畑村洋太郎のレビュー一覧
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「失敗学のすすめ」の著者だったのですね。
「情緒が必要のないところまで、情緒でやろうとする」文系と、
「数や構造にばかり関心があって、情緒は煩わしくて考えたくない」理系、
という説明は腑に落ちます。
また、
具象の世界から属性を抽出し、
抽象の世界で加工し、
また具象の世界に戻す、
という数に強い人の思考方法は、
先ほどの文系と理系の両方を兼ね備えたもののように思えました。
これって、
右脳も左脳も両方使おうという、
神田昌典の「全脳思考」的なものとも近いですね。
あと、
フェルミ推定みたいな話があって、
限られた手がかりを元に帰納的に推論していくのは、
ミ -
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ネタバレ本業と直結している失敗分析の畑村先生の本なので手に取りました。この本では「失敗の意味」「失敗を生かす仕事術」「失敗を生かす組織論」の3部構成でありますが、特に仕事術で述べられた「失敗から定式化/一般化(シナリオ化)」が肝だと思いました。失敗対策例などは良く作るのですが、日頃の業務に落とすまでもう一段下げる考え方を今後も気をつけていきたいなと。
・周囲の条件が変わっても旧式にしがみつくのは危険な生き方
・失敗する味わう痛みや悔しさのお陰で新しい知識を受け入れる素地を作ることができる
・MITの人は拙い英語でも話しの様子から頭の中で類推して正確に理解してくれる。
・事例集は使われない。失敗から得 -
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実は恩師の一人。コンプライアンスはむしろOpen Systemを想定した言葉なのに誤訳されて導入された。ってのは力強いステートメントでした。失敗は、未来のために徹底的に検死されなくてはならない。司法には、エンジニアリングの観点はない。自然には圧倒的な強さがある。などなど、3.11が書かせたかもしれない強い言葉を感じます。内藤廣さんも、建築の事故現場には必ず行って、壊れるモードを感じてこいみたいな話をしてましたが、畑村さんも、現場に飛びます。プレートテクトニクスという津波のそもそもの原因となる自然の仕組み。その仕組の起こす崩れという自然現象。エンジニア必読
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ネタバレ3.11前にアップしたかったのですが、僕の仕事が遅くて過ぎてしまいました。ほとんど引用です。
◆責任追及と原因究明の関係
・再発防止に結びつく原因究明を優先して行い、そこで得られた知識をオープンにして、社会の共有財産にすることが必要。
・気づいていたり、知っているのにあきらめるわけにはいかない。「あまり考えるとお金がかかりすぎるから考えるだけムダだ」と考えを放棄していないか。
◆うけとめる・つきあっていく
・日本に暮らす以上、自然災害は避けて通ることのできないものだから、無理をすることなく、知恵を使いながら、うまくつきあっていくことが大切ではないか。
◆あとがきより
・人は誰でも間違えま -
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失敗学の第一人者 畑村洋太郎さんの経験があちこち散りばめられていました。今、身につけておくべき考えと身近な行動ができます。
■印象的な言葉を抜粋
①記憶の減衰に法則性にはある。
3日で個人が飽きる
3カ月個人が冷める
3年で個人が忘れる
30年で組織が崩れる
60年で地域が忘れる
300年で社会から消える
1200年で起こったことを知らない
②津波に対抗するか備えるか。
防潮堤を高く設定すればいいものではない
田老万里の長城の2つの防潮堤
「いなすとすかす」思想
③国政と原子力村
見たくないものは見えない
真のコンプライアンスとは、社会の要求に柔軟に対応すること
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「失敗学」の提唱者による、暗黙知を形式知に転換して組織で継承していくための方法論のわかりやすい解説。
一人ひとりが「みる」「わかる」「伝える」の3ステップを「ホントウに」やらないとダメだということ。
全体として、畑村先生の他の著作でも書いてあることを文庫本として焼きなおしたもの。リスク防止に頭を絞っている本当の実務家にとっては、「わかってるよ」ということを改めてイマシメとして言ってもらうようなもの。理論家にとっては記述が冗長で内容が散漫とも感じるだろう。主として読者は「文系さらりーまん」を想定しているということだ。
先生の著作に共通している、線描の図は、目がチカチカしてわかりにくいと思いま -
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サムスンをグローバル企業に押し上げた李会長の改革の真髄。『危機感ではなく、危機意識を持て。』かつて韓国は金融主導で誘発されたIMF危機に苦しみ、それを乗り越えたサムスンは、嵐をじっと耐えるような危機感ではなく、いつ嵐が来ても耐えられる体力をつけるために、危機意識を社員に植え付けた。
過去には日本のマネをし、設計図も無く、それでいてエリート意識は強い集団だったが、それを3つのイノベーション、『3PI活動』により改革した。
3つのPとは、パーソナル、プロダクト、プロセスだ。
パーソナル
人力開発院で社員に現地語のエリート教育、地域専門家を育てる。現地の文化、経済に溶け込ませ、情報を収集させ -
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ネタバレ苦境に立ち向かう時、「失敗した!」という時に、開く新書となった。この種の「癒し」の本は数多いが、畑村さんの筆致はたいへん説得力もあり、そして読後感はたいへん心地よい。その理由は、彼の論は常に「未来・将来」志向であるということろにあるからではなかろうか。「失敗は誰にでもある」というところを主張し続けそれに終始するわけではなく、失敗後の対処が大切と説く「失敗学」という新たなジャンルを牽引している著者ならではの「語り」は首肯させられる部分も多い。たとえば、「失敗したときの風景を思い浮かべ」シミュレーションしておくことの大切さを説くなど、失敗の仮想演習を考えろという部分(p54~58)を読むだけでも大
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甚大な被害をもたらした東日本大震災、その被害の原因を冷静に分析して、今後の防災・危機管理をどのように行うべきかを論じる書。客観的事実を元に、人間の危機管理・危機に対する意識の性質・本質を浮き彫りにし、そこから今後の具体策を述べています。「誰それが原因だ」「このミスが原因だ」というだけで終わるのではなく、そこからさらに踏み込んで、どうしてそんな原因が生まれたのかという、問題の本質である人間の性質にまで踏み込んでいて、自分自身の危機に対する意識の持ち方を見つめ直すとともに、これから自分自身が危機に対してどう生きるべきか、その観点を持たせてくれましたように思います。この震災から、生きている我々は学び
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人間は成功することを目指して生きるが、失敗から学ぶこともある。むしろ失敗を学ばなければ進歩はありえない。筆者は「失敗学」の提唱者としても知られている。今回の大震災を踏まえてこの考え方を述べているのが本書の主旨である。
第1章では「未曾有」という言葉を津波防災の観点から考えている。過去の歴史を調べれば、今回の災害は言葉どおりの未曾有ではなかったという。人は過去のこと、とりわけ都合が悪いことを忘れてしまうという特質があることを考えるべきだというのだ。確かに私たちは反省しないし、懲りない。個人の人生の中だけでもそうであるから、まして数百年という単位にしてみると記憶や伝承は忘れられ、ついにはかつて