あらすじ
セックスなんて11分間の問題だ。脱いだり着たり意味のない会話を除いた”正味”は11分間。世界はたった11分間しかかからない、そんな何かを中心にまわっている――。
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Posted by ブクログ
アルケミストにハマらなかっただけに衝撃を受けた。怒涛の読書体験で完全に圧倒された。全てが熱くて燃えている一冊だった。ああやってオープンに話せる人をパートナーにほしい。「当たり前」に疑問をもちそれについて話すことをためらわない人を。最初のペンのエピソードから、なにからなにまで魅了。
最後は、あそこで途切れるから良いのにという思いが、特に私も「終」の文字のあとを想像してしまうからこそ、思ったけど、最高にhopeless romanticでもある。ロマンチックを信じている人だからこその作品。
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2021.4.7 ノートから転記
ほんとうに面白い作品だった。正直初めのほうは売春をするに至るまでの彼女にそこまで前のめりにならず、こつこつと読んでいったのだが、中盤で一人の画家に出会うところで惹かれはじめた。そしてなによりも痺れたのが、運命的な出会いを果たし主人公がそこから正の方向に導かれていくのかと思いきや、サドマゾという〈痛み〉の誘惑と出会って引きずり込まれそうになるところだ。確かに人ってそんなすぐに正解が正解だと理解して身を委ねられるものでないと思えた。恋、愛、セックスについて、例えばオナニーとセックスの快感は何が違うのかというのを誰にも伝わるように描いていると思った。アルケミストはもちろん大好きだが、じっくり読もうとしたうえでこの本も大好きだった。ほんとうに苦しいときに、この本は僕を救う。
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感想を書くのが難しい。
描写の生々しさが伝えてくる情景や感情がすっとはまることもおおくて、あぁ、わかる、素敵、と思う場面がいくつかあった。
時々のマリーアの日記からも、背伸びをして大人になっていっていると自分に言い聞かせて、自分を騙して深入りしないようにして、他人の期待と自分の夢との葛藤、理性を超える瞬間、新しい経験、二十歳前半の女の子ならではのむず痒さ。
面白かった。
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パウロ・コエーリョはすごい。
なんかいろいろ考えさせる。単純に言えば1人の女が幸せをつかむ物語なのに。
本当の愛は思わぬところからやってくる。そして、硬くつながれる。そして、それが見えたり、見えなかったりするから不思議だ。
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これは何の時間かというと、一人の娼婦を買って、実際に性行為をする時間である。
エロティックな話なのか?と言われると、どうだろうか。
ポルノグラフィではないけれど、多分に性的なものを含む。
緩やかに流れる時間というものを深く感じた。
いやー。この話の出だしから、エンディングで驚かされたけど納得もした。すごい。(感想の最後が急に安っぽくなって台無し感が凄い)
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苦手だったパウロ・コエーリョ。寺山修司好きの女子に「女性が男性に読んで欲しい猥褻な本」という不純な動機で読み始めたが人生の示唆に富んでいて凄かったの一言。一度整理しないと他の本を読めないので、一旦レビューしとく。
この本はエロ本であると同時に聖書である。堕ちながら高まっていく相反する世界を描写していく。特に、自意識に悩んでいたり、自己否定している人には赦されると思う本だと思う。性描写に眼が行きがちで、たしかに生々しいが、それは鞭を打たれるキリストを描写するのと同じ如く、ただの状態をある意味正しく表現したに過ぎない。
相反する要素は、実は表裏一体であり、それに気づき学ぶことは身を持ってしないとわからないが、この表現力の豊かさによって読者は主人公に起きることを客観的、そして主観的に感じることが出来る。
僕は、この本を読み終えて、赦されたと思った。読後感に救いがあった。
もちろん、主人公がサディスト側に回る伏線の回収が無かったり、道の真ん中で突然、主人公が一人でオーガズムに達するとか、最後が救いがたいほどメルヘンチックだったりするのだけれど、結果は他者のためであり、過程は自分のためにあるなど、いささか極端で、だからこそ分かりやすい。
誰にも勧める本ではないけれど、僕の中ではすごくよかったとしかいえない一冊。
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再読。テーマはセックスだし、電車の中で読んでいて恥ずかしい部分も多いが、個人的に好きな一冊。宗教嫌いな人は無理かも。
ちなみにパウロコェーリョ好きな人には遠藤周作もオススメ。
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あっ!という間に読み終わった!
