾さんの「建築」に
焦点があてられる理由が
本書を読む中に見受けられる
日本という国で
培われてきた「匠の技」、
日本が「これから」を
考える時に どう感じればいいのか
その辺りのヒントの数々が
隈研吾さんが14歳の若い人に -
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この本は、隈建築の中から、おそらく建築家としての転機となった、印象深い(苦労した)建物の話を中心に、20世紀の建築、主にモダニズム建築への批評とそれに替わる建築を追求していく、隈氏の思想・思考的な話を絡めながら、各章が展開していきます。
語られる氏の建築に対する思想・思考や仕事の流儀を読むと、場所や施主、そして人々との協調性を重視する姿勢が、今の時代にマッチし、それが多くの仕事の依頼につながっているのではないかとの思いに至ります。
最初の出版は2013年で、少し古い本です。当時、隈氏が手がけた「アオーレ長岡」や「歌舞伎座」が完成した時期とほぼ同じで、それらのプロジェクトについても語られています -
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建築家・隈研吾氏が、建築家に興味を持つ10代へのメッセージとして綴った本です。小学時代の生い立ちから、中学、高校、大学での経験を特に詳しく語った、自伝的な内容となっています。
タイトルから子供向けかと思い、読むのをためらっていましたが、大人でもまったく違和感なく、興味を持って読める本でした。
表現がやさしいせいか、隈氏の著作で時々遭遇する難解な箇所はなく、とてもわかりやすくて著者への好感度が上がります。
隈氏の生い立ちとそのエピソードを知るにつれ、氏の建築がなぜそのようなものなのか、ということが腑に落ちてくる場面が多くありました。
小学生の頃、父親と自宅の増改築を行うために、安価で格好のいい -
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ネタバレオオバコシステムによる近代化 閉じ込めて効率化
ITで閉じ込めなくても効率的に自由に
建設産業の江戸時代におけるサムライ化
一定の評価を得た芸術家はコラボして違う地平に飛ぶ
世界の中心都市 ジャック・アタリ
=クリエイター階級が新しい発見への情熱を燃やす場所
バブル期の東京はなれなかった
過去の利得の維持保護 1億総サラリーマン化
川沿いのライトインダストリーエリア
スターバックス リザーブ ロースタリー東京
巨大焙煎機のため工業地帯に
建築の流動性 コンピュテーショナルデザイン
長持ちしない建築 流動しながら有限の時間を生きる