パウロ・コエーリョのレビュー一覧

  • ベロニカは死ぬことにした
    海外の作品でその国の環境や思想等の感情移入がしにくい。
    また、一人称が複数形式の構成も。
    だが、死の期日を意識してからの精力的に生きるベロニカの心情や、ゼドカの狂気とは自分の思想を周囲に伝える能力の乏しさが招くものという考え方は、明日からをポジティブに生きるための教訓になり得ると感じた。
  • 悪魔とプリン嬢
    「条件さえ整えば、地球上のすべての人間がよろこんで悪をなす」

    人間には良い天使と悪い天使がいて、葛藤しながら選択しながら生きていく。
    悪が根底に存在すると同時に善も存在する、人間の表面でもあり深層でもある部分に光が当てられた作品でした。
  • 第五の山
    読み始めは物語の中に入るのに少し苦労した。最後までとても安定している小説。紀元前九世紀という、イエスキリストより昔の話、旧約聖書の数少ない資料を元によく作られている。

    当時の人々の文化、信仰、思考は、現代の我々にとっては突拍子が無く、無知であるという印象もあるが、同時に人間の本質は今でも全く変わら...続きを読む
  • 星の巡礼
    宗教的かつ哲学的で人を選ぶ作品と言えるかもしれない。主人公が巡礼の旅の途中で人生における教訓を学んでゆき、人間的に成長していく様が描かれている。作中に度々登場する「偶然」という言葉が一つのポイントと言えるだろう。同著者の名作「アルケミスト」で語られた「前兆」という概念との繋がりを感じる。パウロ・コエ...続きを読む
  • ブリーダ
    再読。(読んだ記憶はあるが、内容は覚えていなかった)
    オカルト的な部分はやはり苦手。
    小説として面白いというより、挿入エピソードで共感できる部分がたまに出てくる、くらいな本。
  • ベロニカは死ぬことにした
    美しく知的なベロニカが後半そのままにか弱い振る舞いをする時、「ベロニカ」や「彼女」ではなく「女の子」と表記するところが好きだった。憂鬱についての多くの文には、新鮮さは特に感じなかった。
  • ベロニカは死ぬことにした
    死に直面することは最良の生をもたらす。
    人によく思われ行儀よく思いやりにあふれる人でありたいと、誰かに遠慮して無難に生きることは自分を殺すことだ。
    自分を解放し、人に失礼かどうかなんて考えず、思うように生きろ。誰かに狂ってると思われても気にするな。

    自分のスペースのために戦ってる野生動物の姿に少し...続きを読む
  • 星の巡礼 Anniversary Edition
    映画『星の旅人たち』でコンポステーラ巡礼を知って以来、気になっていた巡礼。書店でこの装丁が目にとまり、巡礼についての物語ってことで購入。
    映画のようなカジュアルな内容を予想していたけど、かなりスピリチュアルなストーリーで驚く。割と頑張って読んだ。
    著者の巡礼は、狂気を伴う苦行に近い。
    著者はブラジル...続きを読む
  • 悪魔とプリン嬢
    一週間の間で善悪の戦いを引き受け生まれ変わる異邦人とプリン嬢の物語。村の人たちの心変わりする様があまりにも簡単で怖い。異邦人は答えを見つけられないまま村を出ると言ったけど結局人は本質的に悪で、それを抑えるかどうかにかかってるってことなんだな、というのがそのままメッセージなんだろな。私も恐れがなければ...続きを読む
  • 11分間
    感想を書くのは難しい作品だけど、
    私はあのラストシーンは好きじゃないなぁ。
    どうなるのかと期待していただけに、興醒め。
  • 星の巡礼
    「アルケミスト」のパウロ・コエーリョさんの作品。アルケミストは創作物だけど、こちらは自伝とのこと。無宗教の僕にとって、その真偽のほどではそれほど重要ではないが、この宗教色の強さで、最後まで読めない人も多数いるだろう。「アルケミスト」は宗教色とメッセージを分離して読めたが、こちらはそうもいかない。現実...続きを読む
  • ピエドラ川のほとりで私は泣いた
    キリストを信じるまでは感情移入できるが、二人とも神の存在や愛の存在に包まれてからは置いてけぼりにされた感覚になるのが正直なところ。自分が宗教について真剣な気持ちを抱けないのが原因なのだろうけど。
  • 星の巡礼
    すべて本当の出来事だとは俄かに信じられない自分がいる。小説を書く上での味付けや、トランス状態からくる幻覚なんだろうと思ってしまう。しかしそれらの現実性を否定できるほど自分は本気で祈り、夢見てきただろうか。
  • ピエドラ川のほとりで私は泣いた
    理解をすることは出来るが、それを感じ、本当の意味で知ることは出来ない。

    信じることは私には出来ないが、信仰に寄り添い生きる人生を羨ましく思う。

    そしてそういった事に左右される人間同士の愛というものは、あまり美しいとは思えない。
  • 11分間
    パウロ=コエーリョによる性についての前衛的であるようで、宗教的な断片。他の著作と同じように貞操観念が薄く、体面以上の自尊心をまだ見つけられない若い女性が主人公。小さな好奇心と、人生を単純に考え過ぎたはずみから娼婦の道を進むようになり、様々な男との経験と、特別な男との出会いから、性と生を見つめなおす話...続きを読む
  • 星の巡礼
    自分探しをする旅で様々な試練や課題に立ち向かう。全体的に精神的な試練を克服していくものであるため、宗教観の違う日本人にはなかなか受け入れがたい。
    アニメ化とかしたらおもしろいのかも。
  • ピエドラ川のほとりで私は泣いた
    パウロ・コエーリョ2作目。語り口が優しくて、理屈じゃなくエモーショナルで何故か引き込まれる。私の心に触れるようで触れない、少し別のところを流れる感覚がもどかしい。これは非常に宗教的な切り口の作品。男の立ち位置が何故か嘘くさくて好きになれなかったが、泣き出しそうな文体自体に、何かあるのではないかと読む...続きを読む
  • 悪魔とプリン嬢
    目先の価値と本質的な価値を混同してしまうと自分を見失ってしまう。すっごく魅力的な外側は大事なものを忘れさせてくれるね。
  • 悪魔とプリン嬢
    時々いい言葉がある。
    ただコエーリョの中でもっとほかにしっくりくるものがあるのであまり印象に残らない。

    人が善の価値を理解するには悪が姿をあらわす必要がある。

    全ては抑えるかどうかにかかっていた。そして何を選ぶかに。問題はそれだけだった。
  • 星の巡礼
    何度もトライしては挫折していた一冊。

    今回、本の縁かしら、奇跡的に最後まで読むことが出来ました。

    “剣を手に入れることじゃなく、剣を手に入れて自分が何をしたいかが大事”っていうの、すっごく心に落ちてきた。これはこれからも自分に問いかけていくと思う。そして、なぜそのことをしたいと思うのか?というこ...続きを読む