ラフカディオ・ハーンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
耳なし芳一、ろくろ首、ゆき女、屏風の女、魂よく一日に千里を往く、重くなる赤ん坊…聞いたことがあるけど、読んだことのない話ばかり。改めて日本に息づく伝統の怪談、昔話(しかも有名なものばかり)を読めてよかった。
「翻案」と言っているけど、小泉八雲を通してきくと、そのまなざしの暖かさ、そして時折挟まれる客観的な注釈が入ると、温故知新というか懐かしく温かく、そして新鮮さを感じる。江戸の名残が色濃く残る明治の時代にこういう怪談を人の口から聞き、収集して記述する、そういうフィールドワークって大切なんだろうな。魂の生まれ変わり、死んだ女の嫉妬の話と恋わずらいの話が多い。死と恋ってそういう不思議なものを生み出 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ目次
・はじめに
・東洋の第一日目
・盆踊り
・神々の国の首都
・杵築――日本最古の神社
・子供たちの死霊の岩屋で――加賀(かか)の潜戸(くけと)
・日本海に沿って
・日本の庭にて
・英語教師の日記から
・日本人の微笑
・さようなら
まずラフカディオ・ハーン(小泉八雲)に「ありがとう」と感謝を述べたい。
当時、極東の未開国扱いだった日本の良いところをこんなに見つけてくれて、世界に発信してくれて。
今、誰かが「神の国・ニッポン」などと言おうものなら炎上間違いないけれど、彼が日本にいた明治の後期、日本はまだ神と共に在る国だったんだなあ。
それは、神である天皇のために死ぬなんてことでは全然なくて -
Posted by ブクログ
小泉八雲ことラフカディオ・ハーンが来日当時の日本の文化・生活をつづった随想録。文体は生真面目だけど日常的な言葉遣いで読みやすいです。
西洋化しきっていないかつての日本を事細かに描写していて、実際に見たわけではない風景ながら郷愁を感じられます。
……はいいのですが、随所に挟み込まれる西洋出身の筆者による舌鋒鋭い西洋disで目を白黒させられてしまった。
キリスト教文化に馴染めなかったという小泉八雲がこんなにも日本を愛しているのを見ると、生まれたまま漫然と日本人でいることが申し訳ないというか、自己の郷土愛というものを顧みなければならないような気分になりました…。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ日本文化の価値観をよくぞ見出してくれました。ありがとう。
やっぱ外人だから日本の自然観に違和感を覚えたんだろうな。
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この本に載せられている怪談はハーンがきちんと選んでるってよくわかるね。
怪談ってようは怖い話である。だからより怖いものを創作しようとする。そうすると、路線はグロテスクや怨念にシフトしてしまう。
しかし、ハーンはそういう路線とはちょっと違う日本の怪談をチョイスしていると思う。
それらは日本の自然と融合した「不思議」な話である。
「青柳」「十六桜」「安芸之介の夢」なんか怖いというよりは、蜃気楼のような、不思議なものに出会ったというようなお話である。
でも、そういうお話 -
Posted by ブクログ
明治の頃、実際にあったお話です。
強盗に入り捕まった犯人が、連行中に警察官を殺して逃走した。
やがて捕まった犯人は巡査に引き連れられて、停車場に降り立った。
この犯人を見るべく多くの人々が駅前に集まった。
その時突然、、巡査が「杉原おきびさん、来てますか」と怒鳴った。
すると背中に子どもを背負った婦人がしずしずと前に出てきた。
殺された警察官の寡婦である。
「ぼうや、これがお前のお父さんを殺した人だよ。
ぼうやを可愛がてくれるはずのお父さんがいないのはこの男のせいだよー」
母の肩越しに怖そうに見つめた男の子はやがて泣きだした。
と、いきなり、縛られたまま犯人は地面に顔をこすりつけ、
「ご -
Posted by ブクログ
目次:
はじめに
東洋の第一日目
盆踊り
神々の国の首都
杵築(きづき)――日本最古の神社
子どもたちの死霊の岩屋で――加賀(かか)の潜戸(くけど)
日本海に沿って
日本の庭にて
英語教師の日記から
日本人の微笑
さようなら
ラフカディオ・ハーン略年譜
訳者あとがき
※ 本書は、「訳者あとがき」にあるように、「『知られぬ日本の面影』(Glimpses of Unfamiliar Japan,1894)の翻訳アンソロジー」、つまり抄訳である。「序文」を含め凡そ27篇の原書のうち、本書が訳出するのは11篇に過ぎず、それゆえの「新編」であることを注意されたい。訳者が27篇からこの11編を選んだ