文倉十のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この本を読んだ後の第一声は「どうして出版当時に読まなかったんだよ私のバカ―!」でした。
分かりやすく整合性のとれた高い文章力、勉強に裏打ちされた中世ヨーロッパの歴史・経済・文化・情景の正確かつ深い描写、そして「ラノベ」で「中世ヨーロッパ的世界」が舞台でありながら「経済」に着目するその面白さ…。まさしく良書と言っていいでしょう。
経済がテーマですから、為替や貨幣経済などなどライトノベルを読むような層の読者には難しい話も出てきますが、正直教科書や池上彰よりもするんと理解できるので読みながら賢くなれます。
また、情景をそのまま文章に落とし込んだような正確な情景描写によってその世界に入り込み没頭できます。
ここでどれだけ作者が勉強したのかが分かります(笑)
黄金色に広がる麦畑やパッツィオの賑わいが肌を通して感じられそうなほどです。
当時大学で物理を学びながら本作を書いていたのかと思うと、著者の勉強量と質の高さは本当に…感服ものです
若き行商人ロレンスと豊作の神・賢狼ホロ(犬耳属性)のコンビが絶妙で、旧来のライトノベルにはなかった新鮮さを感じました。
ロレンスはこの世界ではまだまだ若い方ですが、すでに商人としての矜持とずる賢さは大商人と変わりません。
自分の仕事に対してプライドを持つこと、賢いことの重要性を教えてもらいました…;
ホロはその巧みな話術でロレンスや他の人間を手の平で転がすような老獪っぷりを見せますが、ロレンスに対して思わせぶりな態度をとったり子供っぽい一面を見せたりして、ここまで一筋縄ではいかないヒロインも珍しいんじゃないでしょうか。読者に様々な面を見せてくれるので飽きません。大人になればなるほどニヤニヤできる関係性ですね。
賢くなれる、サクサク読める、ニヤニヤできる!三拍子そろった『狼と香辛料』をこれからも読み続けたいと思います。全17巻がんばるぞー -
Posted by ブクログ
この作品の素晴らしい点は色々あるんだけど、個人的に評価しているのが非日常パートの緊張感。
前巻もそうだったように、大事な人があっさりと死ぬんですよね。
今回もそれは続いており、まさかのあの人がお亡くなりになるとは…。
確かに死亡フラグは立っていたけど、しっかり回収されてしまった。いやはや。
ダイアナのケーキの話など日常パートが非常にほのぼのとしているだけに、シリアスな場面が余計にグッときます。
そしてラストの、悲しいすれ違い。
来るんじゃないかとは思っていたけど、もう、うわーって感じ。
もはやハッピーエンドはあり得ないけど、どのようなまとめ方をするんだろうか。。。 -
Posted by ブクログ
異世界召喚モノですね.
但しよくある召喚されたのがこっちの世界の高校生で
勇者とかそういう系として召喚されて
魔物なんかと戦ったりはしないという….
異世界に呼ばれたのはブラック企業就職3年目の25歳社畜男性.
「子作りさえしてくれれば」あとは何もしなくていい.というヒモ待遇.
そんな訳で
社畜から異世界の一国の女王の夫(ヒモ状態)へのジョブチェンジ.
いやー,面白かったよ.
まさか小型の水力発電機や冷蔵庫等を異世界への婿入り道具に選ぶとか.
エアコンは設置とかの関係で諦めたっぽいけども.
まさに普通の現代人.
直接的な描写はないけども
毎晩王女と熱く合体して職務を果たしておりますよ.
基本的なマナーの講習を終え
次回はやっと社交界デビューですかね.
賢しい彼のことだから
擦り寄ってくる貴族なんかに惑わされないんでしょうね. -
Posted by ブクログ
ネタバレ彼女は自殺しようと屋上に行った。
そこで奇妙な3人組と出会う。
彼らはカカシ、ブリキ、ライオンと呼ばれていた。
そして彼女はドロシーと呼ばれるようになり物語は始まる。
オズの魔法使いですね。
知っている人はより楽しめるかと思います。
なぜ彼らはそう呼ばれるようになったのか。
なぜ屋上という場所だったのか。
なぜ屋上を燃やすことにしたのか。
無意味な行動がなく
その行動には何かしらの意味がある。
それがこの作品の良さかもしれない。
カカシ、ブリキ、ライオンの関係性も深く「オズの魔法使い」の物語を良く再現している点もあり楽しめました。
中盤から後半あたりに「あ、なるほど」と思った場面もあり展開も予想外。
読んでいてとても入り込める作品で読みやすかった。
屋上という舞台。そこにいた3人組との出会いの物語。 -
Posted by ブクログ
ネタバレいよいよメインストーリーもこれでおしまい。
久々にホロの狼の姿での解決あり、商人的な駆け引きあり、今までの要素全部入りな感じです。
これ本当に話まとまるの?って残りページ数になってからのスーパーロレンスタイムで解決まできっちり持っていくのも健在。
終盤の市壁を閉じるまでのやり取りはロレンスとホロ2人の共同作業なのがとてもよかった。
そして最後の最後でまたおあずけされるロレンス。この物語のメインテーマはは永遠におあずけされる物語だったのかとw
個人的にはミリケは熊の種族の末裔なのかと思った。どこにも描写はないので作者も読者の想像にまかせますって事なんでしょうね。
しかしここまで各巻でストーリーに緩急はあっても長編物語を破綻することなく、人気キャラクターの再利用・再々利用といった商業主義的な手法に陥らずに最後まで書ききったのは素晴らしい。