パウロ・コエーリョのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
自分の人生を生きたい人に力を与えてくれる本。
キリスト教色がつよくて
少し難しくも感じるが困難と再建の物語として
生きるヒントがちりばめられている。
ストーリー…
混乱したイスラエルで
イゼベルが王妃に即位すると、
主の信仰(イスラエル信仰)から
レバノンの神々への信仰(バアル信仰)に
変えるように迫った。
そんな折、エリヤは天使の言葉をきく。
「イスラエルの神は生きている。
私の言葉が守られない間は、
雨も露も一滴の水も降らないであろう」
この預言を王に伝えると、王妃イゼベルは
改宗に従わない者を処刑し始めた。
エリヤは殺されるはずだったが
弓矢が逸れて助かることに。
逃れた砂漠で -
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人は生きている間中、自分の意思ではなく、他人と共存していくことにほぼ力を注いでいる。やりたいことを存分にやり遂げたと言える人は、果たしてどのくらい居るのだろうか?
自分の意志と他人からの期待との狭間に生まれる軋轢の火花の大きさが狂気を生み出してしまうのだとしたら、望みを叶えることにも他人を思いやることも、どちらにも生き方の答えを見出すことはできない。
最後の数ページのどんでん返しには、してやられた。謎の医者、イゴール博士の実験の意味も最後にようやくわかった。
ベロニカの迫りくる死の瞬間に、息を詰まらせながら読んでいたが、読後感は素晴らしい本だと感じ、最初とは別の目で、もう一度読み返した -
Posted by ブクログ
あの『アルケミスト』のコエーリョが?と、ずっと気になっていた本は、その名も『不倫』。
出版当初に賛否両論の的となったこのタイトルから、内容も大きく外れはしない。
しかし、主題は恋愛などではない。
曰く「世界でも有数の安全な国」に暮らすリンダは、ジャーナリストとして有力新聞社に所属。
聡明な彼女には二人の子供と、国内でも指折りの資産家である夫が居る。
夫は結婚から十年が経過した今でもリンダを情熱的に愛しており、二人は常に世間の羨望を集めていた。
しかしリンダは、とあるインタビュイー(解説によるとコエーリョ自身が投影されている)の一言から、現状を疑問視し始める。
日々、増していく倦怠感 -
Posted by ブクログ
武道の中では、人気の上がってきている弓道。アニメやドラマ、映画にも登場することがあったからか、毎年入部希望者が増えてきているように思う。そんな弓道の見た目の格好良さだけでなく、心の在り方を教えてくれるのがこの作品だと感じた。
ただ、弓道をやったことがある人には学ぶことが多いと思うが、やったことがなければさらっと読んで終わりになってしまいそう。
弓の精神性は、言葉にするのは難しいし、あたりを求めるとつい疎かになる点でもある。あたればいいんでしょ?という気持ちで引いている人は、射形が美しくない。難しいテーマであるが、この作品を読むことで自分の心の在り方を振り返ることができたら、良い弓引きとなれ -
Posted by ブクログ
題名の『11分間』の意味は?
この小説の主人公は、ブラジルの若い女の子。
ひょんなきっかけからスイスに渡り、売春婦になる。
1年だけ。1年だけと決めて彼女は売春婦を続けるうち恋をしてしまう。
その恋の結末はイコール小説の結末なので書くのを控えるが、『11分間』というタイトルの意味は書こう。
その売春婦をしている彼女は言う。
一晩の彼女の相場は350スイスフラン。
いや、一晩は正しくない。一人のお客で350スイスフラン。
一晩というのは大袈裟だ。実際は45分で350スイスフラン。
服を脱いだり、親しげなそぶりをしてみせたり、他愛もないことを話したり、また服を着たりする時間を差し引けば正味の