あらすじ
コロナ後の都市のテーマは「衛生」ではなく「自由」である(「はじめに」より)オリンピック・パラリンピックの祝祭モードから一転、自粛ムードに覆い尽くされた東京。しかし、このピンチは、東京が変わるきっかけになるかもしれない。キーワードは、「大きなハコ」から「小さな場所」へ。国立競技場や高輪ゲートウェイ駅など、東京の最前線で幾多の「大きな」建築を手掛ける一方で、シェアハウス、トレーラーの移動店舗、木造バラックの再生など「小さな」プロジェクトに積極的に取り組んできた隈研吾が、未知の時代を生きる都市生活者の生き方、暮らし方に、新しい方向を指し示す。既刊『新・都市論TOKYO』『新・ムラ論TOKYO』に続く対話篇シリーズの集大成!
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Posted by ブクログ
オオバコシステムによる近代化 閉じ込めて効率化
ITで閉じ込めなくても効率的に自由に
建設産業の江戸時代におけるサムライ化
一定の評価を得た芸術家はコラボして違う地平に飛ぶ
世界の中心都市 ジャック・アタリ
=クリエイター階級が新しい発見への情熱を燃やす場所
バブル期の東京はなれなかった
過去の利得の維持保護 1億総サラリーマン化
川沿いのライトインダストリーエリア
スターバックス リザーブ ロースタリー東京
巨大焙煎機のため工業地帯に
建築の流動性 コンピュテーショナルデザイン
長持ちしない建築 流動しながら有限の時間を生きる
Posted by ブクログ
今や飛ぶ鳥を落とす勢いの隈研吾さん。東京には彼の建築が次々に建てられている。
この本ではそういった大きなプロジェクトではなく、小さなものローカルなものへの関り、そして若き日の挫折が語られる。隈さんへの印象が変わった本。
Posted by ブクログ
グローバルからワールドワイド、効率と拡大から自由と小さなものの多様性にこそ魅了がある。小さいからこそ、外を上手く取り込もうと目が向かう。
東京の街の多くが魅了を失ったのは既存のシステムにもたれ掛かり、変わろうとしなかったから、また既得権益を守るために変えさせなかったことが大きい。
ローンによる土地・家屋の私有は足かせになる。ローンを組んだサラリーマンはそんな自分たちを肯定するためにサラリーマンの価値観を正義として世の中全体に押し付けてきた。その気持ち悪さとそれがまだ続いているのを感じる。住宅ローン減税は既存のシステムの延命にすぎない。
住宅、特にマンションの一階のつくられ方がまちの魅了を壊してきた。歩けること、歩きたくなることがまちづくりには大事。
安っぽいはずの素材で、いかに美しく結晶させるか、それが建築家としての力量。
元気のある街には、学校があって、学生が、若者がいっぱいいる。彼らが街で遊んでいることがすごく重要。
住宅を私有の資産としてだけ捉えるのではなく、暮らしのクオリティを上げる装置、一種の都市インフラとしてデザインしていくことが大切。私有は危険であり、賃貸を上手く住みこなしていく方が今のグローバル経済の中では賢い。
一方で自分の場所を持っていることは企業も個人も大事。
楽しいと思える方向に自分でアクションを起こす。