愛の物語です。
まじめに勉強して資格を取り、堅実な結婚をするつもりだったスペインの女性・ピラール。
好きだった幼なじみの彼に12年ぶりに再会し、心が揺れる。
集会で講演をしているので、マドリードまで会いに来て欲しいと手紙が来たのだ。
いつどこへ行くかわからないような男性とは結婚対象にならないからつき
...続きを読むあえない、でも一度ぐらい一緒にいて思い出にしても…と警戒し迷いながら、彼の魅力に引き込まれていく。
彼の方もどういうつもりなのか?彼自身にも迷いがあるのですね。
修道士となってある癒しの力を得たが、ピラールがかけがえのない女性と悟り、共に来て欲しいと望む。二人が生きる道はあるのか?
用心深い彼女の殻が壊れていく過程が丁寧に描かれます。
脅えや計算に固まった過去の自分を「他者」と捕らえる視点が鋭い。そこから解放され愛に満ちた自分が、本当の自分だと。
信仰とは何か。
どんな宗教もたどり着く所は同じだと。それと、宗教団体を作ったのは男性なので、女性原理が軽視されている、母なるマリアは神だという視点です。
正直な生き方とは?
美しいシーンと言葉の数々に心が洗われるよう。
奇跡と幸福と勇気を巡って、これはかなり特異な状況だが、ずっと程度は浅くても、誰しもどこかで思い当たることがあるのではないでしょうか。
人が少しずつ愛に目覚めて、世界が良い方へ変わることがあればと‥
パウロ・コエーリョは1947年ブラジルのリオデジャネイロ生まれ。ジェスイット派の学校で教育を受けるが、反発。親の薦めで法律学校に進むが、ヒッピーの影響を受けて退学、3年間放浪。
1981年人生の師に出会い、スペインのサンチャゴに巡礼する。
1987年最初の単行本を発行。
世界的なベストセラー作家です。