あらすじ
ラフカディオ・ハーンによる唯一の料理指南書。
来日前、1877年からの10年間をニューオリンズで過ごし、米・仏・西の文化が混じり合う独特の「クレオール」文化に強くひかれたラフカディオ・ハーン。
その彼が、持ち前の民族学者的精神を発揮し集めた膨大なレシピをまとめたものが本書である。オクラ入りゴンボ、ジャンバラヤ・・・異国情緒あふれるメニュー400選。
「経済的であると同時に単純」で余り物を上手に使う家庭料理の数々が、ユーモアあふれる達意の文章で紹介される。ハーン自身による挿絵も多数収録。(※日本でも作れる美味しそうなレシピ多数!)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
"料理もまたその手順の一つ一つが科学的に研究されるべきであり、決して成り行きまかせの人生の一コマなどと見なされてはならない。"
冒頭からいきなり暑苦しい。にも関わらず、実際のレシピでは "精いっぱい工夫して、ひたすら巻きあげる"(オムレツ)などアバウトな表現が見られるし、果物をもいでくるところから料理が始まるわんぱくなものもあるし、 "お茶の時間のためのポケットブックス(みんなの大好物)" なんていうお茶目な名前の料理も。
とにかく全体的に突っ込みどころ満載の最高に面白い料理読本。小泉八雲の新たな一面と出会える。
Posted by ブクログ
ラフカディオ・ハーンがニューオーリンズで暮らしていた時期に出版した料理本の再編集版。
四方田犬彦の『ラブレーの子供たち』で触れられていた本!邦訳があったとは。
挿絵などなく、文字がびっしりの昔の料理本。レシピも「台所に立つ人ならわかるよね」というノリがあるので、画像検索しないと正直なかなかピンと来ない。逆に、19世紀の料理再現動画で見たことあるものに再会できたりもした。
ソースやドレッシング、保存食の紹介数がめちゃくちゃ多くて手厚い辺りにハーンの学者魂を感じる。これらのレシピをどんなふうに学んでいったのかは書かれてないけど、訳者が推測するように家庭の主婦や料理番の女性たちから教わったのだとすれば、そこを透明化して更に読者の主婦に説教するような口調なのがウザくはある(当時の料理本はみんなこのノリだから仕方ない)。自分で料理をするような書きぶりだけど、実際ハーンはどのくらいの腕前だったのか。時たま「(美味)」とか「(極上)」とか書いてあるのが可愛い。