文倉十のレビュー一覧
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ネタバレ短篇集。コル視点の「狼と甘い牙」、ホロ視点の「狼と香辛料の記憶」など多様ではあるが、シリーズ本編完結後の物語ということもあり、飽きが訪れるのは避けられない。
特に「狼と香辛料の記憶」では、平凡な日々の繰り返しが記憶に残らずに流れていってしまう不安がホロを襲う。彼女のような特殊な環境にあらずとも、じりじり追い詰められるだけの受け身生活を送っている自分にとって無関係のテーマではない。
こうした不安の中でまず考えるのは、やはり何かイベントの発生により生活に刺激を与えることだろう。作中のホロのように、ハンナの登場で夫と一悶着・・・とか、なるほど分からんでもない。自分から新しい世界にどんどん踏み込んでいくのは、こと若いうちは絶対に重要なことだと思う。
しかし、そうした手段とはちょっと違う方向で物語が収まっていくのがこの小説の魅力なのかもしれない。双方の静かに燃える愛情が素敵ですき。終わり方はちょっと陳腐だけど、それはそれで。 -
Posted by ブクログ
待望の8巻。前巻を読んだ時の記憶がほとんど抜け落ちているので心配だったが杞憂だった。アウラに2人目ができる、フレア姫と共に黄金の木の葉号に乗る、時空魔法を修得しシャロワ・ジルベール双王国に行く、の3本立て。ゼンジロウが善良な社会人という設定が本当に生きている。ゼンジロウがやっていることは、自らの立場を理解し、それに相応しい振る舞いをし、時に少ない情報から適切な行動をとろうと動く、ホウレンソウを実行している理想的な社会人そのもの。それが女王の伴侶という役割をこなそうとするのだから面白い。サラリーマン、異世界に行くという感じ。魔法などのファンタジー要素はあるものの、むやみやたらな俺tueeは出てこず、それなりに地に足がついていると感じさせる。8巻でもダレない。もともと大きな起伏はなく、それでも小刻みな出来事が続きで飽きることなく読めている。続きも読みたいが、いつかしれっと出なくなりそうで怖いな。
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Posted by ブクログ
歴史的名作!(になるのは1,000年後か)
集英社の第1回ライトノベル新人賞受賞作。王座の間で炎に包まれ焼死した少女。奇しくも現場は、1000年前の伝承と酷似していた。
ファンタジーという世界観は、決してミステリと相性が良いとは言えません。最大の肝は、非現実なルールのなかでいかにフェアに見せるか。本作はこれをクリアできてないかなと思います。剣と魔法の世界を舞台にしているので、その手の仕掛けが当然絡むわけですが、説明不足で大味気味です。また、アクションシーンは人間離れし過ぎですし、エルシリアの「超自然の特権」とやらも何なのかよく分かりませんでした。
それでも、思ったよりミステリ要素に比重が置かれていたのは好感が持てました。スケールはそのままに、よりシャープに磨かれた次回作に期待します。