パウロ・コエーリョのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ読み終わって、これはベロニカだけでないベロニカとそばにいた彼らの話なのだとわかる。だから読んでいる途中、マリーやゼドカの話が入ってくるがうまく入り込めなかった。ただ終盤のエドアードの話はとてもよくて、素直な自分でいようとする彼と父の会話は自分にも置き換えて読んだ。
けどこの話の本筋は現代で生きなくてはいけない人たちがどうやって自分を存在させて生きていくかというところだと思い、置き換えてしまうと少し小説とはずれる。パウロ・コエーリョは彼にしか描けない輝きに満ちた言葉を放てる作家で、読むと共感とともに思い切り背中を押してくれるような小説をこれまで読んだ。ベロニカは死ぬことにした、はたしかに共感はあ -
Posted by ブクログ
読み始めは物語の中に入るのに少し苦労した。最後までとても安定している小説。紀元前九世紀という、イエスキリストより昔の話、旧約聖書の数少ない資料を元によく作られている。
当時の人々の文化、信仰、思考は、現代の我々にとっては突拍子が無く、無知であるという印象もあるが、同時に人間の本質は今でも全く変わらない。物が溢れテクノロジーの発達した現在や未来でも、環境が変わっても、人間そのものは変わらないということだ。災害や戦争、死が起こってしまうのは決められていたので止められない。しかし、そこから学ぶこと、常に自分で選択して戦っていくことをやめてはいけない。そこで諦めて屈してしまったら、そのまま過去を捨て