セックスの話ではあるけれど、愛とか、思いやりの話だと思う。あと男と女について?
個人的にはマリーアの日記が入る進め方もお気に入りです。
ラストは賛否両論かもだけど、私は好きだな。
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売春婦の恋の物語。性的な表現が多いため好き嫌いが分かれそうな作品であるが、個人的には非常に楽しませてもらった。主人公である女性の心の機微をここまでリアルに描いている(ように思われる)パウロ・コエーリョに感嘆してしまったことが、この本の第一印象である。また、決して俗悪な話ではなく、精神性の高い女性の生涯を高貴に描いているところが私好みであった。
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題名の『11分間』の意味は?
この小説の主人公は、ブラジルの若い女の子。
ひょんなきっかけからスイスに渡り、売春婦になる。
1年だけ。1年だけと決めて彼女は売春婦を続けるうち恋をしてしまう。
その恋の結末はイコール小説の結末なので書くのを控えるが、『11分間』というタイトルの意味は書こう。
その売春婦をしている彼女は言う。
一晩の彼女の相場は350スイスフラン。
いや、一晩は正しくない。一人のお客で350スイスフラン。
一晩というのは大袈裟だ。実際は45分で350スイスフラン。
服を脱いだり、親しげなそぶりをしてみせたり、他愛もないことを話したり、また服を着たりする時間を差し引けば正味の時間は11分くらい。11分で350スイスフラン。
11分。世界は、わずか11分しか、かからない出来事を中心として、そのまわりをぐるぐる回っているのだ(文中より引用)
この本の主題 それは、まさにセックスと愛なのだが、娼婦のような職業が彼女のような生温い態度で勤まるのかどうか疑問だし、簡単に足を洗える環境と本人の強い意志があるのかどうかもわからない。
けれど、コエーリョは、主人公を理知的な向学心のある女性として描こうとしているし、彼女は特殊な売春婦だったのかもしれない。
11分というのは、個人差があり、性差によっても意見は異なるのかもしれないが、
「11分の出来事を中心として世界は回っている」と書ききるコエーリョは潔い。
売春婦という職業は人の最古の職業のひとつとされている。
このブラジル娘は就業期間が短く高級娼館で働いているので、職業的悲壮感はあまり伝わってこない。
そのあたりコエーリョのペンの力なのだが、
この小説は、主人公の日記と挿入された文章によって構成され、その文章の方が日記のように感じるのはなぜだろう。
どちらにしても『11分間』という斬新な発想がこの小説の主題を貫いていることには間違いなく、愛の実在感は俗なるものを聖なる手触りに変化させる必然性をコエーリョは描きたかったのか。
Posted by ブクログ
ブラジル人女性のマリーアが、11分間の営みから時間の使い方と自身の本当の欲望、本来の姿や愛について学んでいくお話。
主人公がアルケミストに影響されてるw
自分から進んで人生のジェットコースターに乗っていること、機械は制御されて安全を確保されているものということ。
魂の緊張を解きほぐす
ターミネーター型 自分の欲望に忠実で自意識過剰
