奈良千春のレビュー一覧
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もう二度と会う事は無い筈の過去の事件に拘った人物とのピースが次々埋まって行きます。
元暴力団員で金貸しだった中尾一家殺人事件を端に発して、事件は意外な展開を見せます。
橘田と高平の人生をも変えてしまったあの殺人事件が時効を過ぎた途端、再び手がかりが見つかって。
橘田の義弟でありルポライターである倉橋が事件の手がかりを掴むのに大活躍します。彼の関西弁は頑な心も癒しますね、憎めないんです。
彼も突然橘田に捨てられて、受かった大学も中退し、その後上京して編集になったはいいけれど会社が倒産で今に至る。という感じで結構苦労しているのにも拘らず他人に優しくできる良い性質の男です。
恨み言の一つでも言っていいのに、再会したら焼け木杭に火なのか少しお痛をしてしまうのですが、それでも忙しくて留守がちな橘田の為にお部屋の掃除、洗濯、アイロンがけと立派な奥さんですよね〜
そんな二人のほのぼのとした関係も事件が進むにつれシリアスに。
時効の壁は未だ高い、犯罪被害者には犯人検挙も時効も身に請け負った傷は癒せないんです。
独りよがりの犯罪の陰に泣かされた沢山の人々を思うと切なくて仕方ないです。
中判迄夢中で読んでいて、これは面白い刑事物だと思ったのですが??いやいや、これ女性向けファンタジーの部類ですよね?
そして真犯人は静かに長い間身近に居たのです。。。
どちらにしろ深みのある面白い作品でした☆〜 -
Posted by ブクログ
「リセット」という題名が気になります。
重い過去を抱えて、手を差し伸べてくれる側にいる大切な人の手を
自ら断ち切って警視庁のキャリアとして働く橘田が痛々しいです。
衝撃的な過去を抱えているせいか他人とは一線を張って生きている
彼が切なかった。
狂気と現実の境に何度もいたのであろうと。
それを支えてくれたたった一人の親友に負わせてしまった痛みをどれだけ悔やんでいるのでしょう。自分も十分に苦しんでいるのに。
その親友の前から姿を消して、父親の再婚相手の息子とも情を交わしてしまうのだけれど、それもまた断ち切ってしまうのです。
不眠症で誰かの助けがいる筈の彼が精一杯頑張って断ち切ってきた絆が、偶然なのか必然なのかある一家惨殺の事件で再び繋がってしまいます。
これからどう事件が展開していくのか、再会した親友高平は、またあんなにも慕われて身体の関係もあった義弟がどのように絡んでくるのか次巻が楽しみです☆ -
Posted by ブクログ
「交渉人」シリーズのスピンオフ。長身で無口で日本人離れした容姿の紀宵と、ちっちゃくてかわいいのにそう言われると激怒する「狂犬チワワ」智紀です。
本編読んでるときには、じゃれてるままでずっと行くんだろうなぁと思ってたら、まさかのcp成立。この二人をどうやってくっつけるのかな?と興味津々でかぶりつきました。
本編の大人な兵頭×芽吹とは違って、若さとエネルギーあふれるキヨ×トモのラブストーリーです。
二人に降りかかる難事件や恋愛に対して真正面からぶつかっていって、時に暴走して、ハラハラしてしまうけど、目が離せないかんじですごくよかった。
二人の生い立ちや過去が仔細に描かれていて、それが現在の生き方につながっているんだなと納得させられます。
本編の芽吹の過去も重くてやりきれないものがあったけど、この二人もかなり重いです。特にキヨ。本職の特殊清掃業が仔細に描かれていて、無縁社会を彷彿とさせます。なぜ、この職を続けているのかその訳がが心にじーんと迫ってきました。それでも、失った人よりももっと大切な人を手に入れたことに安堵です。
総じて軽いタッチで描かれてるけど、痛いシーンもかなりあります。ま、それを乗り越えて晴れて結ばれるわけなので必然性はあるんですが。事件絡みのせいか、決して甘くはないシリアス寄りのストーリーです。
トモ視点だと一人称、キヨ視線だと三人称で交互に構成されています。それもちょっと新鮮で読みやすかった。相変わらず洒脱な文章で惚れ惚れですね~!
