畑村洋太郎のレビュー一覧
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失敗と創造性:新しいものを創り上げるには、有意義な失敗を経験しなければならない。アイデアの種が結びついて出来上がる「いも設計」をブラッシュアップし、実用可能なものに仕上げるには、試行錯誤が必要である=>プロトタイプ思考
アイデアの種を的確に結びつけるためには、失敗に基づく体験的知識が必要である=>思考のけもの道
小さな失敗を経験し、大きな失敗が起こる前に「ガス抜き」をする。他人がした失敗から学ぶためには、あたかも自分がその失敗を起こしたかのようにシミュレーションを行うことが効率的である=>仮想失敗体験
大きな失敗を起こさない組織作り:見えにくい失敗を顕在化させるシステムの -
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ネタバレ何気なく使っていた、分かるという事について、何を以って分かるかを知る。
〈感想と適用〉
・要素、構造、全体構造の仕組みが斬新
・今後は、ノートの図式化、絵化+因果関係性を書くを行う。
〈要点〉
○わかるとは何か:蓄積されている要素、構造の一致、もしくは新しいテンプレート(構造)の構築
→・事象を観察、要素を抽出、構造にする、全体構造を見る、構造と構造、要素と要素がどう作用して全体構造になっているかを理解する
└世の中の事象は複数の要素が絡み合い構成される構造で成り立つ。
└一般的には、その構造が複数存在して、全体構造が成り立つ。
○わかるための技術とは
→様々な構造を自分の中に蓄積する -
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数年後に読み返して、本書の考えが定着しているか確認したいと思った。
本書に出会ったきっかけは、「失敗学」という本を読み、その著者に興味を持ったからだ。他の著書も読破したくなったほど本書に満足した。
数とは、人間が作ったものの中でも最も抽象的な存在で、目に見えるものしか信じない性質の私には仲良くなれない存在に感じていた。
しかし、数なんて、そんなに高尚ではないと著者に教えてもらった。桁さえ合っとけば大丈夫らしい。目から鱗。安心してどんぶり勘定し、徐々にその精度をあげていきたい。
新しい町に住んだとき、徐々に頭のなかに地図ができていくだろう。そんな風に、頭のなかにいろんな種類の数の定規を作っ -
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失敗は成功の母という名言があるが、日本ではその考え方を取り入れた教育がほとんどされていないという問題意識から始まる本書では、失敗を定義し、その伝わり方や伝え方の現状と注意点を指摘する。その際には、著者個人の失敗経営はもちろん、企業経営や行政の失敗も具体例として挙げられ、とても読み応えのある内容となっている。
次々と失敗を繰り返す組織こそ、本書を読み、失敗を生かすシステムをつくっていかなければならない。
東日本大震災より6年前に本書が書かれているが、内容は新しささえ感じるものであり、体系的に失敗を考える上で、非常に役に立つ一冊であると感じた。 -
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「時代の変化を見ない日本」と言う指摘を著者が指摘しているが、読んでいると耳の痛いことがビシビシ述べられている。
テレビ番組欄を見ると「日本はすごい」と言う番組が目につくようになってきている。ここ数年の傾向だと思う。確かに技術力や労働意欲ですばらしい面があるがその一方で問題も浮き彫りになっている。
著者は、産業が停滞する理由としていくつか理由を挙げている。
1.日本人がつくるものが優れているという幻想
2.職人の技幻想
3.品質という言葉に対する間違った理解
一番、気になったのは3番の指摘だ。著者曰く「三過剰」と呼んでいる「過剰な機能」「過剰な品質」「過剰に生産」によって日本の -
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高校の数学の先生に読んで欲しい一冊です。が、この本の内容をおもしろいと思えるのは一通り数学を学んでいることが前提にある気がします。
私は理系で情報科学を学んできたなかで、テストで点数をとるためには腑に落ちなくてもこういくものなのだと、数式の意味を理解せずに覚えてきました。
これまでの勉強の裏側にこんな理屈があるんだと、現実世界にもっと寄せて考えるとこういう意味だったのだと分かるような内容になっているため、自分にとっては大変嬉しいです良書でした。
なので、私みたいにとりあえず、本質を理解してなくても、数学は解ければ良いと思って勉強してきた方にオススメしたいです。 -
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ネタバレ普段はこの手の本は読まないんだけど,やはり避けては通れないか,と.何が起こったか,を偏ることなく判りやすく解説してくれており,当時,新聞を毎朝読みながら,でも頭の中では全く整理のつけられなかった事故の進展が,よく理解できた.
第6章「福島事故の教訓をどう生かすか」については,著者らの私見によるところが大きいものの,除染や原発再稼働の問題も含めて極めて真っ当な内容である.
当時,菅首相の行動については世間では批判一辺倒だったのに対し,何故そこまで叩かれるのか,自分は理解できなかった.確かに最近の彼の行動を見ていると,そうなる原因を彼自身が作っているような気はするのだが,少なくとも事故対応に -
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ネタバレ東日本大震災を「失敗学・危険学」という観点から考えている本です。タイトルにもある、「未曾有・想定外」という言葉は東日本大震災以降、頻繁に聞くことになった言葉です。
人はなぜ失敗をするのか、という問いに対し一つの解として、人間は忘れるということが挙げられます。もちろん忘れることは、悪いことではありません。すべてを覚えておくということは、不可能です。この「忘れる」ということに抗うように、昔の大災害を忘れぬようにと津波遡上高を刻んだ石碑等を先人たちは残してくれていました。確かに、この津波遡上高の値には意味がないのかもしれません。それより高い津波や低い津波が襲来した所もあるかもしれません。しかし、「 -
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著者は本書で、数に強い人を「全体像との絡みで数を考え、覚えらえる人」「物事から数を引き出して自分の実現したいことの道筋にその数を乗せ、加工し、発展させることができる人(数を作れる人)」と2種類の定義をしている。
本書では、この「数に強い人」になるための方法と秘訣を紹介しており、具体的には、身近に感覚として持っている尺度(ものさし)から、全体を推計をすることによって、身の回りの事象を数で把握することや、その反対に、全体を一人当たりに換算することによって、身の丈にあった、実感のある数として理解・把握することによって、数字感を養うことが「数に強くなる」ことであるとしている。
また、電車での移動時 -
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日本のものづくりを「もの」=思い、考え方、アイデア。「つくり」=プロセス。とわけて考えた時、日本の製造業の多くは「つくり」によって市場を席巻した。しかしデジタルに移行したことで、製造方法の大展開がおき、熟練した技術が不要になったことが、現在日本の製造業が弱くなった原因と指摘している。
「経営者は孤独」、「他社がやるから」という横並び思想、設備の減価償却の税制がライフサイクルの現在にあっていない事、「考えたくないことは考えない」と言う雰囲気。を批判している。
TTP,FTAは今後の標準を決める役割を担っている。知らない所でルールが決まることは、現在のグローバル社会では大きなハンデだと言う話は、輸