パウロ・コエーリョのレビュー一覧
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『アルケミスト』のパウロ・コエーリョによる、旧約聖書の預言者エリヤに題材をとった試練と再生の物語。
寓話的な物語のなかに深い学びのある言葉の数々がしみるコエーリョの作風。しかし本作は、単純に物語として面白い。預言者ではあるがまだ若者のエリヤが過酷な運命に翻弄される姿は冒頭から目が離せない。絶望的な展開から、自己の再生のみならず、自分の住む世界の「再建」に挑む姿は勇気づけられる。そのとき、失われた愛と信仰が蘇る姿に感動した。聖書をまったく知らなくても、キリスト教に興味がなくても、この物語から汲み取れる学びは大きいものがあるだろう。
青少年にはまず『アルケミスト』だが、大人には本作を強くオスス -
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初パウロ・コエーリョ
神話だったのかな。
ふとしたところに「こんな議論したかった」(でもイマドキ誰もしないってーあははー)って思うような言葉や話題が詰まってる。
例えば・・
規則正しく秩序を守り、人にやさしく、思いやりを持ち、上司には笑顔で応え、部下の面倒をよく見・・家庭では笑顔を絶やさず、失敗を笑わず、もちろん怒らず感謝感謝で生きてます~って余裕かましてる風を装って生活できる、そんなやつのほうがよっぽど狂ってるだろ?っていう問題提起でもあるような。
宝物決定。また読みたい。
聖書とかを重んじる世界の人が描きがちなストーリー展開だなーとか読みながらぼんやり思った。
展開は面白くて一気読みで -
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ネタバレ弓道を通じ、佇まいや心のあり方を粛々と説いてくれる。そんな本だと思った。ひとつひとつが深く、何度も繰り返し読んでいきたい本だと思った。宮本武蔵『五輪書』にも通じる、心や技をひたすら鍛錬し続ける、精神力を磨くための本だと思った。
なんでこんな本が書けるのか、とも思った。
ところが、エピローグにたどり着いた時、弓道を通して見ていたものはただ一部にすぎないことを知った。
弓の道が人生そのものではなかった。人には必ず生死があり、精神を磨くことは、常に死と隣り合わせの人生を真っ直ぐに進むための手段でしかなかった。
心が震えた。大切に生きたい、そう思う。 -
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同著者の名作『アルケミスト』を読まれた方は、よりこの本を楽しむことができると思います。サンチャゴの巡礼から帰ったコエーリョは、自伝であるこの『星の巡礼』を描き、そのすぐ後に『アルケミスト』を描きます。サンチャゴへ向かう道の途中の描写は、アルケミストのあらゆる場面を彷彿とさせます。
作者がこれほどまでに強い信仰心を持ち、自己の探求をしていたことに驚きました。序章にて剣を得て特別なものになろうとするパウロに、師が間違いを正し、『普通の人たちが行く普通の道』を諭すことから始まる物語は、特別なものになりたがる私たち人間のエゴをよく捉え、誰もが自分を省みるのではないでしょうか。そして、そのことで、自分 -
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ネタバレ2021.4.7 ノートから転記
ほんとうに面白い作品だった。正直初めのほうは売春をするに至るまでの彼女にそこまで前のめりにならず、こつこつと読んでいったのだが、中盤で一人の画家に出会うところで惹かれはじめた。そしてなによりも痺れたのが、運命的な出会いを果たし主人公がそこから正の方向に導かれていくのかと思いきや、サドマゾという〈痛み〉の誘惑と出会って引きずり込まれそうになるところだ。確かに人ってそんなすぐに正解が正解だと理解して身を委ねられるものでないと思えた。恋、愛、セックスについて、例えばオナニーとセックスの快感は何が違うのかというのを誰にも伝わるように描いていると思った。アルケミス -
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"アルケミスト"で知られるブラジルの作家。豊富なキリシタン知識を盛り込みつつ、青年が夢を追うお話を語ります。
古代イスラエル。フェニキアからやって来た王妃は時の王をたらしこみ、古来の信仰を捨ててフェニキアのバアル神を信仰するよう説き伏せる。やがて弾圧は下々にも及び、のちの預言者エリヤは首を狙われることに。
支援者とともに馬小屋に潜むエリヤであったが、外からは他の信者たちの断末魔。想像の中で何回も死んだというエリヤはついに外に飛び出し…
少年マンガならここで戦いになるところですが、キリシタン説話の世界では教訓が語られます。
○エリヤは自分の冷静さに驚いていた。馬小屋 -
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「アルケミスト」を随分前に読んで、これは最近年末年始に読んだ。彼の作品の中でも宗教色が濃そうですけど、ほほー、と思ったことなど、メモ。
☆『十分にチームを信じていないファンは、すでに勝っている試合でさえも、負けさせてしまうことがある』
☆『人は、誰かが自分を待っている場所に、あるべきときに、必ず行きつくもの。すべてのことに偶然はない。』
☆『正しい決定を下すための唯一の方法は、誤った決定が何かを知ること。』
☆『努力は報酬に向けるものではない。報酬で何をすべきかを知り、そのために努力をする。
☆実は、自らの勝利や幸せの重荷を受け入れられる人はほとんどいない。大部分の人々は、夢が実現できるとわか