兵頭と芽吹もちゃんと登場して、特に兵頭はおいしい役どころ!ちょっとうれしいです。
奈良絵師のイラストも、私的に今回に限っては違和感ナシでした。 -
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ザ・背徳感!めちゃくちゃ萌えました。
逃げても逃げてもまとわりつく業の深さに、とうとう観念した蒼でしたね。
失った愛を消し去るため、節操の無い肉体関係を繰り返す蒼の心を初めて動かした相手が、意識を失って路上に倒れていた葉月です。大学生になって上京したばかりの葉月は、不測の事態が重なって住む場所をなくしていたのを蒼の好意で居候することに。
そこで蒼と女の情事を盗み見てしまったのがきっかけで、二人は急速に体を重ねあう関係になってしまいます。
二人の濡れ場がハンパなくエロ。年の差がかなりあるのもいいし、蒼がノンケだけど恋愛経験豊富で手馴れてるのもいいし、乱れた女性関係を気にして嫉妬してそれでも離れたくないと思う葉月の揺れる心も切なくていい。
どんどん互いに溺れていく様子がものすごーく萌えます。
なのに、そこから一気にどん底。胸が引き裂かれるような展開です。わけもわからず突き放されてしまった葉月の悲嘆が、読んでいて辛かった…蒼が手のひらを返したように葉月を扱うのにはかわいそう過ぎで。
葉月には辛すぎる蒼の態度でしたが、その後の開き直った葉月の行動に溜飲が下がりました。一緒に地獄まで堕ちる決意もできたことだし、容易ではないこれからがあるとしても、このラストは正解だったと思います。禁忌な関係に激萌え。
奈良千春絵師のイラストが素敵でした。でも、若手の日本画家で着物着てる人いないです。皆、ふつうに適当な格好です。まあ、いたらいいなと思うけど。 -
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父親の違う二人の兄を持つ、高校生日向。末っ子らしく甘え上手の上容姿も色白で繊細、色黒の異母兄達に甘やかされて育った。女性にもだらしなく、先生に手を出している事をオラオラ系の次兄に咎められても耳をかさずにいると、「お前を弟としてみるのをやめる」と宣言され。
縁を切るのではなく弟としてみないという事が肉欲の対象になっている、禁忌を犯している事の重さに耐えられずに居た日向だがそれが次第に押さえられない愛に変わっていく。
禁忌という重いテーマですが、オラオラ系というものがすんなり受け入れられて面白かった。
こういうお話も大丈夫な自分に驚きました☆〜
また奈良先生の絵が最高ですね。
次兄の龍昇の色気にあてられます。
それから、表紙裏の3兄弟の日常生活のワンシーン、いいなあ〜♪ -
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労働者街シリーズ完結巻。
斑目さんのカッコよさが際立っていた気がする…!!
全体としてはもう下ネタ全開のオヤジでしかないんですけどwその分要所要所で見せる男らしさとか先生への優しさが際立ちます。
そして先生も元から強いキャラでしたが、更に強くてしなやかになったなと思います。
話全体としては結構やるせない展開もあって、胸が痛くなるようなところもあるのですが、そこが物語に現実味…とまではいかないまでも深みを持たせているなと思います。
そして中原先生らしく濡れ場はワイルドかつ淫靡です。あっさり斑目さんに煽られてノリノリになってしまう先生がいいですw
完結してしまったのがもったいないなと感じる物語でした。 -
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いい幕切れ。途中痛い場面があったのでなおさらです。
芽吹と兵頭に訪れた試練は過酷でしたが、いっそう二人の絆は深まったのでほっとしました…
そこまでを一気に読ませてしまうつくりの上手さには、逆らえません。読み手までを嵌めようとするあざとさも、かえって嬉しくなったりして。
テーマは「信じる」ことなんですが、こうもあっさりハラハラさせられて、途中彼らを疑って、逆方向に行ってしまうなんて私はまだまだ読みが甘かった。
私とUSBメモリとどっちを取るの?的な展開から、愛だけではどうにもならないんだよ風に転がるのかと思いきや、そうでもないところが面白い。
その結末を知ると、生きる世界が違う二人が、男としての矜持を保ちつつ、互いを思いやってるのがすごく感じられます。
伏線小ネタがいろいろ出てきて、こういう長編ではマストアイテムだなと再認識しました。兵頭のカシミアコートのポケットから甘栗とか、いまさら印象的で、上手いなあと思います。
で、最後のベッドシーン。襲い受けで上書き!
能動的芽吹が嫉妬で濃厚H。こちらも満足です。アホ鵜沢登場の痛いシーンも、芽吹の嫉妬爆発である意味エロくて、悪くなかったけど。
兵頭、やっぱりイイ男だ…
最後の1ページ、じんとくる締めくくり。エンターテイメントながら、感動もしっかりあって、何度でも読み返せる質の高いシリーズだと思います。 -
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「黙らない」「疑わない」「振り返る」と続いた交渉人シリーズが、今回は2巻同時発行の長編で読み応え充分なボリュームです。
慣れ親しんだ芽吹と兵頭に再会できるのはうれしい限り。こう続くと、マンネリや劣化は少なからずあるもので、そこは大目に見ようと身構えたけれど、心配無用でした。ちゃんとエンターテイメント。
そんなことより、奈良絵師の微妙な作風の変化に「ん?」と首を傾げてしまいました。暗く重かったのが、なんだかコミカルに。作品との関連付けをどこまで重く見るかにもよるけれど、一応挿絵のイメージでキャラを捉えるわけだし。あまり極端には変えて欲しくないですね。いちいち脳内変換するの、大変なので。
住む世界は違えど、身も心も通い合っていた芽吹と兵頭。芽吹視線で語られる部分は、軽妙洒脱でテンポもよくて、二人の掛け合いも相変らずで面白さは高レベルを維持してます。
登場人物も多くてますます賑やかになっているのも、読んでいて楽しい。
でも、起こる事件は正反対にシリアスで、あんなに明るくて弁の立つ芽吹の過去の闇の部分に重点が置かれていて、どんより。登場する敵がとても手ごわいし、芽吹ピンチです。交渉人vs詐欺師の頭脳バトルですね。
まあ、2冊にまで及ぶ争奪戦に突っ込みどころも多々ありますが、ここは交渉人のファンということで、とやかくは言いません。あのUSBメモリにそこまでする程の価値や重要性がホントにあるわけ?とか、環のへんな脅しにふつう乗るか??とか、細かいことは申しません…
それよりも、ただただ、二者択一を迫られる、芽吹の悲痛な気持ちや、兵頭の苦悩を辿るのみです。
そして、双方の超強力な嫉妬!こっちに萌えたいと思います。