ラフカディオ・ハーンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
言うことなし!
日本の文化、宗教、言い伝え、価値観が詳しく書かれていて、逆輸入的に日本の素晴らしいところについて知ることができた。明治時代の日本にタイムスリップしたような感じがして、タイムマシンがあるなら、明治時代に戻ってみたいものだ。
最後の章で、日本の教育は素晴らしく、ハーンが勤めた中学から軍に行く学生は必ず素晴らしい日本を作ってくれるだろうと期待を述べていた。ハーンは教育勅語のとおり、政府が子供らを教育すれば、強い日本になると確信していた。よほどのことがない限り、血は流さないだろうとも書かれていたが、結局のところ第二次世界大戦が起こってしまった。
この戦争に関しては、さまざまな要因があると思うが、西洋列強がアジアの植民地化を進めたからという説がある。日本をここまで愛してくれた西洋人がいた一方、非西洋圏を支配しようとした西洋人の大きな力もあった。だからこそ、起こってしまった戦争なのだと思う。
この本に、ハーンの知り合いのイギリス人が年老いた侍を手伝いに雇った話があった。侍を黒人を扱うようにぞんざいに扱ったことで、侍がカッときて刀を不要に抜いてしまい、後に侍の道を外した自分を恥じて自死してしまったエピソードがあった。
これは、人を人と思わず、リスペクトもしないで一方的な力で制圧しようとした西洋人の思想があったのではないかと思う。例え、科学レベルで発展していなくても、文化的に劣っているとは限らない。ミクロ的な視点にはなるが、人を人と思う、文化をリスペクトするということが全ての平和を作るのではないかと思う。 -
Posted by ブクログ
NHK朝ドラで著者小泉八雲がチャーミングに演じられており小泉八雲が気になってきた折、ブグログフォロワーさんによる小泉八雲著「怪談」の魅力的なレビューを拝見
超絶チキン野郎でお化け屋敷やジェットコースターを回避する人生を送っている私だが怪談、いけるのか??いけないのか?!!
一ページ目の小さなお話ののっけから…「けっこう、こええええ…」とおちっこちびりそうになりました
ですが42篇もの小話はバラエティに富んでおり、ファンシーにさえ思う妖精のお話やらもありそれらが小休止となりつつ、時折は恐怖に打ち震えながら読み終えた
「怖い」と一口に言っても様々な怖さが提示される中で、自分は人の情念(特に色恋沙汰の想い)が怖いなと、この本を読み感じた
そして死に方としては首が斬られる、首が落ちるパターンがストレートに結構怖かった…
有名な話しもいくつかあった
「雪女」「ろくろ首」「耳なし芳一」「のっぺらぼう」
など、何と無く知っている話しだったけど、小泉八雲がコレクトした話しを八雲の言葉で再話をして広まっていったりしたんですね ああ実はこうゆう話しだったんだねと確認したりする読書時間でもあった
文体や構成からは八雲が考える「美しさ」が様式となり現れていた
多種多様な文体を享受できる現代に、一つの文体や構成を繰り返し読む体験もなかなか新鮮だった
怪談、、けっこういけた!
いつか娘に面白おかしく話してやろーっと思った読書体験だった -
Posted by ブクログ
ラフカディオ・ハーンの代表的な怪談が42編、テーマ別に全6章に分けられており、池田さんの訳がとても読みやすいです。
第6章は、内匠尽語楼という人の編纂した『狂歌百物語』の翻訳と紹介で、ハーンのイラストつきです。
難しい漢字に振り仮名があり、小学校高学年ぐらいから大人まで楽しむことができます。あとがきも充実しているので、作品理解に役立ちます。
まずは、子供の頃に聞いた「耳無し芳一」「雪女」をあらためて読むことができ良かったです。それ以外に知らない話がたくさんあり、どれも読み応えのあるものばかり。
漫画日本昔話のようでとっても愉快な話(団子をなくしたおばあさん」)、男女のちょっといい話(「衝立の娘」「鏡の乙女」)、心に染み入る話(「十六桜」「乳母桜」「菊花の契り」)、不思議感があっておもしろい話(「果心居士の話」「安芸之介の夢」)などなど、盛りだくさん。
その中でなんと言っても、女性の執念が感じられ、非常にこわ〜い「和解」「因果話」「破られた約束」は、はずせません。
ことわざが引用されているお話もありました。ハーンは、日本の言語文化を本当に深く理解されていると思いました。これらの話が、小泉セツさんとの共同作業により完成されたことを思うと、感慨深いです。 -
Posted by ブクログ
『耳なし芳一の話』
知名度の高い話。琵琶の名手芳一は、和尚も小僧もいないある夜に、武士から「やんごとなき方がお前の琵琶を所望している」と言われて、ついていく。彼らは平家滅亡の壇ノ浦の件になると、いたく涙を流し、七夜通って欲しいと頼む。誰にもこの事を言ってはならないと言われ、芳一はこっそり出かけていたが、ある日ばれてしまう。
再読してわかったのは、芳一の通う期限があったことだ。永遠に琵琶コンサートをやってほしかったわけではない。七日といえば初七日が浮かぶが、呼び出した相手からすれば、とっくにその期限は過ぎている。普通に誰にも知られず七日通えば、無事に過ぎたのでは。それとも七日過ぎて、いよいよこの名手を黄泉へ連れていかんという話になったのか。七日の期限の意味がよくわからない。
また、連れていかれた芳一が、夜な夜なお露と出会ってやつれていった新三郎のように、生気を吸い取られていったわけではない。特に病気になったわけでもないなら、やはり七日行かせてやれば良かったのでは。途中で嫌だといえば八つ裂きにされたかもしれないが、普通についていったら、意外と大丈夫だったという説はないか。墓地で寺男たちに怒ったのも、演奏を止められてエキサイトしていただけでは。
面白かったのは、芳一には連れていかれた先もわからず、聞いている武将や女性の気配や声を感じることができるが、和尚や寺男には彼らの姿が見えず、鬼火が見える。怪かしの世界と現実世界が同居している不思議な空間である。