畑村洋太郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「わかる」とはテンプレートの一致である.
要素が集まって構造をなす.→新たなテンプレートの構築.
自分でテンプレート、モデルを作れば、想定外の変化にも臨機応変に対応できる.
教育で身につけるべきは、「課題決定の力」である.
事実/知識から抽象化、上位概念を創りだすのだが、これらは抽象的であるがゆえに素人にはわかりにくい.
思考プロセス:馬鹿丁寧に逐一虱潰しに選択肢を当たるのではなく、思考のショートカット=飛躍思考を利用する.
「経験主義」の誤り=偽ベテラン:経験のみで論理性がない.
その反対に、要素や構造をきちんと理解していると、第三者にもわかりやすく説明できる.
「形式論理」(内 -
Posted by ブクログ
失敗学の畑村先生は数(かず)にも強いです。
タテ書きで読める数の本をつくりたかったそうです。
数は、与えられたものは身につきません。
自分で作り出すことによって意味があるものとなります。
そのために常に数字を意識して生活する訓練をすることが必要です。
重さ、高さなど自分で予測するようになると当たるようになるそうです。l
前著の「直感でわかる数字」は、続を合わせて10万冊以上売れたそうですが、10万売れると量だけの問題でなく質的にも変化するそうです。
どういうことかというと社会現象になるということです。読者も普通では読まない層(女性や子供)にも読むようになり、著者の名前も認識されるそうです。 -
Posted by ブクログ
・失敗原因は10に判別される
1.無知
2.不注意
3.手順の不順守(守りすぎると想定に対応出来ない欠点に注意)
4.誤判断
5.調査・検討の不足
6.制約条件の変化(例えば為替対策)
7.企画不良
8.価値観不良(自分ないし自分の組織の価値観がまわりと食い違っているとき)
9.組織運営不良
10.未知
・樹木構造は大失敗を誘発する
・途中変更は諸悪の根源
・ハインリッヒの法則
・岩手県三陸海岸は世界一の津波常襲地帯で石碑に教訓が書いてあるのに家は建てられた。失敗は人に伝わりにくい、失敗は伝達されていく中で減衰していく。これは2000年の話
・失敗情報は隠れたがる
・失敗情報は単純化したがる -
Posted by ブクログ
ネタバレミスを「原因」「結果」ではなく、「原因」「行動」「結果」に分解し、
「原因」と「行動(ヒューマンエラー)」の組み合わせがミスを起こすとの観点から、
回転ドアや鉄道、JAL、原子力といった事故事例分析の共有を図る内容。
ただ、売りである「まんだら」は、あくまで事象を整理するフレームワークであり、
これを使って、どのようなメッセージを抽出するかは、使い手に負う所が多そう。
個人的には、それよりも、各事例の中で紹介される、各業界で蓄積された「安全」や
「ミス防止」の考え方が新鮮で学びが大きかった。
■安全対策と人間の危険感知領域
・安全対策を機械を使用する側の「個人の自覚」に頼る考え方には無 -
Posted by ブクログ
相互不信、個人や集団利己主義、権威主義や他律、日和見、無責任といった弊害に対する改革は、意識革新、全プロセスの革新、革新的製品の創造の三つ。重要なのは、トップの細かいことまで口を出さない姿勢、ライバル企業の戦略に関する情報、プロセスの標準化、インターフェイスの規格の統一化、情報の一元化、広く見える化(セキュリティ確保のうえで)。開発プロセスは、全社、事業部、商品の三層構造とし、段階終了時にデザインレビューを行い、実行、見直し、取りやめを判断。部品表にないものは使ってはいけない。「開発」の早期宣伝によるブランド確立。品質は消費者が決める。
-
Posted by ブクログ
団塊の世代が一気に定年退職を迎える2007年問題を捉えて2006年に書かれたものです。
団塊の世代が抜けることによって豊富な技術や知識が途絶えると、組織の根幹となる人材の競争力がなくなってしまいます。
この問題は2007年に限りません。
知識や技術が個人に属している限り、組織力は安定しません。その人が退職したり急逝したりしたとき、企業にできることがそのままごっそり抜け落ちてしまいます。
特にメーカーなどの技術分野においては、とある機械の一部分が完全にブラックボックス化されてしまい、そこに干渉するようなシステムを組んでしまったばっかりに重大事故に発展するようなことも十分にありえます。
個人の -
Posted by ブクログ
「失敗の本質」を読んだ流れで、そういえばこんな本もあったな~、と思って読みました。とても読みやすく、そして、著者の経験に裏づけされた知識が整理されており、一読の価値があります。
自分自身、身につまされるのですが、「失敗は隠れたがる」というのは、確かにその通りだと思います。
この本を読んで、今度から失敗に対する姿勢を改めたいと思いました。(・・・徐々にそうなればいいなあ、というくらいですがw)
【面白いと思ったポイント】
■失敗の客観的記述は、失敗情報の共有・再発防止という意味では効果が薄い、とするところが印象的。主観的な表現、あるいは当事者に直接話を聞くことの方が効果的。
■引退する/し