プリティウーマン型 欲望を内に抑えつけている表面いい人
ゴッドファーザー型 フラットで線引きされたやりとり
純真な少女、運命の悪女、慈愛の聖母
本当のセックスとは
自分のことしか考えていない、世間のこうあるべき姿に従うだけ、誰かのために自分を犠牲にする、ただの性欲のはけ口、
本来はお金を払わなくても得られるもの
お互いを所有せず、自由に基づいて互いを捧げあう、ただの愛。
男性も、女性も関係なく、誰もが自身を探している。
本当の自分を知るためには一度無を知る必要があるのかもしれない。
暗闇の中の食事は五感を研ぎ澄まされるというが、それと似たものかもしれない。
考えずに感じる。
求めていたものに出会う
惹かれ、褒め称え、同じ時を過ごす
しかし自由で孤高な存在に恐れを覚える
いつか私を置いていくのではないかと
自分の届かない所まで行ってしまうのではないかと
恐れから孤独が生まれ、嫉妬し、束縛する
私だけのものであれと
そして愛するものに閉じ込められる悲劇
手に入れ、そして関心を失っていく
囚われた方も人生の意味を奪われやつれていく
なぜ惹かれたのか
それはありのままの姿に対するもの
その体ではなく、発されるエネルギー
閉じ込め、所有すると奪われる自由
いつでも帰ってこられるように、ただ手放す
すると自由な姿にまた惹かれる
目が見ないものを心は感じとる
所有されながら、所有しないでいる。
俗を知り、聖を知る
世の中は表裏一体
またも今の私に必要な本だった
アルケミストより難しかったけど
マリーアの言うことにわかりみしかない。
自分の欲望の実現の後回しよりも、大半を占めている中身の話が私にとっては重要だった。
私にとっては、すでにその罠から抜け出している話だったから。自分の時間は買い戻せない。
ある大きな決断をした時から、私はやめる必要がある時に切り上げられてきてる気がしてるのだけど、切り上げ時は思ってた以上に難しいことなのかもしれない。
意外と外国も性についての扱いは日本と大差ないところがあるのかもしれない。
11:11などエンジェルナンバーが続いていたが、やはりツインレイの魂のセックスの話だった。
女性は自分の思うままに突き抜けて行動していいのだ。
あともう少しで見えそうな世界。
Posted by ブクログ
たった11分間のこと。
ただその11分間に人間は、振り回されている。
のかもしれない...。
日本では、セックスの話題について、
オープンに話すのは、余り好まれないかもしれないが、
多くの人間が、悩みを抱えているのではないか?
秘密にしなければならない。
人には言えない何か。
僕の中では、読んで心が落ち着いた。
でも、コロナウイルスが落ち着いて、
夏になれば、煩悩と肉欲に悩む毎日がやってきて、
支配されてしまうような気がする。
この本について、会話ができる異性の友人がいたら、
素晴らしいことではあるだろうが...。
僕にはいない。
Posted by ブクログ
とても良かったです。
最後のラストの展開はちょっと納得いきませんでしたが。文章がとてもよかったです
性描写の所はそんなにいやらしくなくて
好感が持てました。
Posted by ブクログ
少女の成長の過程と性(愛?)の描写。
プロとして女の成長と遍歴の物語。
性⇒聖に結びつくもの。
楽しかった!
