あらすじ
【『アルケミスト』の著者、パウロ・コエーリョが贈る「人生を実り豊かにする」教え】
この国で最高の弓の達人である哲也は、現在、小さな村の普通の大工として生きていたが、
ある日、遠い国から来た別の弓の達人から挑戦を受けた。
哲也はこの挑戦を受けることによって、その弓の達人だけでなく、村の少年にも弓の真髄を
教えるのであった――。
「矢は一本一本、異なる飛び方で飛翔する。
あなたは何千本という矢を射ることができるが、
その一本一本が異なる軌跡を描いて飛んでゆく。
それが弓の道なのだ。」
プロローグ
仲間たち
弓
矢
的
姿勢
矢の持ち方
弓の握り方
弓の引き方
的を見る
矢を放つ瞬間
繰り返し
的に向かって飛翔する矢を見る
弓も矢も的も持たない射手
エピローグ
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
弓道を通じ、佇まいや心のあり方を粛々と説いてくれる。そんな本だと思った。ひとつひとつが深く、何度も繰り返し読んでいきたい本だと思った。宮本武蔵『五輪書』にも通じる、心や技をひたすら鍛錬し続ける、精神力を磨くための本だと思った。
なんでこんな本が書けるのか、とも思った。
ところが、エピローグにたどり着いた時、弓道を通して見ていたものはただ一部にすぎないことを知った。
弓の道が人生そのものではなかった。人には必ず生死があり、精神を磨くことは、常に死と隣り合わせの人生を真っ直ぐに進むための手段でしかなかった。
心が震えた。大切に生きたい、そう思う。
Posted by ブクログ
弓道を通じてパウロ・コエーリョの心を震わせた、精神の安寧を獲得するための生き方を表現した絵本。クリストフ・二ーマンによる挿絵は、幾分か哲学的な雰囲気ですが、文章の方は想像力を増幅する言葉の多重放射が弓道の心得を通じて語られる。翻訳の文章が断定的な言葉使いなので、達見した感じを与え、そこから人生訓のような意味を見いだす人もいるのかもしれませんが、自分は弓道の動作、姿勢から思い出された、作者の経験との連想が淡々と綴られた散文詩のように受け止めました。読む人により感想の振れ幅は大きな本だと思います。
Posted by ブクログ
武道の中では、人気の上がってきている弓道。アニメやドラマ、映画にも登場することがあったからか、毎年入部希望者が増えてきているように思う。そんな弓道の見た目の格好良さだけでなく、心の在り方を教えてくれるのがこの作品だと感じた。
ただ、弓道をやったことがある人には学ぶことが多いと思うが、やったことがなければさらっと読んで終わりになってしまいそう。
弓の精神性は、言葉にするのは難しいし、あたりを求めるとつい疎かになる点でもある。あたればいいんでしょ?という気持ちで引いている人は、射形が美しくない。難しいテーマであるが、この作品を読むことで自分の心の在り方を振り返ることができたら、良い弓引きとなれるのではないか、そんなふうに思った。