畑村洋太郎のレビュー一覧
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ご恵贈頂いておきながら、読んでいなかった。
不覚。
大変に興味深い。
「死んだ人が見た光景」(62ページ)、「信玄堤」(72ページ)、完全な高台移転は今回も実現しない(77ページ)、原子力の専門家は「想定する」のが責務だということ(91ページ)、「問題設定」と「問題解決」について前者が圧倒的に難しいということ(96ページ)などなど。
また、山の「崩れ」について言及されているが(162ページ)、思わず幸田文の「崩れ」を思い出した。そうしたところ、その数ページ後できちんと触れられている。
これは、やられました。
こういうところで、作者に対する信頼性がぐっと増すわけですね。 -
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『失敗学』の著者として有名な畑中教授。今回の東日本大震災を、「失敗学」の観点から考えるとどうなるのか。本作品では以下の3つが特に主要なポイントであると考える。
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(1)「未曾有」「想定外」という言葉に隠された本音
教授は「未曾有」「想定外」という言葉に潜む危険性を指摘している。つまり、それらの言葉を用いることで曖昧さの中に物事の本質をすべて覆い隠してしまう危険性である、ということだ。
これらの言葉を繰り返し用いることで、「未曾有のことが起きたんだから仕方ない」、「考えても意 -
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これはよく考えれば
開発された場所と違う場所で用いる場合は
使い方も違うということがわかるはず。
しかしこれが欠如していたがために
痛ましい事件が発覚してしまったのです。
一部の人には親が悪いという意見が
ありますが、それはこの結果を見れば
到底防ぎようのないことがわかるはずです。
被害にあわれたお子さんは
どれだけ苦しんだことか…
そのほかにも
子供を囲む危険として
シャッターの問題も取り上げられています。
これはずさんさがよくわかるはずです。
古き時代の悪い面が露呈しますので。
こういう人がいなければ
何もわからずに今を迎えたんだろうなぁ。 -
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前作、「直観でわかる数学」を読んだ上で購入した。
依然、「数学なんてキライだし、わからない」と思っている人に向いているかどうかはわからない。
しかしながら、数学が好きで、微分積分についてある程度(高校レベルで十分)やった人が、「微分積分とは結局どういうものだったんだろう」と少しでも思ったことがあるならば、是非とも本書をオススメする。
本書では微分積分について教科書や参考書では考えもしなかったさまざまな視点を提供してくれる。
特に歴史的な観点は興味深く、やはり当時微分積分法を発明した偉大な人物たちの視点にたって考えてみることは、曖昧だった理解をすっきり明快にしてくれるのである。
また今回は付 -
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ネタバレ・グローバル市場ではまじめに良い製品を作るだけで戦略がない多くの日本企業がある。
・市場が求めている技術の領域はゆっくり上がるが実際の技術は一気に上がる。
・サムスンには記録の文化がなかったが記録の徹底を根付かせるために何でもかんでも書類に残すことが行われた。かつては、相互不信、集団利己主義、日和見、無責任といったことが普通だった。
・日本ではチームで仕事をしているが韓国は個人主義が強い。
・韓国では定期的な異動がないため、上司が替わったときに自分が損をしないように常に考えている人が多い。上司の異動の噂が出るととたんに仕事をしなくなり、その部門の動きが留まってしまうことがよくあった。
・サ -
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失敗はなぜ起こるのか。どうしたら再発を防げるのか。失敗の経験を社会の共有財産にすべく「勝手連事故調」に奔走する畑村先生の発想と行動力に頭が下がる。本書で扱われている事例は以下の通り。
第1講 想定され得ることは必ず起こる(六本木ヒルズの大型回転ドア事故)
第2講 人の注意力には限界がある(日本航空の連続トラブル)
第3講 追いつかなかった企業改革のスピード(JR福知山線脱線事故)
第4講 ゼロからつくり直すことの大切さ(金融システムの失敗)
第5講 見たくないものは見えない(リコール隠し)
第6講 起こる前に起こった後のことを考える(火災に学ぶ)
第7講 それぞれの立場から見える風景(JCO -
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今日、読み終わった本。
仕事場で本棚を整理してたら出てきて、「かつて誰かが読んだんだろな」なんて思って読んでみた本。
どこのプロジェクトでも、形として文書は残っていてもそれを作った人の思いは残ってないんだよねぇ。そんな誰かの思いを継承してみたくて。
この本、全員1回読んだ方がいいと思います。
失敗は誰にでもある。
その失敗をしない為に、仕事の上では手順書やマニュアルを作る作業が発生する。
それはそれで結構なことですよね。
でも、手順書やマニュアルを見ながら作業を行っている人が、手順書に載ってない場面に出くわしたら、どーなるんだろう。また、手順書に記載されている手順に沿わない場合にどん -
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『はじめに』
・日本の自動車産業は,すでに1990年代から市場の飽和で国内で稼ぐことが難しくなっていた.そこで国外輸出と生産拠点を海外に移す,いわゆる「グローバル化」で対応するようになった.
・成功は欧米など先進国の市場に限定されていました.新興国を含む,本当の意味でのグローバルな市場で成功している産業は,じつは「皆無である」というのがいまの日本のものづくりでの実態です.
・技術力が高いことを売りにしているはずの日本の製品が,「世界のどこの市場でももっとも選ばれているわけではない」という現実が浮かび上がってくる.
『プロローグ サムスンの躍進と日本企業の自信喪失』
・サムスン・グループ.売上 -
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組織と人、プロセス、製品以上3つのイノベーションがサムスンを
どう変えたのか?を10年間サムスン電子常務として働き
内部で見てきた著者が書いた本。
読んだ直後、もっと本質を理解したいから読み返したいと
思う内容。
会社の社費留学制度でアメリカのサンダーバードでMBAを
取得した後輩にも貸したが、
日本のサラリーマンは全員読むべきですよ!と言って
すごいと感動していた。
個人的にはあとがきにあった、
「卵の殻を自ら割れば生命を持った鳥になるが、
他人が割れば目玉焼きにしかならない」
という韓国のことわざを見て、
自分はどっちだ?と考えてしまった。 -
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失敗学がベースになっているが、序盤はうつ状態になる原因と簡単な対策が、実体験を通じて述べられている。現在、自分も同じような状態にいるので、うつから脱するための手がかりになりそうだと期待している。
その後は、自分が失敗したとき、どうすればいいのかが書かれているが、
失敗とうつを絡めて読んでみると、うつ脱出やうつになりにくいメンタルの作り方の手がかりが少し見えてきた。
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○エネルギーが戻ってくると人は必ず自発的に行動したくな