11分間
題名の由来は予想できたかもしれない。小説は入れ子になっている。マリーアは神?新教の世界である。
男の視点から、女の視点から。
若さはブランド&記号。逆向きの時間。
女の目覚め、悦び。共感、シンクロ、同情、理解。
外観ではない男、女は内面が見えるのか?物理的、心理的な時間も。
支配するものと、支配されるもの。機能と役割。
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何年かぶりに読み直した本。節目には読みたくなるコエーリョ。 前は「嫌な場所から抜け出して自分の行きたいところへ踏み出してみなさい」というコエーリョ節が響いて会社を辞めるきっかけにもなった本。それなりに自分のやりたい事をやれている今でも読んでみると、発見がある。ただ、それは昔響いた所とはちょっと違う。 惰性で生きている人たちを否定してしまいがちだけど、マリーアはこの小説のあと、緩やかな惰性に入っていくのではないだろうか。惰性と冒険の繰り返し。その二項対立は年を取るごとに境界が曖昧になっていく。痛みを共有することから得られる快楽を強く否定する理由が気になった。愛の形は人の数だけあると思いつつ、痛みを味わった人は一度は痛みを共感してもらわないと抜け出せないのでは?と思ってみたり。でもそればかりで一生終わるのは嫌だなと思ってみたり。自分以外の人間を否定する文句は色々ある。結局そういった変位を作る事でしか生きる躍動感は生まれないものなのだろうか。 人間に意思があるなんて言う事をふと忘れてしまいそうなときに、色々と自問させてくれる本。そろそろ卒業かな、とおもいつつ。
Posted by ブクログ
難しかったです。まだ理解出来ない部分がありました。
それにそんな簡単にまとめていいのかよ。とか、体験しなきゃ絶対わからないよね。ていうのもありました。
でもそんな事いっても止まらずに読みきってしまいました。
興味深い内容と興味深い文でした。面白かったです。
Posted by ブクログ
売春婦の一年を書いた本。ブラジルから出てきてスイスで働くわけだが…。クライマックスがとても面白かった。途中はまぁまぁな感じだけど、最後が良かったので、評価あげました。間が空きつつ読んだので、多少うろ覚えではあるけど、一度に読んだら結構面白いと思う
Posted by ブクログ
タイトルと、冒頭の書き出しを見て購入。
感想は端的に言えば、難解でもあったし、ふーん、そんなもんなんだ、と妙に納得するところもあった。
愛、セックス、金、女、男。汚い話なのかもしれない。それでも、そんな汚い世界でも自分を求めて学び、求め、ひしめき合ったマリーアには感銘を受けた。
全体的にはそこまで難しくもないが、日記を通じて自問自答する部分はなかなか考えさせるものがあった。
Posted by ブクログ
2012年04月 02/26
物語が日記と交互に書かれています。
新たな旅たちを迎える時に読むのがよいかもしれません。
かなり官能的ではありますが。
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とても危険で綺麗な心を持った、一人の娼婦のものがたり。
セクシーという言葉はエロティックという意味ではなく能動的感性であるとして、この娼婦はとてもセクシーだよん。
Posted by ブクログ
2008年6月12日購入
この小説は面白いがアルケミストに比べると
脂身が多いように思う。
それにしてもカバーのおっさんの写真は微妙である。
正直、不要であろう。
なんでこの内容で作家の顔写真がいるのだろう。
イメージが躍らなくなる。
LUSHに来ていた作家の爺さんみたいに
女装して別名で出せ〜と思う。
Posted by ブクログ
「セックス なんて11分間の問題だ。脱いだり着たり意味のない会話を除いた“正味’は11分間。世界はたった11分間しかかからない、そんな何かを中心に回っている(本文より)
あの「アルケミスト」のパウル・コエーリョさんが、セックス というデリケートな問題について取り上げた。「性」の問題に合わせて、女性の生き方、人生の選択について問いかけているように思えた。
ブラジル人の娘がスイスで娼婦となり、そこから様々な人の生き方を覗き内省する。そして、運命の出会いが・・・(性的表現多め)
Posted by ブクログ
パウロ=コエーリョによる性についての前衛的であるようで、宗教的な断片。他の著作と同じように貞操観念が薄く、体面以上の自尊心をまだ見つけられない若い女性が主人公。小さな好奇心と、人生を単純に考え過ぎたはずみから娼婦の道を進むようになり、様々な男との経験と、特別な男との出会いから、性と生を見つめなおす話。
独特な潤いのある語り口と宗教的信条が印象派的に光る世界観は同じみ。ちょっと長すぎる感がある。200ページ前後でおさめられていればもっとよかったと思う。
2014.12.9
Posted by ブクログ
まっとうなラブストーリーでした。
エンディングも素敵です。
愛とセックスについての考察のうち、特に苦痛と快楽についての考察が気に入りました。良著です。