パウロ・コエーリョのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
スペインの片田舎で暮らす女性が、ずっと昔に都会へと出た幼馴染との再会するところから始まる物語。修道院に入り奇跡の癒し手として活躍する彼の導きで、神の女性性と自分の中に眠っていた愛の信仰心に目覚めてゆく姿と葛藤を描く。
神の女性性が繰り返し語られる神秘性の強い作風で、"彼"はキリスト教が新たな段階へと至るために使わされた先駆け者であると幸島の猿の逸話(イモ洗い行動をする猿が一定数を超えると一気に全体の共有知識となった。とされるニューエイジ論)も引きながら語られる。そこが彼の苦悩の元でもあり最後の唐突な主人公の女性との立場逆転へとつながっていくのだが。
まあ、宗教色を除けば幼 -
Posted by ブクログ
キリスト教秘密結社の最終試験に落第し魔法の剣を手にし損ねた主人公が、剣を手にするための追加試練としてスペインのサンチャゴ・デ・コンポステーラの巡礼路を旅し、数々の神秘体験を経て真の教えに目覚めていくまでの物語。
キリスト教の下地を持たない人間には越えられない壁も感じるが、本の中で語られるRAMの実習はメディテーションの類と思えるし、神秘体験の数々もアニミズムの側から見ればもっとしっくりくる気がする。と、頭(知識)中心で考えることを主人公は咎められてもいたのだが。。。
自分自身でこの神性を感じないと自らの血肉にするのは難しいだろうが、ざっくりいうと大いなる意思と一体となり、自分の人生は自分が主人 -
Posted by ブクログ
自身が無神論者だからなのか、またキリスト教に関しても不勉強なため、理解が難しい話だった。
スピリチュアルな精神的な描写が多く、想像が至らず、物語を追うことはできたが、この本の本当に言いたいことは読み解けなかった。
主人公と幼馴染の「彼」が急に愛し合うようになったりするが、そこへ行き着くまでの描写もあまりなく、ラブストーリーも置いてけぼり感が否めなかった。
またプラトニックな愛(敬愛・博愛)がテーマかと思いきや、性愛もほんの少しだけ描写があり、、、突然すぎて頭が追いつかなかった。
著者の「弓を引く人」の準備運動として本作を読んだが、単行本は買わず文庫を待とうと思う。